釣りビジョン

つり幸・神奈川県川崎

2016.6.22号

楽しい! 東京湾のLTアジ最盛期に突入!

梅雨の合間の気分がいい晴天。そんな日は気軽にさっと釣行したくなるものだが、お勧めなのが東京湾で人気の半日LT(ライトタックル)アジ船。夏が旬と言われ、もっかどんどん浅場へ突っ込んできているので釣りやすさ、引き味ともぐんとアップ。「楽しく釣ってもらうのが一番!」と笑う神奈川県川崎『つり幸』の杉本剛志船長が、LTならではのアクティブなアジ釣りをアドバイス。

キャプテンズレポート
半日船でもクーラーは満杯だ

ちょっと条件が良ければ半日で80匹超の大釣りも

キャプテンズレポート
30cm級の良型も頻繁にヒット

アジは東京湾のみならず、全国で一年中ターゲットにできる魚だが、旬と聞かれれば一応、 抱卵しつつ浅場に乗っ込んでくる初夏~盛夏。若干小型にはなるが数が釣れるからだ。ただし、東京湾ではまだ完全に小アジパターンにならず、サイズが16~27cmと良型。25cm以上も頻繁にヒットしてくるから、引き味も存分に楽しめるのが魅力。「いたって順調。昨年は今頃から8月まで不調でしたが、今年はちょっとムラがあるものの、いい時は竿頭が80匹を超えてきます。浅場で25cm級が掛かると面白いですよ~」と船長。悪い日でもトップが20匹台だから、半日釣りとしては上出来と言えよう。

LT船のポイントは本牧沖から中ノ瀬を経て横須賀沖あたりまで。水深は10~40mだが暖期なので深くてもせいぜい35m前後。ただし、よほど渋い時でないとそのラインは狙わず、夏場はもっぱら10~25mが主戦場になる。「浅場は魚の足が速いので意外と大変なんですよ。前日入れ食った所に行ったら反応全くなしとか。それにメスも抱卵し始めているので若干、気難しいです。半日船だと大移動ができないので、ちょっとした時合をとらえて数を稼いだりする。短時間の半日船は、効率良く攻めていくことが、好釣果に繋がるんですよ。でも、その方がマニアックで奥が深いから、意外とはまっちゃう人が多いです」とのことだ。

仕掛け図

食い渋った日には生き餌の青イソメが効果的

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コマセはイワシのミンチ。ビシに8分目に詰める

『つり幸』のLTタックルはいたって一般的なもの。効率優先だから3本バリが扱えればそれでいいが、ビギナーなら2本バリの方が逆に効率的。クッションゴムも船長は好みというが、無ければ効率的だが多少の取り込みテクニックが必要。ビギナーはバラシが軽減できるので、やはり付けた方が無難だ。付け餌は手間がいらない赤短が定番だが、食い渋り時のために青イソメも用意されている。「やはり食い渋った時は生き餌が効きます。エキスが出て集魚効果もありますし、食い込みもいい。付け方は1.5cmほどにカットして、ハリ軸に沿って通し刺し。ダラッと垂らしません」と船長。コマセのイワシミンチはビシに8分目ほど詰める。なお、釣っていて皮などで目詰まりし始めた時は、回収してコマセ詰め替え前に、フタを開けたまま海面に落として竿を上下させ、ジャブジャブ洗うようにするとビシの目がきれいになる。

軽いLT竿で積極的に誘って面白さ満喫!

「楽しく釣ってもらえるのが一番うれしいじゃないですか。だから、手持ちでできるLTの特性を活かして、積極的に竿を動かして(誘って)いってほしいですね。その方が “自分で釣った感”が出て、絶対に楽しいし面白いです」と船長は力説。通常のビシ釣りでもLTでも置きザオの人は確かにいる。船の揺れでちょうどいい誘いになったり、天候によって食いが上がり、好釣するとの一説もある。ただし、それはせいぜい10回に1回程度だと、毎日操舵室から眺めている船長は言う。やはり釣りは、“釣れた”より“釣った”ほうが面白いのだ。

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手持ちで面白さが倍化するLTアジ

基本的な操作は、指示ダナが2mの場合(一番多いパターン)、ビシが着底したら1mタナを切り、そこでコマセを一振り。50cm上げてまた一振りし、さらに50cm上げた指示ダナで一振りする。これで少しすると、ハリが結ばれた仕掛けはコマセの煙幕の中に入るわけだ。 「ここからがLT手持ザオの本領。ごくゆっくりとビシを50cmくらいの幅で上下させて誘うんです。これで付け餌がアピールできて、周りのアジは堪らなくなって食い付くんですね~。これでヒットすると釣った感が出て、ビギナーの人も大満足です」。

船長のイメージとして、アジの群れを拡散させないよう、長く固めておきたいとのこと。このため、あまり勝手なタナでコマセを撒いたりするのは困るという。若干群れ方が似ているイサキなんかでは、どんどん指示ダナ上層へ浮かせて釣れというが、東京湾のアジの場合、指示ダナの上層でコマセを撒いても、群れが拡散してしまう=つまりタナボケするだけで、あまり効果はないという。また、サオの振り方もコマセマダイ釣りのように海面近くから頭上まで大振りするのではなく、手首で竿を振る要領でシャープにやるのがお勧め。その操作でコマセの状態を、拳より少し大きい球体が3つあるイメージで、コンパクトに仕掛けに絡んでいくのが理想的だという。その方が必要以上のコマセが撒かれず、群れの食い気が長続きするのだ。

概念図

もうひとつ、最近ベテランの間で流行っている追い食いテクニックを船長がアドバイス。「やはり短時間ですから、一荷釣りも好釣のための重要アイテムです。以前は1匹目が掛かった後、2匹目を追い食いさせるには少し聞き上げていましたが、最近は“聞き下げ”が流行です。1匹目が食ったら、ゆっくり50cmから1m、竿を送り込んでみてください。まだコマセの煙幕の残り香が若干、下方にいって残っていますから、そこに寄っているアジがパクッと来るんです」と解説してくれた。確かに、聞き上げで追い食い誘いをすると、ビシの残りコマセが上層に流れ、徐々にタナボケするという可能性もある。その点、聞き下げなら、コマセていた層なので、問題はないと考えることもできる。やはり船長が話してくれた通り、LTアジは手持ちでサクサク動かして釣った方が、数倍面白そう。すでに最盛期に入っているので、是非ともチャレンジを。

今回紹介した釣り船
釣り船

神奈川県川崎
「つり幸」

〒210-0864 神奈川県川崎市川崎区池上町9-12
TEL: 044-266-3189
詳細情報(釣りビジョン)
つり幸ホームページ

船宿データ

LTアジは午前&午後制
出船時間: 午前船6時50分~11時沖上がり、午後船12時30分~16時沖上がり
乗船料金: 6,500円(税込)氷、コマセ、餌付き。女性と中学生以下3,500円
レンタルタックル500円、長靴、カッパなど貸しクーラーなど一式レンタルあり
定休日:毎週木曜日

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