釣りビジョン

安田丸・千葉県相浜港

2017.5.15号

千葉・南房総、相浜沖の“春イサキ”が爆釣中!!

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千葉県・南房総に、「房総フラワーライン」に代表される彩とりどりの草花と共に春が訪れた。“春イサキ”の開幕である。南から徐々に北上を続けるサクラ前線のように千葉の“イサキ前線”も南房総を皮切りに北上を続ける。今年のイサキは早くも春爛漫!との報を受け、5月3日、南房総・相浜港『安田丸』に出掛けた。

相浜港は両脇を草花が彩る「房総フラワーライン」沿い

両脇を彩とりどりの花が飾る「房総フラワーライン」

『安田丸』がある相浜港は「日本の道100選」にも選ばれた「房総フラワーライン」沿い。館山自動車道の富浦ICを降りて30分程の所に位置する房総半島南端の港の一つ。特に帰り道はドライブ気分を駆り立てる景色に自然と心弾む。GW初日早朝にも拘らず渋滞知らずで午前4時過ぎに到着した。

港手前の『安田丸』の看板で左折すると船宿
まずは船宿前のマグネットで釣り座を確保
船が停泊する港へはこの看板を右折

規定匹数上限50匹をクリア!

お世話になった「第八安田丸」。大型船です

南房総地区では、イサキに規定匹数上限50匹が設けられている。それを連日のようにクリアしている今年の“春イサキ”。その加熱ぶりに比例するかのように早朝から多くの釣り人が港を訪れる。この日の『安田丸』も合計14人の大盛況。GWの開放感も相まって、定刻の午前5時丁度に安田智浩船長操船で「第八安田丸」は、意気揚々の出船になった。

駐車場は船の目の前で便利
乗船前に氷を受け取る
いよいよ船に乗り込みます

汎用性の高いタックルで対応可能

天ビンと60号FL(黄色)プラビシのセット。コマセワークが重要

イサキのタックルは非常に汎用性が高い。オモリ負荷30~50号の2m前後の竿であれば大概が対応可能。リールは中型の両軸リールか電動リールだが、水深も浅く、イサキの力強いひきをダイレクトに楽しむなら手巻きを推奨したい。仕掛けは船でも購入可能だが一般的なイサキの3本バリなら大丈夫。この近辺は非常に食いもいいので細かい事を気にする必要はない。ハリスも若干太めの1.7号。これなら良型の多点掛けにも対応できる。ハリはムツバリかチヌバリか悩むところだが、外れにくさを重視するならムツバリ。食い込みを重視するならチヌバリといった選択でいいかと思う。

備え付けのマグネットが3本バリ仕掛けに重宝します
ロッドキーパーを付ける位置に緑の目印があって便利
ヒレが鋭いイサキには魚ばさみとプライヤーは必須
付け餌はイカタンを模したバイオベイト(右)とオキアミ
一番下にオキアミでスタート。食いが立てばバイオベイトで十分
仕掛け図

釣り場は港からほんの10分程

船でも購入可能な仕掛け

釣り場までは航程10分程。向かう途中に船長に最近の状況を聞いて驚いた。連日50匹の規定上限の数を出しているにも拘らず、海水温がまだ冷たくてこれでも本調子ではないと言う。確かに海水温が上がらないという話はここだけではなく多くの場所で聞いた。

東の空に日の出の美しい眺め
港を出るとポイントはすぐそこ
街の喧騒から離れた雄大な景色に心和む

朝の主役は嬉しい“ゲスト”オナガメジナ

本日最初のポイントの指示ダナは海面から13m。ハリス分を合わせた16m付近までコマセカゴを落とし1m毎にコマセを撒き13mの位置でアタリを待つ。予想以上の浅さに少々の驚きはあったが最初からイサキの顔を見た。コマセの撒き方が合う人は2点掛け。しかし“本命”のイサキは中々続かない。それもそのはず。次々に強いアタリは訪れるが、次第にその全てがメジナへと変わってしまった。中には40cmを超える良型のメジナも上がる。エラの部分の黒い縁取りが特徴のオナガメジナ。沖で釣れることもあり沖メジナとも呼ばれるが食べても美味く、強烈な引きで釣り味も最高の嬉しい“ゲスト”だ。しかし、船長の話ではこのメジナこそが水温が低い象徴で、イサキよりも先に口を使ってしまうそうだ。早くも海水温の低さを実感した。

朝一から一荷(2点掛け)でスタート
最初の一投で本命ゲット
“外道”と呼ぶにはもったいないメジナ
エラの黒い縁取りがオナガメジナの特徴
コマセワークが合えば一荷で

徐々に水深が深くなるも依然“主役”はメジナ

メジナ

強烈な引きで楽しいのだが、この日の“主役”はあくまでもイサキ。やはり“本命”が欲しいので船長も頻繁にポイントを替える。魚群探知機には色濃くイサキの反応が映し出されているので、あとは口を使う潮がどこにあるかだけ。海水温が少しでも高そうな水深30m近い場所を探ってみたが“本命”は型を見る程度。桶にはどんどんとメジナで埋まっていく。

こちらもメジナ
もはやメジナ五目?
良型メジナも交じります

午前8時過ぎからいよいよイサキにバトンタッチ

連日このような状況で陽が高くなると共にイサキが口を使い出すそうだ。この日もそうだった。午前8時を過ぎた頃からイサキが続けざまに釣れ出した。しかし、上がってくるサイズは縦縞がまだ残っている“ウリンボ”と呼ばれる小型が多い。船長は潮が上向いてきたと判断し、サイズを求めて舵を取り直した。次の場所はなんと水深を浅くして指示ダナは8m。しかし、驚くことにこれぐらい浅瀬の方がサイズもいいとの事。期待に胸膨らむ。

やっとイサキが数多く釣れ出しました
いよいよ本命にバトンタッチ
イサキとメジナの一荷も
嬉しい本命
本日の“本命”イサキです
イサキフィーバー

指示ダナ8mで良型連発!

これぞジャンボイサキ

船長の目論見がピタリ的中。時合が訪れた。コマセを撒いて待つ事数秒。竿先をガツガツッと引き込むアタリ。そして最初のアタリにも慌てずにゆっくりと50cm程糸を巻いて、数秒待つとさらに強い引き込み。追い食いが成功してコンスタントにイサキが上がる。しかもすっかり縦縞が消えた良型イサキばかり。最大で35cmのジャンボイサキも顔を覗かせた。ここで手返し良くイサキを上げる人はどんどん数が伸びる。終わってみればトップは上限の50匹を数える結果となった。

堂々の35cm
イサキの一荷です
イサキの反応がビッシリと

スタートが遅れる分ロングランに期待。梅雨時が最盛期!

桶がメジナで埋め尽くされて

海水温こそまだまだ上がり切っていないが、南房総の“春イサキ”は既に春爛漫だ。今後、梅雨時の産卵シーズンに向けて食いもサイズも最高潮を迎える。釣れ過ぎた場合はナメロウなどにしても良いし、干物にしても良い。大型のクーラーボックスを持参して、ジャンボイサキの多点掛けを楽しんでみてはいかがだろう。

別の桶にはイサキがたっぷり
岩澤夫妻は2人で大型クーラーいっぱい
安田智浩船長、一日ありがとうございました

(釣りビジョンAPC・丸岡直樹)

今回利用した釣船
千葉県相浜港『安田丸』
〒294-0235 千葉県館山市相浜280-2
TEL:0470-28-0153
定休日:第2・4水曜日
詳細情報(釣りビジョン)
安田丸ホームページ
出船データ
出船時間:午前5時半(集合5時) 沖上がり11時半頃
     午後船開始(出船時間等詳細は予約時電話で確認)
基本料金=午前船1万円(コマセ・付け餌・氷付き)
        午後船9,000円(コマセ・付け餌・氷付き)
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