釣りビジョン

茂吉丸・静岡県御前崎港

2017.7.1号

駿河湾・金洲の“本ガツオ五目”スタート!!

05_main.jpg

「お金になる魚が獲れる」ことからその名が付いたと言われる駿河湾屈指の好釣り場・金洲。今年もGW明けからシマアジ、カンパチ、ブリといった“青物”が上がっている。例年なら夏以降に“戻りガツオ”が話題となる金洲だが、今シーズンは、早くもカツオフィーバーに沸いていると聞き、静岡県・御前崎港『茂吉丸』に出掛けた。

今年の金洲は“青物”天国!

梅雨の晴れ間の6月23日。この日の集合時間は午前4時。その15分前に「茂吉丸」は集合場所へ着岸した。乗船場所の目の前に車が停められるので、タックルの積み降ろしが非常にラクだ。クジ引きで釣り座を割り振り、クーラーボックスに氷を詰めて、道具を積み込み、乗船名簿に記入。準備は滞りなく整い、朝焼けに染まる穏やかな太平洋へ向け、午前4時15分出船した。目指す金洲までは凡そ90分。タックルは手すりにロッドベルト等で固定した方が安心だ。仕掛けの準備は釣り場に到着してからでも充分に時間があるので、航行中の風でバッカンやクーラーのフタが開かないかチェックしたら、快適なキャビンでゆっくり仮眠を取るのがお勧めだ。

集合場所は海上保安庁の巡視船が目印
集合時間の少し前に船着き場へ着岸する
くじ引きで釣り座が割り振られ…
乗船名簿に連絡先を記入して…
乗船後の支度は道具の固定のみ
乗船の確認と準備が整い次第、出船

“トリヤマ”発見!

金洲エリアへ到着したのは5時45分。船長のアドバイスで2本バリで全長6mの“五目釣り仕掛け”をセット、遊漁船協定で定められた竿入れの6時を待つ。サメ避けのため不用意な血抜きや魚の投棄の禁止などのルールがアナウンスされ、水深45mの指示ダナでこの日の釣りはスタートした。
しかし、つい先日まで釣れ盛っていたジャンボイサキはおろか、釣り人を悩ませたサバの猛攻もなく一流し目は終了。梅雨前線の通過に伴う連日のシケで、海の模様が変わったようだ。魚影を探して船を走らせた船長が、小規模ながらカモメの群がる“トリヤマ”を発見。反応を追い込むように船を回して、水深20mの指示ダナでコマセを振ると、右舷胴の間(中央)の風穴武則さん(藤沢市)の竿先が海面へ絞り込まれた。即座に仕掛け交換の指示が通達され、海面を割ったのは3kg弱の本ガツオ。このヒットを合図に船中のあちこちで竿が曲がり、2~3.5kg級のカツオが次々と取り込まれた。

仕掛けの準備は釣り場に到着してから
イワシの群れにザワめく海面
遂に姿を現した良型の本ガツオ!
強気のファイトで一気に取り込む
この時期のアベレージサイズは3kg前後
手返し良く、時合を逃さないことが肝心

一気に取り込めるタックル、仕掛けが肝心

あちらこちらで本ガツオが上がり船中は騒然となったが、船長は「今日は食いが悪い」と言う。「こんなに釣れてるのに!?」と驚いたが、本当なら船中全員、一斉同時にヒットするそうだ。そうなると心配なのが、他の釣り人と仕掛けが絡まるオマツリ。これを避けるには、ドラグを締めて一気に決着を付けられる道具立てと、魚を遊ばせない強気なファイトが肝心となる。この釣りに細糸のメリットは一切無いので30~40号で2mの短いハリスを用い、ハリスを掴んだらタモ網を待たずにゴボウ抜きにするのが手返し良く釣るコツだ。コマセカゴの窓は全開にセットし、コマセを一つかみカゴに入れ、15~20mの指示ダナで1回シャクって全部撒き、アタリがなければすぐ仕掛けを回収してコマセを入れ直すくらいのリズムが良いようだ。また、本ガツオに限ってはオキアミをハリの形に沿って丸く付けるのがオススメ。ハリ先を出さない方が餌持ちが良く、しかも房掛けにするより食いが良い。

コマセのオキアミは予約時に注文する
カツオ釣りでは軸に沿って丸く付ける
仕掛け図

本ガツオの居ない時間は“五目釣り”を満喫

本ガツオが見当たらない時間帯は、金洲ならではの多彩な魚種が魅力の“五目釣り”が楽しめる。この日上がったのは、金洲の美味しい魚の代表格ヒメダイ(オゴダイ)と、良型揃いで脂の乗りも抜群のイサキ、釣り味も素晴らしいハチビキ(アカサバ)や、3、4日寝かせると旨みが醸されるアカイサキなど。また、この日には出なかったが、シマアジ、カンパチ、ヒラマサ、キメジ(キハダの若魚)といった“青物”や、名物のマダイ、メダイ、ウメイロ、メジナ、ムロアジなど、美味しい獲物たちが連日上がっている。
これらの仕掛けは、船長お手製の丁寧でしっかりとした物が船で購入できる。さらに「茂吉丸」では釣れたイサキやムロアジを餌に“泳がせ釣り”も楽しめるので、興味のある人は予約時に確認のうえ、是非チャレンジして頂きたい。

付け餌はオキアミやイカタン等を持参
現場のノウハウが詰まった船宿仕掛け
仕掛け図
ヒメダイは釣ったらすぐにクーラーへ
釣れるのは全てジャンボサイズのイサキ
その身も鉄火のように赤いハチビキ

金洲の“本ガツオ五目”、今後ますます期待大!

今シーズンのカツオについて、小野田茂樹船長に訊いた。「あれだけ(魚探に)反応があるのに、カツオがまだ小さいイワシに付いてるから、(釣れる船下から)抜けるのが早い」とのことだが、この時期で7.8kgという大型の個体も上がっているので、魚がコマセに慣れてくる今後が非常に楽しみだ。「カツオが見えてる間は、カツオをやって行こうと思う」と得意のカツオ釣りに照準を定める小野田船長。ひと潮ごとに模様がガラッと変わる今シーズンの金洲エリア。饗宴のようなトリヤマやナブラの興奮に包まれて、丸々と太ったカツオを豪快に釣り上げる醍醐味を味わいたいなら、今すぐ御前崎へお出掛けになることを強くお薦めしたい。

釣らせる意気込みを感じる小野田船長
良型揃いでクーラーはすぐに満タン
東海で本ガツオを釣るなら『茂吉丸』

(釣りビジョンAPC・川添法臣)

今回利用した釣船
静岡県御前崎港『茂吉丸』
〒437-1621 静岡県御前崎市御前崎4747-8
TEL:0548-63-3466
定休日:なし
詳細情報(釣りビジョン)
茂吉丸ホームページ
出船データ
金洲カツオ五目乗合
乗船料金:1万3,000円(氷付き/餌、コマセ別)
集合:船着場へ4時(時期により変動あり、予約時に確認を)
出船:準備が整い次第
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。