釣りビジョン

まごうの丸・神奈川県 茅ケ崎港

2016.8.22号

大型続出、相模湾のキハダマグロ&カツオいよいよ佳境!!

表紙

釣りファンを熱くさせる相模湾の回遊魚が絶好機に突入だ。8月に入って俄然20~30kg級が連発し始めたキハダマグロ、初めから4~5kg級の大型が多かったカツオはトップ10匹超えも珍しくない盛況ぶりで、両魚狙いで出る湾内の遊漁船は毎日お祭り騒ぎ。そこで、コマセ釣りで出船する神奈川県茅ケ崎港『まごうの丸』の三橋勇樹船長から、激闘の模様をルポ。

表層のルアー一辺倒から、コマセ釣りの餌にも反応し始めた!

14日に釣れ上がった28kg

「今期はメインベイトがシラスやイワシで、これが追われて表層に集まるから、トップを狙えるルアーが有利という状況。それでも8月1日のコマセ釣り解禁以降、カツオは関係なく、よく食ってきています。ただキハダはね、上層が続いた。これだとコマセ釣りは結構きついんですよ。表層狙えないから。でも、お盆ごろになってオキアミ餌にも反応しだしたのか、魚が少し沈み始めたんですよ。チャンス到来ですね」と淡々と話すのは勇樹船長。

うちはまだ20kg超は3匹だけとも言うが、その3匹が13日と14日。他のコマセ船もこの両日から集中して20~30kg台をゲットし始めたので、まずは絶好機と言ってよいだろう。

13日に釣れた22.5kg

『まごうの丸』を含め、大方の相模湾の船宿はカツオ&キハダの両魚狙いで、状況によりターゲットを絞る。ベテラン大物師が中心なら確率は落ちるが大型キハダ狙い、ビギナー中心ならまずカツオをゲットしてから一発大物狙い、両者混合ならポイントの遠近や、確率の状況を考えて臨機応変などと、パターンは数多い。

ベテランならともかく、ビギナーが両魚に万全の体制で臨むのは大変だろうが、こういう釣り物は誰に何が来るのが分からない、というのが定説。ビギナーもキハダ用の太ハリス&大バリセットくらいは用意しておいてほしい。「今なら大きくていいカツオを3~4匹は期待できますよ」とは、船長からの期待を込めたビギナーへのエールだ。

今季はカツオも大型、タックルはヘビー傾向で

カツオはいつも大漁!

カツオ&キハダ、夏は相模湾がこの船で一杯になるわりには、乗船客のタックルが意外と統一性を欠いているという面白い釣り。ただし、ある程度の決まりはある。カツオ一辺倒ならワラサ竿&電動リールで間に合うが、それ以上の10kg級キハダメジあるいはキハダがヒットしたら、まず苦しいだろう。苦しいというのは主導権を握れず、思う存分走られ、人の仕掛けを巻き込み、寄せても来られないということだ。それに今期はカツオが大型なので、さらに苦しい戦いになるはず。

今期は出来るなら、キハダに照準を合わせたライト泳がせ用やカモシ釣り用、スタンディングファイト用の12~20LBライトトローリングロッドなどで臨んだ方が、間違いはないはずだ。

女性も2kg級のカツオを釣り上げてニッコリ

仕掛けも様々で天秤は固定式かカモシ用など遊動式は好み。コマセ缶も鉄仮面、プラビシ自由だが、オモリ号数は100号が推奨。「普通、ここらへんのコマセ釣りの定番は80号(LTでなければ)なんですが、できれば100号がいい。足の速い魚で短時間勝負ですから、一にも二にも速く落としたいんですよ」。ハリスもこのジャンル特有のショート推奨。

「やはり、なるべく早くコマセと付け餌を同化させたいので、短い方がいい。また、魚が掛かった場合に竿へのレスポンスが良く、グルグル回られて周囲の仕掛けを台無しにする可能性が低くなりますから」とのことだ。

勇気をもってガッチリアワセを!

大型キハダマグロは解体してお持ち帰り

カツオもキハダも掛かるまでの釣り方は同じ。船は鳥山やナブラを探しながらクルージングし、群れの反応発見と見るや船長が急いで指示を出す。「はいやって! タナ10mから20m!」となれば、20mまでコマセ缶を落とし、そこから10mまで探ってくる。要は、水深10~20mの層にオキアミ餌の付いたハリが漂うようにする。

「とにかく足が速いから、合図が出たら大急ぎでがむしゃらにやらないと、当たらない。だから探索クルージングしている時や、ヒットしてどうしても持っていられないような時は置き竿でもいいですが、合図が出て狙っている時は手持ち竿で頑張ってほしいですネ」と船長は力説する。

カツオも大型なのでバッチリと柵が取れる

なお、ヒットしてから問題なのはキハダ。カツオや10kg級のいわゆるキメジはヒット後、何とかためながらリールを巻いてこられるが、キハダは厳しい。それもかなり高いバラシ率である。

「キハダはとにかくバラシが多い。これはキハダの歯が鋭くてハリス切れを起こす率が高いからだ思う。よく、魚の走りが止まるまでは合わせないというけど、違うと思う。合わせないからハリを飲まれ、その後でやり取りをするからハリスが鋭い歯に当たり、切れてしまうんです。それを解消するには口元へがっちりハリ掛かりさせることです」と船長。

最重要項目が“アワセ”ということだ。船長は、だから手持ち竿なのだと言い、「スッポ抜けを恐れずに、しっかり合わせましょう。ちょっと難しいかもしれませんが、多少強めのドラグ設定でガッチリ掛けて、すぐさまドラグを適正に緩めて走らせてやる。200mくらい走られたって、ハリス切れの心配なく、じっくりやれます。そうなれば取り込める確率もグ~ンとあがるんです」と船長は、説得力ある持論を力説してくれた。
回遊魚シーズンはロングランだと晩秋まで続くから、まだまだチャンスはたくさんある。ビギナーでも、まずはカツオで腕試し、次いでキハダに大勝負といくのはいかがだろうか。

今回紹介した釣り船
釣り船

神奈川県茅ヶ崎港
『まごうの丸』

〒253-0061 神奈川県茅ヶ崎市南湖6-4-16(カーナビには神奈川県茅ヶ崎市南湖6-18-7の入力で)
TEL:0467-86-5938
詳細情報(釣りビジョン)
まごうの丸ホームページ

出船データ

カツオ&キハダ乗合
乗船料金:11,500円(氷付き、コマセ&付け餌は別)
出船:午前6時~沖上がりは午後1時から1時30分ごろ)
追加の氷は1個100円

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