釣りビジョン

2014.11.1号

こなや丸・千葉県長浦
東京湾のLTアジ。脂の乗った“金アジ”絶好調!

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台風一過、真っ青な秋晴れが気持ち良い。「天高く馬肥ゆる秋」。魚も越冬の為、体に脂を蓄える時期でもあり、脂が乗って来る。この時期、東京湾で釣れるアジは体色が黄色味がかって“金アジ”、“黄金アジ”などと呼ばれ、珍重される。19日(日)、食い気に誘われ千葉県・長浦港『こなや丸』に出掛けた。

釣り入門にLTアジ!

東京湾のアジ釣りと言えば、LT(ライトタックル)が定着している。水深も20~30mと浅く、ビシも30号前後と軽いので初めての人でも扱い易い。最近は、釣り入門にアジ釣りを選ぶ人も多い。出掛けた日は、武田知己君(小5=10歳、大田区)が「釣りをしたい」と言うので、お父さんの友人にお願いし、家族全員(知己君、お父さん、お母さん)で釣り初体験に来ていた。

『こなや丸』
受け付け風景
番号札が乗船順

番号札順に乗船し、釣り座に着く

午前5時少し前、国道16号線沿いにある『こなや丸』待合所に着いた。辺りは未だ暗く、事務所の明かりだけが煌々と点いている。事務所の中に入り、釣り物の掲示板の番号札を取って、乗船名簿と一緒に女将さんに渡し、番号札を受け取って港に向う。港には大きな駐車場が整備されている。船長の指示により、番号の若い順に乗船し、空いている釣り座に着く。実にスムーズに事が運ぶ。

朝日が工場群から昇る
仕掛け図
イワシのミンチと餌の青イソメ

船長が、初心者へレクチャー

出船は午前5時30分。船は港を離れ、工場群を抜け、東の空が薄っすら茜色に染まる中、一路木更津沖に進路を取った。小沢一滋船長は「タナの指示はその都度は言いません。ビシが底に着いたら、1m上げてコマセを撒き、又1m上げてコマセを撒いて下さい。貸し竿の人は1mずつ道糸に印が付いているからそれを見て。リールの回転は1回転50cm程だから5、6回巻いて下さい」とマイクで丁寧に説明してくれた。右舷側は私を含め3人。左舷側は、初釣り体験の3人が友人を含め5人で並んだ。釣り開始前に2人は付きっ切りでレクチャーしていた。

知己君のお母さん、ヤッタね!
先生役の大木剛さん
知己君が“金アジ”釣りました33cm

お母さん、連続ヒット
岩舘達也さん大カサゴ
丸々太ったアジ

朝まずめが良型のチャンス!

先生役を買って出た鎌田憲明さん(千葉市)が、最初に良型を釣り上げた。それを横目にお母さんも30cm前後の良型を釣り上げた。朝まずめは良型のチャンス。水深17、18mの超浅場。武田知己君がガンガン巻き始めた。ビシまで巻き上げてしまったので、アジがブランブランして中々掴めない。取り込んだのは何とこれも33cmの大アジ。続いてお母さんも33cmの大アジを連続で取り込んだ。人生初体験で、良型のアジが2匹、桶の中で悠々と泳いでいる。お母さんはコマセの詰め方も慣れて来た。様子を見ていると、「コマセを撒いたが釣れない」と言うので、私が竿を持って見ると、底にビシが着いたままになっていた。「リールを巻くのを忘れてた」と苦笑。右舷側で37cmのビッグが上がった。良い時合に入った様だ。大アジ、中アジ中心に、ボツボツと釣れてくる。その内サバが回って来た。この時期のサバは脂が乗り、俗に“トロサバ”と呼ばれ、珍重される最高の“ゲスト”。右舷側で竿をしならせ巻いている。上がったのは30cmオーバーの大カサゴ。色々な“ゲスト”が釣れる。良型アジの入れ食いタイムも30分程で間遠くなった。

煮付、塩焼きサイズ
鎌田憲明さん絶好調
海面からエイッと抜き上げる

潮が流れ出すと入れ喰いタイム

小まめにコマセを撒いていると、潮の流れも出てきて、ポツリポツリと釣れ出した。大木剛さん(千葉市)に25cm前後の中アジが上がった。水深は15m。時にはダブルも有り、気合が入る。私もここで竿を出した。餌はアオイソメを2、3cmに切ってハリに付け、コマセを詰めて、1、2mコマセを巻きながらタナに持ってくると、クックッと小さなアタリ。上げて来ると上バリにアジ、下バリにシロギス。正確なタナ取りが出来ていない証拠。タナを3mに決め、コマセを撒くと、直ぐにクックッと竿先を絞り込むアタリ。ゆっくり巻き上げながら追い喰いを誘う。取り込んだのは小型ながらアジのダブル。その後も空振り無くブルブルッと竿先をゆする。23、24cmの良型が釣れる事も有れば、“唐揚げサイズ”の時も有る。ダブル、トリプル交じりで入れ喰いタイムに突入した。
船中を廻って見ると、武田さん親子も楽しく釣っている。お父さんもダブルで取り込んだ。先生役の大木さん、流石に手慣れたもので、ポンポン釣り上げて行く。誰も夢中で釣っていたが、10時半、沖上りの時間になった。

大型に対応出来る胴調子竿
大きなアジが沢山釣れました
山原豊さん朝一に釣れた。37cm、35cm

“幅広アジ”は黄金色

小沢一滋船長
竿頭は68匹。スソ(最低)は、アジ釣り初めての小5・知己君の20匹。初めてとしては十分な釣果だ。朝の内37cmを頭に30cmオーバーが8匹釣れ、途中“トロサバ”の嬉しい“ゲスト”も釣れた。後半は、中・小型が中心だったが、ダブル、トリプル交じりで入れ喰いになり、納竿まで続いた。釣れてくるアジは尻ヒレ、背中辺りが金色に染まり、脂が乗った文字通りの“金アジ”だ。
この時期だけの“ブランドアジ”。是非ファミリーで出掛けてみては如何だろう。

(釣りビジョンAPC・飯妻 武夫)

今回利用した釣り船
千葉県長浦『こなや丸』
〒299-0265
千葉県袖ヶ浦市長浦1-1-111
TEL:0438-62-2707(定休日:毎週火曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
こなや丸ホームページ
出船データ
LTアジ予約乗合
午前船 出船=5時30分 沖上り=10時30分頃
午後船 出船=13時00分(揃い次第) 沖上り=17時頃
乗合料金=7,700円(午前、午後とも)
中学生以下=3,600円・女性=5,500円
(コマセ、付け餌、氷付)
レンタルタックル有り:500円
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