釣りビジョン

長崎屋・横浜本牧港

2016.4.22号

一年中入れ食い! 東京湾・中ノ瀬のシロギス

表紙

「こんなに釣れていいのか!」と思わずうなる近年の東京湾シロギス。横浜・本牧港『長崎屋』では、暖冬の影響なのか今期はさらに凄い。ショート乗合船なのに一番食い渋る1~2月でさえ、軽く2束(200匹)を超えた。現在、多少食いが落ちたとはいえ、連日の束オーバー。そこで長崎恵夫・大船長から入れ食い術をレポート。

1~2月でさえ水深20mから深場に落ちていかない!

「今期は真冬も入れ食いだからねえ。暖冬の影響なのか、メイン釣り場の中ノ瀬の水深20mラインから落ちないんですよ。まあ、こんな浅い水深じゃ、手返しも早くなるから、数がでます。ビギナーさんだって30~40匹はみんな釣ってきますよ」と大船長。絶好調とはいえ例年なら、さすがに2月あたりの厳寒期は横須賀沖などの水深40m前後に落ちたはずなのだが、全くその気配はなかったという。

現在、水温は13度前後とそう高くはない。それでも『長崎屋』では名うてのベテランが連日、これでもかと釣りまくっており、一向に釣果は落ちない。「これで水温が徐々に上がっていけば木更津沖など、どんどんポイントは増えていきますから」という。つまり、陽気が良くなってシロギスを狙う船数がどんどん増えても、釣る場所はいくらでもあるから、釣果は落ちないだろうという予想なのだ。これでは夏の数釣り期なんて言葉は消滅し、真冬の低活性期なんて言葉もなくなるのでは。しかもサイズが夏の“ピンギス”と違い、18~20cmの良型が揃うので、引きも強く楽しい。今の東京湾のシロギスは、超が付く優良ターゲットなのだ。

キャプテンズレポート
100匹オーバーの釣果は当たり前
キャプテンズレポート
もっか、餌の長さは5cm前後
仕掛け図

今や仕掛けは片テンビンより胴突きが主流

この状況は、ベテランも数釣り記録更新に躍起になれて楽しいが、好都合なのは女性や子供などビギナークラス。船長は普通にやれば最低でも30~40匹は釣れるというが、これは午前8時集合で14時沖上がりのショート乗合船での数字。おそらくビギナークラスだった場合、感覚的には入れ食いに近い。それを実現するために船長がお勧めするのは、ここ数年、シロギス釣りの定番の一つになりつつある、胴突き仕掛けだ。

「長い間、片テンビン仕掛け全盛だったので、最近ポッと出てきたように思われますが、昔からあった方法なんです。片テンビンの釣りよりトラブルが少ないのでビギナー向き。というより、真夏の超浅場のように片テンビンで遠投しなければ数が伸びにくい時期以外は、胴突きのほうがいいのでは。まあ、好みでいいと思いますが、記録作っているベテラン陣は、ほぼ胴突きですよ」と船長。確かに片テンビンはビギナーには難しい。遠投すれば着水時にハリスが絡んでしまうし、船下に落とす場合も道糸にハリスが絡む危険性は大。そうなると、ほぼシロギスは食ってこない。遠投をパスして船周りだけを狙うことにすれば、胴突きのほうが、はるかにトラブルは少ないのだ。しかも現在は、遠投が必要ない時期である。『長崎屋』ではオリジナルの胴突き仕掛けを出しており、2本バリと1本バリの2タイプ。定番は2本仕掛けで、船の真下と10m前後のチョイ投げ。それで仕掛けが絡んでしまうようなら1本と、使い分けるのがいいだろう。

仕掛けをナチュラルになびかせるのがコツ

「胴突きの釣り方は難しくありません。オモリを底に付けたまま5~8秒ほど仕掛けを張らず緩めず(ゼロテンション)にし、その後20~30cmオモリを静かに上げ、また下ろす繰り返し。あまりガチャガチャ派手にやるのは食いません。餌の青イソメがふわふわとナチュラルにたなびいている感じです」

概念図

アタリは現在、まだ水温が上がりかけている時期なので、特有のビビビンッという竿先を震わすようなものは少なめ。竿先がググッともたれるような感じが多いので、竿を40~50cm持ち上げてみる。食い込んでいれば、そこでビビンッと感触がくるはずだ。このとき、あまり急に竿を持ち上げると餌が口からすっぽ抜けてしまうので注意しよう。

最後に船長の必釣アドバイス。「本当にちょっとしたことで、釣果に差が出るんです。私がビギナークラスさんに言いたいのは、餌の状態。新鮮な青イソメがいいからと、しょっちゅう替えているのを見かけますが、意外と手間がかかるだけで、釣る時間を無駄にしているんです。食っているなら、ボロボロになるまで同じ餌でやったほうが手返しは断然早いですよ」とのこと。餌の青イソメの長さはもっか5cm前後が適当。替える目安として、どんどん食われていき、ハリから垂れた部分が皮とわずかな身だけになり、最初の太さではなく、スカスカになったとき。大体、4~5匹までだと思うが、目で確かめて実行してほしい

今回紹介した釣り船
キャプテンズレポート

神奈川県横浜本牧港
「長崎屋」

〒231-0822神奈川県横浜市中区本牧元町33-4
TEL: 045-622-8168
定休日: なし
詳細情報(釣りビジョン)
長崎屋ホームページ

船宿データ

出船時間: 8時集合~14時沖上がり
乗船料金: 7,500円(税込)餌、氷付き
レンタルタックル有り

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