釣りビジョン

2010.11.1号

栃木丸・神奈川県長井新宿港
ビギナーでも安心!先着2人限定の“イカ釣り教室”開催!

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10月中旬、東京湾口・沖ノ瀬で待望のヤリイカの釣果が出始めた。この時期は、スルメイカ交じりの釣りとなり安定した釣果ではないが、身も柔らかく刺し身は“絶品”と言われる程旨いイカである。今回は、人生でイカ釣り2回目ということもあり、10月16日、神奈川県長井新宿(にいじゅく)港『栃木丸』の“イカ釣り教室”を予約して出掛けた。

事前の予約を忘れずに!

前日、教室の予約確認の電話を入れると「明日の教室は空いてますよ。6時出船ですので、5時半までには来てくださいね。クーラー、長靴、カッパだけ持って来て下さい」と笑顔の絶えない栃木稔宏大船長が元気に答えてくれた。“イカ釣り教室”の席は、操舵室の真横に2席確保されている。中学生以上なら親子での参加も可能だ。ヤリイカやスルメイカ釣りの最盛期になると土、日曜日や祝・祭日はすぐに埋まってしまうので、予約の電話は早めにしておきたい。

イカ専用電動リール付の貸し竿も無料!

午前5時、船宿に到着。受け付けを済ませ、大船長に道具は-と聞くと、「キーパー、竿、リール全て船にありますから、そのまま乗ってもらえれば大丈夫ですよ。仕掛けは使いやすいように5本ヅノのブランコ式を用意してありますから、オモリと仕掛けだけ購入して下さい」と親切に教えてくれた。早速乗船すると、立派なイカ専用電動リール付の竿がセットされていた。横には、備え付けの投入器もあり、至れり尽くせりである。『これなら釣れそう…』。頭の中は今晩のイカ刺しで一杯になった。

貸し出し用のタックル一式
釣座の横には備え付けの投入器
常連さん同士で話が弾む

ポイントは沖ノ瀬、水深200m前後

6人の釣り人を乗せて定刻6時に河岸払い。私以外は全員が常連さんだ。ポイントの沖ノ瀬までは航程約1時間。舵を握るのは、若船長の栃木拓さん。26歳の若さだが、カツオ船(漁船)に乗っていた経験もある頼りになる船長だ。ポイントに着くと同時に船長から合図。「はい、どうぞ。水深200m。ほとんど底に反応が出ていますよ」。合図と同時に船長が、私の仕掛けを手際良くセッティングしてくれた。「まず、投入ですが、リールのクラッチを返して、オモリを真っ直ぐ前に投げ入れて下さい」。早速見本を見せてもらう。シュパパパー!と投入器から勢い良くプラヅノが出て行った。

先生役は若さ満点26歳の拓船長
仕掛け図

初心者は直結よりブランコ仕掛け

初心者でもイカを乗せやすいのは“直結式”よりも“ブランコ式”。直結式だとイカの活性が良い時は手返しよく釣れるが、少しでもノリが渋った状態や小型のヤリイカが多い時には、ブランコ式の方がハリ掛かりが断然いいそうだ。
「常連さんは慣れているので7、8本ヅノを使っていますが、仕掛けが長くなると、その分投入が難しくなるので、初心者は5本がベストですね」と船長。着底後、すぐに左隣に座っていた釣り人にヒット!いい引きを見せて上がって来たのは良型のスルメイカだった。「スルメはこれくらいの型が一番うまいんだよね。船上干しにしておけば、帰ってから冷凍保存もできるし、ご近所にあげても喜ばれるんだ」と言いながら手際良く捌いていく。

最初の流しできた良型のスルメイカ
スルメイカの肝は塩辛の最高の材料

誘いは簡単!2回シャクリを底から10mまで!

船長に誘い方の基本を伺った。「オモリの着底を確認出来たら、すぐに糸ふけを取って、目線の位置まで素早くシャクリ上げます。そして5秒程待ってアタリがなければ、頭の上まで大きくシャクリます。そのまま5秒待って、それでもアタリがなければ仕掛けを上げたぶん、海面までリールを巻き、同じことを底から10mのタナまで繰り返します。10mまで巻き上げてアタリがなければ、再び底まで落として同じ動作を繰り返します」。※詳しくは動画を!!

ヤリイカがダブルでヒット!

ポイントに到着して1時間程は、船中で良型のスルメがコンスタントに上がった。このまま行けばスルメが竿頭で30~40尾は上がるペースだったが、ここで右舷大ドモ(船尾)でヤリイカがヒット!「お~!やったね!この時期にしてはいい型のヤリイカだよ。これはうまいよ~♪」と、常連さん達もヤリイカのダブルにテンションMAX。その“ニュース”が船中に伝わり、一斉にプラヅノを18cmから11cmに交換した。「ヤリが多いときは11cm、ヤリ・スルメ交じりの時は14cm、スルメが多い時は18cmがお勧めですね。下から2、3本目に赤白のスッテを入れると効果的ですよ」と船長。

やりました!ヤリイカダブル!
2尾いたけど1尾外しちゃったよ(笑)
帰ったらヤリイカの刺し身だね♪

ノリ渋り時には仕掛けを落とし直そう

8時から10時までは、船中でコンスタントに数が伸びていった。しかし、私の竿にはなかなかアタリが来ない。船長にこういった状況の時のコツを聞いた。「周りが釣れていて自分にだけ釣れない時は、一気に50m巻き上げ、もう1度底まで落とし直します」。言う通りにすると、竿先がスッと入った。慌てずゆっくり巻上げを開始。キュンキュン!「ほら、乗ったでしょう!」と船長にも笑みがこぼれた。兎にも角にも1尾のヤリイカをゲット。今晩の刺し身の材料ができたので、取材に専念することにした。

取り込みは慎重に!
イカ釣りでは嫌われ者のサバも
良型なら歓迎だ

これは驚き!3kgのマダイが登場!

「また釣れたヤリイカが食われちゃったよ~」と常連さん。ツノにかかったヤリイカを上げてくる最中に“何者”かに食われた様子。せっかくのヤリイカが足と目しか残っていない。「こんな時には、もう1本の竿にヤリイカを着けて泳がせておくんだよ」と手馴れた手つきで投入した。すると、次の投入で竿が大きな弧を描いた。「これはいい引きだ。メダイかマダイだね」と常連さん。慎重なやり取りの末、海面に浮かび上がったのは、3kg級のマダイだった。「デケー!こんな大型は久しぶりだよ」と、ニンマリ笑顔でハイポーズ。

3kg級のマダイにニンマリ
樽に入りきらないグッドサイズ

ヤリイカはこれからが本番!

当日の釣果は、竿頭がヤリイカ16尾、スルメイカ3尾。船長は、「正直、思ったよりもノリが悪くて苦戦でした」と言っていたが、先週はトップで30尾以上の日が続いていた。船長の話では、「ヤリイカの群れは日増しに濃くなって本格化していくはず」とのこと。今後が大いに楽しみだ。
さて、不出来な生徒の私、先生の熱心な指導のお陰で貴重なヤリイカを釣ることが出来た。正味1時間しか竿を出せなかったのは残念無念。終日やっていればの思いはぐっと飲み込んで、プライベートで再挑戦を誓った。釣ったヤリイカは、もちろん、刺し身で食べたが、身に甘みがあり、柔らかく、まさに絶品だった。
この時期のヤリイカは、型が小振りなため少々難しい釣りになるが、美味しさは折り紙つき。是非“イカ釣り教室”に出掛けてみてはいかがだろう。

イイ型だね♪
ヤリイカは〆て持ち帰ると、透明のまま持ち帰れる

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
神奈川県・長井新宿港『栃木丸』
〒238-0316 神奈川県横須賀市長井5-3-9
TEL:046-856-2446 (定休日:第1・3金曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
栃木丸ホームページ
出船データ
スルメイカ・ヤリイカ船:午前6時までに集合・6時30分出船・午後1時30分沖上がり
料金:8500円(氷付)※イカ釣り教室のみタックル一式レンタル無料
船宿オリジナル仕掛け販売有り
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