釣りビジョン

2010.10.1号

たかはし丸・東京都小岩大橋
“初めての沖釣り”にピッタリ!東京湾のイシモチ(シログチ)好発進!

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“耳石”を持つことから名づけられた“イシモチ”。その種類は実に多いが、東京湾の釣り物として知られるイシモチは、標準和名・シログチのニベ科の魚だ。今年はアジ釣りの“ゲスト”でも良型が頻繁に顔を見せ、魚影の濃さを予感させていた。そんな時、イシモチの乗合船をスタートさせると聞き、9月26日東京・小岩大橋脇の『たかはし丸』へ出掛けた。

30号背負える柔らかめの竿ならOK

前日、『たかはし丸』の井杉竜一船長に確認の電話を入れた。何しろイシモチ釣りは初体験、道具すら分からない。そこで、どんな竿を持っていけばいいのか聞いてみると、「30号のオモリを背負る柔らかめの竿なら何でも大丈夫ですよ。長さは問いません」とのこと。手持ちの竿からコンパクトロッドとシロギス竿を車に積み込んだ。

今日はいい釣り日和だねと常連さん
いつも丁寧な接客を心がける井杉船長

電車でも間に合う午前7時出船

環状七号線、朝焼けに照らされた“スカイツリー”を横目で見ながら船宿へと車を走らせる。昨日の風雨が嘘のように穏やかな日和。適度に吹く風が心地よい。午前6時20分、『たかはし丸』の駐車場に到着。2階の待合室に上がって行くと先客5人が談笑していた。御大の高橋芳広船長が出迎えてくれ、温かいお茶を入れてくれた。

階段を登ると受付&待合室だ
イシモチは7:00出船ですね♪
出船前の待合室は釣り談義に花が咲く

2投目で全員がボウズ脱出!

やったね、船中第一号!
「昨日は天ぷら船で出たんですけど、波がザブザブでした。嘘みたいな天気ですね。今日はいいかも」と、出船前から井杉船長もイシモチ釣り初日に気合十分だ。午前7時の定刻に河岸払い。雨の濁りが入った新中川を下り、ベタナギの東京湾を走って、8時40分に釣り場の本牧沖に到着。
すぐに投入の合図。「はい、やって下さい。水深28m。底から1m上にいい反応が出ているから頑張って下さいね」。全員の仕掛けが投入され、1投目こそ誰にもアタリがなかったが、流しを変えた2投目に左舷大ドモ(船尾)の中村多喜男さんにヒット。続いて隣の釣り人にもヒット、そして、右舷ミヨシ(船首)、大ドモとアッという間に全員が型を見た。しかも釣れて来たのは全て25cm以上の良型ばかりだ。

どうだ!これはいいサイズでしょう!
アジとイシモチの一荷にエビス顔

二刀流”(2本竿)で狙おう!

『たかはし丸』では、イシモチを“二刀流”(2本竿)で狙える。「イシモチは柔らかめの竿なら置き竿でも大丈夫です。少し慣れている人は皆2本竿で釣ってもらっています。竿はバス用、シロギス用、ライトゲーム用と何でもOKですし、リールもスピニング、ベイト、小型電動と何でもOKです」と船長。

竿はスピニングでもベイトでも2本竿でOK
空は秋らしい綺麗なウロコ雲
船宿オリジナル仕掛け&オモリ

最初の1投目からヒット!

本牧沖では、船中10尾越えしたところでパッタリとアタリが止まってしまった。「食わなくなっちゃいましたね。少し移動しま~す。小柴沖まで行ってみましょう」と、船長はすぐに移動を決めた。私もここから、コンパクトロッドとシロギス竿の“二刀流”でチャレンジ。1本は置き竿、もう1本は手持ちで狙った。「置き竿は、着底したら少し小刻みな誘いをかけた後、オモリトントンの状態にして下さい」と船長。
置き竿をセットしてもう1本で誘いをかけると、グン、ググンとすぐにヒット。幸先のよいスタートにニコニコしながら上げてくると、海面に姿を見せたのは何とサメ。船中では右舷、左舷関係なく好調にイシモチが釣れ出した。いずれも良型ばかりで20cm以下はいない。そして、ついに私の竿にも2回目の魚信。今度はカワハギの誘いのように叩いた後、ゆっくりと竿をあげてきた最中にヒット。ククン、クン! 少し軽めの重量感だが実に小気味よい引きだ。今度こそ“本命”と信じ慎重に巻き上げてくると、海面下に銀色の魚体が見えた。ん!? なんか動きが変…。正体は良型のマアジだった。しかし、釣って嬉しいゲストだけに頬が緩んだ。

まさかまさかのサメに意気消沈
釣って嬉しい良型のマアジ
仕掛け図

ファーストヒットはダブル!!

11時過ぎに潮止まりとなり、魚の食いはひと段落。私も2本とも置き竿にしていた。すると、ググン、グン!今度は明らかに今までとは違うアタリだ。竿を持ち、巻き上げて来ると今までとは違うズッシリとした重量感。海面に上がってきたのは紛れもなくイシモチ、しかもダブルだ。ゆっくりと慎重に引き上げると、「グーグー!」イシモチ特有の浮き袋を使った“鳴き声”に本命を釣った実感が沸いた。

なんと最初から幸先のいいダブル!!
こっちもダブルできましたよ!

旨い魚を六目釣り!

私がイシモチを釣って喜んでいると、今度は大ドモの中村さんにヒット。長めの竿が綺麗な弧を描いた。「これは大きいよ」と言いながら巻き上げてくると、釣れて来たのはホウボウ。そして、連チャンで30cm超の良型カマスをヒットさせた。この日の中村さん、その後にカサゴも釣り上げ、美味い魚六目釣り(イシモチ・マアジ・シロギス・ホウボウ・カサゴ・カマス)を達成した。「これだけ魚種が揃うと帰って食べるのが楽しみですね♪」と、中村さんもエビス顔で納竿の時間を迎えた。

ゲストで混じる良型のシロギス
いい引きを見せて上がってきたホウボウ
イシモチ狙いとマアジ狙いの混合船団

31cmの良型交じりで最高26尾!

当日の釣果2番手の人でこの釣果!
当日の竿頭も中村さんで、22~31cmのイシモチ26尾を釣り、“ゲスト”も入れるとクーラーは満タンだった。東京湾のイシモチ釣り、11月半ばに深場へと落ちて行くまで続く。アタリも大きく、非常に釣りやすい魚だ。沖釣りビギナーには持って来いのターゲットだと思う。

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
東京都江戸川区 小岩大橋 『たかはし丸』
〒133-0043 東京都江戸川区松本2-40-3
TEL:03-3674-2780
詳細情報(釣りビジョン)
たかはし丸ホームページ
出船データ
午前6時~6時30分受付・午前7時出船・午後4時20分帰港
料金:8,500円(餌・氷付)
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