釣りビジョン

2015.9.1号

魚磯丸・静岡県沼津久料
駿河湾・沼津沖の浅場で“根魚五目”を狙う!

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サビキ仕掛けで釣ったイワシを餌に、“泳がせ釣り”で根魚を狙っている静岡県・沼津西浦久料『魚磯丸』。アカハタ、クロメバル、カサゴ等々“高級根魚”が良く釣れているという情報をキャッチ、8月14日(金)、東名高速道路を沼津に向けて車を走らせた。

『魚磯丸』は午前4時20分にオープン

『魚磯丸』待合所が開く午前4時20分に合わせ、都内から東名高速道路を西へ走り、沼津ICで下りた。待合所付近にはコンビニが無いので沼津IC近くで買い物を済ませ、まだ暗い駿河湾を右手に見ながら車を進めること40分程で『魚磯丸』の看板が見えてくる。待合所の受け付けの右隣には“魚磯丸オリジナルロッド”「竿酔」が並べられていた。待合所前でトラックに荷物を積み込み、徒歩1分程、道を隔てた向こう側に船が係留されている。

魚磯丸の看板
魚磯丸の受付
受付横に「竿酔」の展示がある

まずは餌となる生きイワシを狙う

この釣り、餌は生きたカタクチイワシ(シコイワシ)が最上。これで根の中から“高級魚”を誘い出す。まずはサビキ仕掛けでこのイワシを確保する。オモリは60号、サビキ仕掛け上部のカゴにコマセのアミを詰め、船長の指示ダナで1振り、2振り。多点掛けで釣れたイワシを足元の簡易生簀にキープしておく。イワシが釣れなかった時の為に、サバの切り身や冷凍のイワシの用意もある。この日はソウダガツオに追われてカタクチイワシが浮上、海面が盛り上がり“イワシ団子”になっているところを常連さんがタモで掬って大量の餌を確保することが出来た。

サビキ仕掛けとコマセカゴ
簡易生簀の中のカタクチイワシ
サバの切り身

いざ根魚狙いへ!

“最上の餌”も確保できたところで、久保田船長は、ポイントに向けで船をゆっくりと走らせた。この間60号オモリはそのままに、仕掛けを“『魚磯丸』オリジナル”の胴突き2本バリに替えておく。急峻な山並みがそのまま海に落ち込む駿河湾、根魚の好ポイントが形成される要素が十二分に揃っている。ポイントに近くなるとエンジンがスローになり、そのタイミングで釣り人たちはイワシの下顎から上顎へとハリを刺して準備完了。投入の合図と共にスタートした。イワシを弱らせないようにサミング気味で下ろし、着底後すぐにオモリを切るとすぐにアタリ。まずは右舷に座った常連さんが小振りのカサゴを釣り上げた。

『魚磯丸』オリジナル仕掛け
山並みがそのまま海に落ち込む地形
まずは右舷の常連さんにカサゴが

根掛かりする場所ほど好ポイント!?

水深は30m前後。最初のポイントでは小型のカサゴが多かったので移動。大瀬崎を回り込んだところで再開。この釣りで根掛かりは避けて通れない。ではどうするか? 根掛かりを極力無くして根魚を攻略するには、仕掛けを投入したら、竿先を下向きにし、船長がアナウンスする水深の10m位前になったらスプールを強めにサミングして、潮の流れでループ状になっているラインの張り出しを直線にし、オモリが海底にコンタクトした瞬間にクラッチを入れ、間髪入れず竿先を水平以上にする。これで着底したオモリを根から2m前後離すことが可能になる。 根魚が寄って来ると、イワシが逃げまどい、その感触が竿先に伝わって来る。直後、穂先がグッグッと引き込まれ、竿を立てるように合わせを入れると、クロメバルやカサゴ、アカハタ等が竿を絞め込む引きを味わわせてくれる。

クロメバル
カサゴ
アカハタ

随所にあるポイントを移動しながら

船長は、「今日はまるで潮が流れない。船を引っ張りながらの釣りになるね」と嘆く。普段なら潮流と風とで程よく流れる船が、この日は船を移動させながら少しずつポイントをずらしていった。それでも流し替える度にアカハタ、カサゴなどが上がり、“ゲスト”にはヒラメやエソ、ソウダガツオ、ベラやミノカサゴなど“五目釣り”の名に恥じぬ多種多様な魚が釣れた。

アカハタ
カサゴ
ヒラメ

実際竿を出してみた感触は!?

終盤、大瀬海水浴場前のポイントを攻めた。「ここでは以前、5人同時にカンパチを食わせた」と船長。ここで私も竿を出してみた。オモリが底にコンタクトする感触では、底はゴロタで、船の移動と共に緩やかにカケ上がって行く感じ。根にオモリが当たれば素早く底を切り、リールを半回転位巻いて底立ちを調整、底立ちをとる度に仕掛けを1m程切った。根魚は、上から落ちてくる物に反応する。丁寧な“誘い下げ”を繰り返すとすぐにアタリ。しかし、イワシのどこを咥えているか、明確な重みが無い。そのまま逸る心を押さえて数秒…。直後に引き込まれた穂先の重みで合わせを入れると、獲物が頭を振る手応え。ほくそ笑みながらリールを巻き、中型のカサゴを釣り上げることが出来た。

正確なタナ取りでカサゴGET
仕掛図

常連さんは40~50Lの大型クーラーを持参!!

最終釣果は3~8匹。船長は「昨日はトップで30匹はいったんだけど、潮が流れず魚に食い気がなかったね」と苦笑い。前日に大雨が降ったようで、『魚磯丸』の隣を流れる川もかなり濁っていた。それも影響したのかも知れない。いずれも一過性のもの。状況が戻ればまた釣果も復活するに違いない。その証拠に常連さんは皆、40~50Lの大型クーラーを持参していた。
“根魚五目”は9月一杯楽しめるとのこと。美味しい根魚を求め、是非釣行してみてはいかがだろうか。

下船後の麦茶にほっとする
流しで魚もさばくことができる
『魚磯丸』の看板

にこやかな久保田船長
待合所前で船長からお客さんに料理法などのレクチャー

(釣りビジョンAPC・林 良一)

今回利用した釣り船
静岡県沼津久料『魚磯丸』
〒410-0243
静岡県沼津市西浦久料124
TEL:055-942-3230
詳細情報(釣りビジョン)
魚磯丸ホームページ
出船データ
根魚五目 浅場
集合:4:30 
出船:(沖上がり)5:00~11:00
料 金:1人10,000円(税込)
(エサ・コマセ・氷付き)
夜アジ五目
出船:要確認
料金:10,500円
(エサ・コマセ・氷付き)
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