釣りビジョン

2017.3.1号

蒲谷丸・神奈川県金沢漁港
仲間で楽しむなら東京湾・金沢八景沖のイシモチ釣り!!

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これから釣りを始めようというビギナーから、既にどっぷりと釣りに嵌っているベテランまで、一緒に存分に楽しめる釣り物がある。それが「イシモチ(和名・シログチ)」だ。力強い引きを見せる一方で数釣りも期待できる。そんな楽しい釣り物を求めて神奈川県金沢漁港『蒲谷丸』へ出掛けた。

「イシモチ」?“石持”?

和名・シログチという呼び名より、釣り人にとっては一般的な名称の「イシモチ」。内耳に耳石を持つことから“石持”に由来する。浮き袋が発達しており、釣り上げるとグーグーと独特の鳴き声?を発する。その発達した浮き袋のお陰か、海面付近までコンスタントに力強い引きを見せて釣り人を楽しませる。しかもいい時なら“束(100匹)”を超える「数釣り」が楽しめる魚なのだ。

朝がゆっくりで交通の便も良い

『蒲谷丸』受け付け
『蒲谷丸』が出船している金沢漁港は、イシモチ釣りを楽しめる港として有名。15分ほど走った猿島周りがイシモチの一級ポイント。金沢漁港は電車のアクセスもよく、出船が7時半なので電車で訪れる人も多い。車で行く場合、自宅が東京・多摩の私でも6時前に家を出て間に合うので、普段とそう変わらない時間に起きれば間に合う。この時期は港に着いても真っ暗ということが多いが、この日は既に日が昇り、明るい朝日を浴びて非常に清々しい。

レンタルが充実。イシモチ用の手巻きタックルはなんと無料!
釣り人の身を守るライフジャケットも充実の用意
まだまだ朝は寒い。出船前の一時を待合室で

“ショート船”でいいところ取り

桟橋から安全に船に乗り降りできる
『蒲谷丸』では、土・日曜日限定で“ショートイシモチ船”も出している。出船は7時半。沖上がりは13時。終日釣りをするにはちょっと長い、でも実質3時間半程度の半日船では物足りない、その丁度間を取ったいいところ取りの釣りである。この日もビギナーからベテランまでが交じった計9人を乗せた「第二蒲谷丸」は、蒲谷繁行船長操船で猿島沖を目指して出船した。

本日乗船の「第二蒲谷丸」
船宿の目の前に船が
朝日の美しい光景に目を奪われ

軟らかい胴調子の竿が好適

推奨仕掛け胴付き2本バリと3本バリを購入
タックルは、シロギス用の竿からアジなどのライトタックル用の竿まで幅広く使用可能だ。好みに合わせて選べばよいが、船長のお勧めは、食い込みのいい軟らかい胴調子の竿。この日の水深は50m前後。小型電動リールがあれば楽ではあるが、手動でも十分に対応できる。
仕掛けはいたってシンプル。30号のオモリを一番下につけた胴突き仕掛け。2、3本バリで餌はアオイソメをチョン掛けにする。きちんと底を取るという船釣りの基本をしっかりと押さえながらも、胴突きならではのダイレクトな魚の引きを楽しめる。

使う餌はアオイソメ
この日は小型電動リールとライトゲームロッドの組み合わせ
仕掛け図

ハリ掛かりから取り込みまで終始楽しめる

夏はBBQや海水浴などで賑わう東京湾の無人島「猿島」
午前8時前にスタート。最初の1投から着底と同時に明らかにアタリと分かるブルブルっという魚信が竿先に訪れた。しかし、ここからがイシモチ釣りの神髄。アタリはあっても中々ハリ掛かりしない。竿先が硬めだと違和感を感じたイシモチが餌を離してしまう。船長が軟らかめの胴調子を薦めるわけが分かった。イシモチとの駆け引きを制し、うまくハリ掛かりをさせると、そこからは50mの恍惚タイム。海底から海面までコンスタントに強い引きを見せる。横で見ていても、ずっと竿先が小刻みな引き込みを見せて本当に楽しそうだ。

晴れた日には富士山もよく見える
最初の1投から“本命”をゲット
続けて最初の1匹を

多少の糸の弛ませが効果的

良いサイズも交じり出し
兎に角アタリは多い。ではどうやってハリ掛かりさせるのか?勿論、魚の食いが立っているときはそんな心配はご無用。向こう合わせで十分に釣れる。しかし、この日は若干魚の活性が低かったようで、アタリの多さの割にはハリ掛かりしない。掛けられずに、餌を送り込んでも中々次のアタリが来ない。どうも餌の違和感に驚いて魚が離れているようだ。こんな状況の時に、効果を発揮したのが多少仕掛けを弛ませること。イシモチはシロギスの様に砂地の海底付近に生息する魚。弛ませて糸を海底に這わせることで、餌を食べやすくするという効果もあったのだろう。食い込みが明らかに向上した。しかし、餌の置きっぱなしは厳禁。アピールが不十分になり、また周りとのオマツリの原因にもなる。底立ちの取り直しがいい誘いにもなるので、弛ませて底を取り直してのこまめな繰り返しがよい。

嬉しい1匹です
良型も顔を出します
銀色に輝くイシモチの美しい魚体

初めてのイシモチ釣りで竿頭

やっと釣れた1匹目。逆光でごめんなさい
終始アタリは続くので飽きるということがない。サイズも22cm程度から30㎝を超えるものまで幅広く交じる。全くのビギナーでもポツポツと型を見るが、やはり試行錯誤の上で、魚とのタイミングが合ってきた人はコンスタントに数を伸ばしていた。この日が初めてのイシモチ釣りという磯田篤志さんが、計42匹を釣り上げて竿頭!これでも船長的には「まだまだ」といった様子。なんとも贅沢な釣りである。

初めてのイシモチ釣りで42匹を上げて竿頭に
ベテランさんは軟らかめの竿で食い込み重視
一荷(2匹)で釣れることもしばしば

レベルに応じて楽しめる

私も竿を出し、アッという間にツ抜け(10匹越え)
イシモチ釣りは、皆が一様に楽しむことが出来るが、その中でも個々のレベルに応じた楽しみ方ができるのも、この釣りの魅力だということがよく分かった。これは嵌る釣りである。『蒲谷丸』ではイシモチが釣れている間は週末の“ショートフィッシング”を続けるそうだ。ロングランで楽しめること必至だ。ビギナーからベテランまで一緒に楽しめる釣り、是非グループで楽しんでみてはいかがだろうか。

クーラーがイシモチで満タン
蒲谷繁行船長の優しい指導で全員が楽しめました
帰港後のうどんのサービスが冷えた体を温める

(釣りビジョンAPC・丸岡直樹)

今回利用した釣り船
神奈川県金沢漁港『蒲谷丸』
〒236-0013 神奈川県横浜市金沢区海の公園9
TEL:045-781-8552
定休日:不定休
詳細情報(釣りビジョン)
蒲谷丸ホームページ
出船データ
ショートイシモチ乗合船(土日限定)
料金:男性7,000円(ネット割あり)女性・子供4,000円
(氷、エサ・仕掛け1枚付き)
親子・男女ペアで9,000円
出船:午前7時半出船 午後1時沖上がり
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