釣りビジョン

竜宝丸・愛知県豊浜港

2017.8.22号

束釣り続出! 干しきれないほどのスルメイカ!

表紙

夏を代表するイカのひとつスルメイカ。日中の釣りにもかかわらず竿頭で100杯超えは頻繁、日によっては300杯を超えるほどの凄まじい釣果を叩き出す船宿が愛知県にある。仕掛け、操船、設備など「よその船には真似できないと思うよ」という絶対的な自信と拘りを持つ豊浜港『竜宝丸』の相川良樹船長に話を聞いてみた。

主流は手返し重視の直結仕掛け

投入時にラインが絡まないよう工夫されている

スルメイカ釣りといえばブランコ仕掛けで、ロケットランチャーのような投入器を使う光景をよく目にする。理由は「1杯目が乗ってもしばらく放置ができ、追い乗りを狙えるから」、「バラシが少ないから」などあるが、『竜宝丸』では直結仕掛けが主流。

理由は「釣果を出すには手返しの良さがキモ」だからとのこと。活性が高い時は、直結仕掛けにもかかわらず、途中で仕掛けが落ちて行かなくなるほどイカが乗って来る。

一つのプラヅノに2杯乗り(通称:さくらんぼ)

もちろんブランコ仕掛けを使うお客さんも多少は居るが、サバが居ても居なくても終日直結仕掛けを使い続けるお客さんがほとんど。

どれだけ多点掛けできるかが釣果のキモ

重くても頑張ってシャクれるかどうか

船長の指示ダナより数m落とした時点、または仕掛けを落としている途中でアタリを感じた時点からスタートし、イカを掛けていく。そこから追い乗りを狙うため、シャクっては巻き上げ、シャクっては巻き上げを繰り返しながら、多点掛けを狙っていく訳だが、仕掛けが少しでも下がればイカはバレるが、しっかりアクションを入れた方がたくさん乗る。

「イカが乗れば乗るほど当然重たくなるけど、たくさん釣る人は重くてもしっかりシャクリと巻き上げ(仕掛けが下がってバレないように)を繰り返して、多点掛けさせる」とのこと。60歳以上のお客さんでも多い人はプラヅノを12本以上付け、「重い! 辛い!」と言いながらも頑張って多点掛けを狙っている。

ちなみに、プラヅノは大半のお客さんがピンク色のみを使用。そして直結でもバレ難いようにカンナ(掛け針)にも工夫が施されている。

普通の市販品はカンナが傘状で直線的に開いているが、ここのお客さんが使っているカンナはプラヅノと平行になるくらい閉じている。

これはイカの足がカンナに刺さるだけでなく、プラヅノとカンナの隙間に足が挟まり、多少の仕掛けの緩みではバレ難いようにするためとのこと。自分で加工してくる人もいるが、地元の釣具店でも売っている場合があるとのこと。

関東からもお客さんが来るほど

ロープが足りなくなる程たくさんの船上干しがたなびく

「今年は例年並みに釣れてます。潮が悪くて厳しい日もあるけど、良い日はほとんど船を移動させなくても一日中釣れ続けることもあるよ」とのこと。良い日は初心者でも100杯近く釣れる事があるほど反応が濃い。また、「やり方は企業秘密だけど、イカの魚影だけを映し出せるよう、魚群探知機にも色々工夫を施しているんだよ」とのこと。

普通はサバの群れがはっきり映し出され、イカの群れは映りにくくなりがちだが、『竜宝丸』の魚群探知機は機械の取り付け方法など、如何にイカを映し出せるか、船長の工夫と苦労が盛り込まれている。

イカの魚影がしっかり映し出されている

そして、「普通はイカの群れの中に仕掛けを落とすかも知れないけど、うちは移動するイカの群れの前方に仕掛けを落とせるように操船している。だからその分一回の流しでより長時間、群れの中に仕掛けを入れられるから、たくさん釣らせられるんだよ」と、操船も折り紙付き。

平日でも所有の2隻が満席になることもあり、この釣果を味わってみたいと、わざわざ関東から日帰りで乗船しに来るお客さんもいるほど。 是非ともいつもより大きいクーラーボックスと直結仕掛けを携えて、乗船しにいってほしいものである。船長をはじめ腕利きのスタッフが皆さんの釣りをサポートしてくれます。

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