釣りビジョン

2016.4.1号

魚磯丸・静岡県沼津久料
駿河湾・沼津沖、乗っ込みマダイは開幕目前!

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今年の東京のサクラは、例年より早く3月21日に開花宣言された。多くの釣り人にとって、それが乗っ込みマダイのスタートになる。“大ダイ”の好釣り場として知られる駿河湾・沼津沖のマダイはいつ動くのか?最新情報の確認のため開花宣言日に沼津久料『魚磯丸』へ出掛けた。

乗っ込みマダイとは?

乗っ込み期はこんな光景が当たり前に
そもそも乗っ込みマダイとは何のこと?ここで復習しておこう。 冬季、深場へと移動していたマダイが海水温の上昇と共に産卵に備えて、浅場に移動してくる事を言う。マダイの産卵は、地区ごとにほぼ同じ海域で一斉にスタートし、海面近くで行われる。そのため、この時期のマダイは上層にいる。“大ダイ”がわんさか同じ海域に押し寄せ、“爆食い”をするのだから「大ダイの爆釣!」という夢のような事が起こるのである。

受け付け開始と同時に釣り人が並ぶ
大きなカジキが目印の船宿
「第五魚磯丸」

港の目の前がマダイの好釣り場

“探見丸”には数多くの魚の反応が
まだ辺りは真っ暗だが、釣り人たちは午前5時30分の受け付け開始と同時に、早々と受け付けを済ませ、道路向かいの港に停泊する「第五魚磯丸」に乗り込みむ準備を開始している。この熱気に押されるように6時丁度に久保田清船長の操船で出船した。
マダイのポイントは港から僅か数分、目と鼻の先だ。船宿からでも船の位置が容易に確認できそうな所。まずは浅場のポイントを確認すると、早くも“探見丸”には多くの魚の反応が映し出されている。何とも興奮を抑えられない光景だ。この辺りは一気にカケ下がって水深が深くなっていく。船長が丁寧にポイントごとの魚の反応を確認しながら最初のポイントを探していく。

ポイントは港から目と鼻の先
初ヒットで竿が大きくしなる
初獲物は嬉しい“外道”のワラサ

朝一は嬉しい外道の“青物”でゴング!

『魚磯丸』特製仕掛けをクッションゴムの先に
浅場には“餌取り”が多いと判断した船長が、この日最初のポイントに選んだのは水深70mライン。船長によれば潮の流れが緩慢で、浅場に“餌取り”が多い時は、マダイより先に“餌取り”が餌を取ってしまうため、釣りにならないとの事。船長の目論見が当たるのか?最初の一流し、コマセも馴染んできた午前7時。この日最初のアタリが左舷ミヨシ(船首)に座った大庭保泉さんに訪れた。カスタムオーダーのマダイ用ロッドがきれいに弧を描く。かなりの良型を期待させる。ラインが勢いよく出されたところで、大庭さんは、「マダイではなく青物」と予想。10分程のやり取りの後、上がって来たのは、大庭さんの予想通りのワラサ。腹周りがデップリとした嬉しい“外道”だった。

コマセと付け餌は定番の沖アミ
やはりマダイにはカスタムロッドがよく似合う
仕掛け図

マダイ独特の三段引き!

付け餌はオキアミの抱き合わせ。真っ直ぐになるよう注意
ここで私も竿を出した。沼津沖では3、4号のハリスで長さは10mを推奨している。マダイはコマセに突っ込んでくるような魚ではない。コマセを少量ずつ撒きながら、付け餌を自然に漂わせた方が違和感を抱かない。釣り方は、コマセカゴを指示ダナからハリス分落として、大きくゆっくりと数回に分けて指示ダナで上げてくる。ここで2、3分様子を見る。私の最初の1投も数分様子を見たがアタリは来ない。周りの状況を見ても餌を取られている様子がない。そこで1回大きく誘いを入れてから、糸をサミングしながら2m程落としてみた。するとドカンとアタリ!その引きは紛れもなく“三段引き”。何とも言えない心地よいやり取りを楽しんだ後に、海面に現れたのは綺麗な色をしたマダイ(後計量=1.3kg)だった。この1匹が引き金になったのか、続けて左舷2番目の山口穣さんにも小型ながらも“本命”が。海が動き出している。

 

私に船中最初のマダイが
左舷の山本穣さんにも嬉しい“本命”
魚群探知機には、餌を追うマダイの反応がくっきり

ダブルヒットの高活性

午前8時、右舷で2人同時に竿が弧を描いた。まずは右舷ミヨシの根本聖紀さん。海面にぽっかり浮き上がって来たのは2kgオーバー(後計量=2.3kg)の良型マダイ。続いて右舷胴の間(中央)の浅川雅樹さん。こちらも2kg級の良型だった。続けざまの良型連発に船中沸き返る。実は根本さんは、『魚磯丸』で開催されている“マダイダービー”の昨年の優勝者。マダイ釣りの常連で、良型でも慣れた手つきで難なく釣り上げた。誘いも上手く、続けてもう1匹2kgジャストのマダイを追加した。

浅川雅樹氏も2㎏の“本命”
根本聖紀氏のこの日2匹目も2kgの良型
桶には圧巻の2㎏を超える2匹のマダイ

中嶌信二さんも釣友に負けじと“本命”を
お世話になりました、久保田清船長

乗っ込み“大爆釣”はもう目前

沖上がりまで残り1時間ほどになった頃、船長がポイントの移動を決意。朝一番で餌取りのために諦めた浅場へと向かった。船長の朝の心配は的中。“餌取り”の猛攻でマダイまで餌が届かない。しかし、魚群探知機には紛れもないマダイの反応が映し出されている。この日は残念ながらここで“本命”の顔を見ることが出来なかったが、今後潮の流れが速い時などは絶好のポイントになることは間違いない。 最終的に船中8匹のマダイで終了。うち3匹は2kgを超える良型だった。今後はマダイもさらに浅場へと移動をしてくるはず。帰宅後、マダイのお腹を開けると眞子が大きくなっていた。もう本格的な乗っ込みは目前だ。
※駿河湾では『魚磯丸』を始め、計6軒の船宿が協賛してスポーツ新聞社主催の“駿河湾マダイダービー”を5月15日まで開催中。

特注竿も作ります

『魚磯丸』の久保田清船長は、併設する竿工房『竿酔』で特注竿を作製している。壊れた竿の補修も受け付けている。

船長の秘密の部屋 竿工房『竿酔』
船宿受付に並ぶ圧巻の特注竿の数々
ネックストラップ ロングとショートがあります。

(釣りビジョンAPC・丸岡 直樹)

今回利用した釣り船
静岡県沼津久料『魚磯丸』
TEL:055-942-3230
詳細情報(釣りビジョン)
魚磯丸ホームページ
出船データ
料金:午前船及び午後船は9,500円(税込)(餌・コマセ・氷付き)
   通し船は1万8,000円(税込)(餌・コマセ・氷付き)
   女性・子供(中学生まで )は1,000円割引
出船:午前船4時30分集合 5時出船 10時30分沖上がり
   午後船12時30分集合 13時出船 18時30分沖上がり
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