釣りビジョン

2010.7.1号

幸栄丸・茨城県鹿島港
鹿島沖のショウサイフグ好スタート!

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夏のショウサイフグは産卵期となりオスは白子を腹に抱える。その食味の良さで周年人気のある釣り物だが、この時期は白子の楽しみも加味される。そんなショウサイフグ釣りが始まったと聞き、茨城県・鹿島港の『幸栄丸』へ出掛けた。

梅雨真っ只中での釣行

幸栄丸受付場所
6月23日(水)、梅雨真っ只中で梅雨前線が太平洋に停滞する状況での釣行となった。出船時間は朝5時丁度。12人の釣り人を乗せた『第七幸栄丸』は奥田重孝船長操船で出航。航程20分程で釣り場に到着した。
この日の海上は早朝から濃い霧に包まれ視界が悪かった。船長は魚群探知機と睨めっこしながらフグの反応を探していく。そして船のエンジンのギアがバックに入り、ピタリと反応の真上に船を止めたところですかさず「はいどうぞ!」のアナウンス。しかし、フグの食いはパッとしない。おまけにしばらくすると予報よりだいぶ早い時間から雨が降り出してしまった。

広い待合所
今回乗船した『第七幸栄丸』
奥田重孝船長

テクニックが要求される釣り

ショウサイフグは「カットウ」と呼ばれる独特の仕掛けを使う。魚が掛かる理屈を簡単に説明すると、オモリの真下に餌のアオヤギを付け、これを食いに来たフグをオモリから垂らしたカットウバリ(3本イカリバリ)で引っ掛けるのだ。※画像参照。
「な~んだ、引っ掛け釣りか」と侮る無かれ。この釣りに限り「運が良ければ勝手に釣れている」ということはない。当たり前だが引っ掛けだからこそ、アタリを感じて合わせを入れなくては釣れないのだ。簡単に釣れてしまうこともあるが、非常にテクニックが要求される釣りなのだ。

ショウサイフグ仕掛け図
これが「カットウシカケ」
この日は12名の釣り人

『幸栄丸』の今シーズンの“夏フグ釣り”は3日前(6月20日)から開始した。初日は10時過ぎ頃から大型主体で釣れ続いたと言う。当然、この日も好釣果に期待が膨らむ。が、しかし世の中そんなに甘くはない!取材当日は魚探にフグの反応が映るが、船をそのポイントにのせるとフグが逃げてしまっているらしいのだ。これは普段よりも潮が澄んでいるからだと船長。狙う水深は平均で20~30m。浅いところでは10mを切る場所もあるので船体のプレッシャーも当然あるのだろう。
だが、そんな状況でもポツリポツリとは釣れてくる。ひと流しの中で連チャンで釣れてくることはないが確実にフグの居る場所を流している証拠だ。そして澄み潮対策として「オモリの色を赤に変えてみて!」とグロー系の目立つ色のオモリを使っている釣り人に船長がアドバイスした。この指示がまた大当たりで、それまで一切アタリが無かった釣り人が短時間で3尾も釣ってしまった。

この日のファーストヒット!
レギュラーサイズ
これはいい型!!

『幸栄丸』オリジナルカットウ仕掛け

このカットウ仕掛け。フグ釣りの船を出している多くの船宿でオリジナルを考案している。それぞれのご当地に合ったノウハウとコダワリが凝縮された仕掛けなのだが、勿論、『幸栄丸』にもオリジナルのカットウがある。
ここで『幸栄丸』の常連さんに釣り方のコツを聞いてみた。強風の中での撮影だったので画面が揺れて多少お見苦しい場面もあるかも知れないが、とにかく動画にしたので是非ご覧いただきたい。

25日にトップで48尾という大爆釣!

お子さんだって!
結局、この日は終日雨が止まず、後半は風も吹いて来て非常に釣りにくい状況になってしまった。それでもポツリポツリと同じようなペースで釣れ、定時の正午に沖上がりした時のトップは9尾。また、本命以外にもカレイやマゴチなど“嬉しいゲスト”も結構釣れていた。ちなみに取材の翌24日はトップで26尾。25日にはトップで48尾という大爆釣!今がチャンス!!

この日の最大サイズ!!
ナイスサイズのマゴチ
カレイゲット!

幸栄丸に設置されているフグ処理の看板
最後に奥田船長にフグ釣りの魅力を聞いてみた。こちらも動画をご覧いただきたい。また、コメントの中でも話しているが、釣ったフグは必ず船宿で捌いてもらうこと。これは都道府県条例に基づいた「フグ処理士免許」を船宿の人間が必ず取得しているので、その人に捌いてもらわなければいけないのだ。フグは猛毒を持つ魚。間違ったでは済まされないのでそこだけは注意していただきたい。

今回利用した釣り船
茨城県 鹿島港 『幸栄丸』
〒314-0007 茨城県鹿嶋市小宮作1069-67
TEL:0299-82-2775(定休日:定休日:第3月曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
幸栄丸ホームページ
出船データ
料金:10,000円(氷付)
※餌1パック:500円
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