釣りビジョン

2014.6.1号

新修丸・神奈川県金沢八景
海の“泳ぐ宝石”!アカムツ釣り・東京湾でシーズンイン

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海の“泳ぐ宝石”とも言われるアカムツ、そんな超高級魚を待ち焦がれる太公望は多い。そのアカムツは初夏になると産卵場所を求めて、東京湾口に上って来る。そのアカムツを東京湾で釣らせてくれる船宿が横浜・金沢八景の『新修丸』。釣り期は初夏から秋口まで。今年もスタートとしたと聞き5月24日(土)出掛けた。当日は30cm級も交じったものの、潮が流れず船中6尾と苦戦したが、翌日は35cmを含め2~6尾の好釣果、潮さえ流れれば“海の宝石”、アカムツに出逢える。

交通のアクセスもよく風光明媚

車だと横浜横須賀道路・朝比奈ICから15分。首都高湾岸線では幸浦出口から10分、国道16号線の金沢八景駅前から海側へ5分、電車では京浜急行・金沢八景駅で下車すれば送迎バスがある。船宿『新修丸』は平潟湾に架かる夕照橋の袂にある。静かな湾には釣り船をはじめ、ヨットやプレジャーボートが浮かび、野島公園や八景島シーパラダイスの施設も近くだ。

この看板が船宿『新修丸』
店内では女将さんが笑顔で迎えてくれる
この夕照橋の袂が『新修丸』です

桟橋に舫ってある黄色の船体が新修丸
白い橋が夕照橋、朝夕の日が当たると周辺と共に美しく映える

“海の宝石”、アカムツを探しに

「型は大きくないけど、ポチポチ釣れていますよ」と新明正義大船長。期待を胸に船に乗り込む。定刻の7時20分、大船長自らの操船で7人の釣り人を乗せて桟橋を離れた。夕照橋、帰帆橋、野島橋と3つの橋を潜ると東京湾。左手に八景島シーパラダイス、右手には深緑の野島公園、造船所の白と朱色に塗られたクレーンと、絵の様な景色を見ながら釣り場へ向かう。航程30分程の観音崎灯台沖でストップ。「ここでやって見ましょう、水深は80m、ここで釣れれば型もよく面白いのですが。餌は丁寧にキチンと付けて下さいよ。付けかたが悪いとハリスに絡み、釣りになりませんよ」と大船長。

野島公園が右手に
橋を3つ潜ると寝かせてあった帆柱やアンテナ柱を立てる
左手は八景島シーパラダイスの施設が

いざ、期待を乗せて釣り場へ
『新修丸』のアカムツ仕掛けです
釣り人、自製のホタ針仕掛けはバレが少ないとのこと

最初のポイントは“ゲスト”で赤と黒

1投目で左舷ミヨシ(船首)で竿が引き込まれた。“本命”かと大船長がタモを持って跳んで行く。濁り気味の海中に赤い姿、上がって来たのは30cm級のオニカサゴ。そして直ぐ、胴の間(中央)の石川厚さん(葛飾区)の竿にゴンゴンと強い引き。「大物か!」と皆の視線が集まったが、こちらは極太クロアナゴ(台湾アナゴ)全長1mはあったか?船べりで暴れ、ハリスが切れて海底に消えた。トモ(船尾)の森下伸さん(横須賀市)が25cmほどのドンコを釣り上げる。左舷は全員に何かしらのアタリがあったが、右舷は全員アタリなし。15分ほどで大船長は見切りを付けて移動。

第1投でゲットは同じ朱色でもオニカサゴでしたね
こちらは「ドンコ」だよ
うわー俺もドンコだぁー

私はサバ、カツオ、サンマ、サケハラス、ホタルイカを用意したが
船宿で借りたバッテリーは軽くて強力でした、深場にピッタシ
仕掛け図

“海の宝石”、アカムツが姿を見せた

10分程南に走り、久里浜の火力発電所の沖へ。アシカ島と呼ばれる岩礁と東京湾フェリーの航路の中間で水深は90m。大船長が「潮が動かないよ」と嘆く中、右舷ミヨシの岡井直樹さん(江東区)にアタリ、竿先が小気味よく引き込まれる。「本命かも」と操舵室から飛び出しタモを構える大船長。しかし、これは30cm弱の鋭い歯をしたクロムツ。根回りを少しずつ移動、その間に竿先を振るわすのはオニカサゴやユメカサゴ、それにドンコ(見てくれが悪いので人気がないが、キモと味噌を加えてナメロウにしたら絶品!是非お試しを)。再度移動で竿上げの合図。その時、右舷胴の間の吉江重美さん(川口市)が、「アレ、喰ってるかなぁ」と慎重にリーリング。海面に浮いてきたのは小振りだが、本日第1号のアカムツがタモに納まった。静かだった海は上げ潮に入ると、南西の風が吹き出した。

やっぱりドンコでした
“本命”が来てよ、黒いのばっかりだよ
引きは“本命”だと思ったんだが!ムツはムツでもクロムツでした

“本命”第1号、「ついにアカムツ、やりましたー」
こちらは同じ朱だけどオニカサゴだよ

ドンコ攻めの中、30cm級の“本命”!

動きが無い潮に、何とか魚信をと大船長は久里浜沖の150m立ち、100m立ち、航路寄りの230m立ちと、移動を繰り返す。しかし、ドンコが竿を揺するだけ。
そんな中、左舷トモの森下さんの白い竿が弧を描いて竿先がゴンゴンと叩かれた。大きく煽ってから手巻きで数回巻くと電動リールのスイッチON,リーリング途中でクンクンと“本命”らしい引き込み。海中に朱色の魚体が浮いて来たアカムツだ、30cmはあるか?大船長が慎重にタモで掬った。森下さんは思わずニッコリ、船長もカメラで映像を収める。直後、右舷胴の間の小兜さん(横須賀市)の竿に強いアタリ。スワ、大物かと期待したが50cm級のギンアナゴにガックリ。森下さんが30cm弱のクロムツをクーラーに収めた。連れの石川さんは20cm級のユメカサゴとオニカサゴを交互に釣り上げてクーラーの中は赤く染まっていくが「“本命”がいないのが寂しいです」と苦笑い。

私も朱色だけど“本命”じゃありません、オニでした
良い引きだったけどなんでアナゴなんだよ!潮が暗いのかなぁ
引きが弱いと思ったらユメカサゴだよ

これこれアカムツ、1年ぶりにご対面だね
ユメカサゴかアカムツが欲しいンだけど
ユメ、ユメカサゴかアカムツの夢をみてるのだけど

一荷でドンコを釣っちゃたんです
赤だけでなくクロムツも釣っちゃいました

納竿間際 小粒の“海の宝石”が4尾

「これ2尾めですよ」…こちらはトホホなのに
南西風が強くなり、波頭が白くなり出した納竿間際、右舷ミヨシの岡井さん、胴の間の小兜さん、そして左舷トモの森下さんと3人同時にアタリ。そして3人とも同じような小振りのアカムツを取り込んだ。そして更に私の隣の吉江さんが18cm強の“本命”を釣り上げた。ここで沖上がりの合図。私はユメカサゴとドンコを数匹ずつ釣っただけ、“本命”に見放されオデコをくらってしまった。しかし、納竿間際に小振りとは言えほぼ同時に4尾が上がったのを見た。東京湾のアカムツのシーズンはこれから。観音崎沖の80mの浅場で40cm級が釣れると言う大船長の話に、リベンジを誓った。

アカムツの夢やぶれたクーラーはオニとユメカサゴ、シロムツも
このアカムツ、本日の最小かも
小振りですが最後に来ました

(釣りビョンAPC・倉形 金幸)

今回利用した釣り船
神奈川県金沢八景『新修丸』
〒236-0025
神奈川県横浜市金沢区野島町10
TEL:045-784-2636
定休日:毎週木曜日
詳細情報(釣りビジョン)
新修丸ホームページ
出船データ
乗船料金: 10,000円、女性、中学生まで6,500円(餌、氷付き)、OPホタルイカ600円
貸し道具:500円(竿&手巻きリール)
駐車場1日:500円
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