釣りビジョン

千葉県・外房、大原沖の“寒ビラメ”、浅場で良型“好釣”!

2018年02月01日公開

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寒い季節になりました。こんな時期、折角の休日を北風の吹き付ける海上で過ごすなんて過酷なことをするのは、釣りの楽しみと釣果の喜びを識る釣り人だけだ。名物の“寒ビラメ”が浅場で釣れ始めたとの情報を聞き付け、千葉県・大原港『力漁丸』を訪ねた。

冬の愉しみ、「食味」と「釣り味」の“寒ビラメ”

『力漁丸』の冬の集合時間は午前4時30分。その少し前に女将さんが到着して受け付けがオープン。船形から希望の釣り座を選んで外したペットボトルのキャップを提出して乗船料を支払い、乗船名簿に記入する。暫し焚き火にあたっていると船の準備が整うので、スタッフの案内があってから確保した釣り座に道具を運び込む。来るたびに思うのだが、この船宿は釣り人も段取り良く、滞りがない。やがて餌のイワシが搬入され、「力漁丸」は5時過ぎに出船した。

一番手は釣り開始から5分!

ベタナギの海を行くこと40分程で釣り場に到着。前日成績が良かったと言う水深11m前後のツブ根が点在するエリアだ。船長が活きイワシを掬って人数分のバケツに配分、それをバケツリレーで釣り座に振り分けた。
午前6時、船長の「いいですよ、やってみてください!」の合図でスタート。その5分後には最初の魚が取り込まれた。船中一番手は、『力漁丸』の40年来の常連・松林末太郎さん(川崎市)。その後は良型のカサゴなど“ゲスト”フィッシュも交じりながら、大・中・小の様々なサイズが1匹、また1匹と取り込まれる活発な釣況が日の出まで続いた。これでも充分な釣れっぷりだが、「もっと良い時は5人くらい同時にアタる」(船長)とのことで、このエリアのポテンシャルには本当に驚かされる。

 

後半戦はイワシのいる釣り場へ

一宮沖にイワシがいるとの情報を掴んでいた中井船長。巻き網船が操業しているとのことで朝イチは見送ったが、頃合いを見計らって8時過ぎにアタック。魚群探知機を見せて貰ってビックリ、水深13mのうち4~12mがイワシと思われる反応で真っ赤だ。釣りを再開すると結果はすぐに出た。先ほどより一回りから二回り大きいヒラメが船中あちらこちらの釣り座で取り込まれ、連釣する場面すらあった。が、明らかに“釣れている人”と“アタリのない人”の明暗が分かれている。これは釣り座やライトタックル、ノーマルタックルといった物理的な違いではなく、釣り人個々の釣り方が異なるのだ。周囲に釣れている人が居るのに、自分はアタリが遠い時、どんな釣りを展開すればいいのだろうか。

船長に訊く、イワシの中の“探る釣り”

イワシのポイントに入ってから「底から5m位まで探ってみて」と、事ある毎にアナウンスがあったのだが、この“探る”とはどういうことか。中井船長に訊いた。「5m位まで少しずつ上げてきて、またそーっと落とすような、そういう釣法が有効みたいです。特にイワシの中ではね」とのことで、オモリが着底した後、1m上げて暫く様子を見たら、また1m静かに上げて待つ釣りを海底から5m上まで繰り返し、再び静かに下ろして底を取り直す、というもの。このルーチンが“底ダチを取る”ことと“タナ取り”、“誘い”の好循環を促すようだ。「ヒラメは海底に居る」というイメージから、釣れない時ほどタナを下げてしまうのが人情だが、実はそれが徒となっている可能性もあるそうなので覚えておきたい。

浅場で大物の“寒ビラメ”、本格シーズンはこれから!

「ベイト(日常食べている餌)のイシモチがいたり、もう少しイワシが入ってくると、水深4~5mでデカいのが来る」と言っていた船長。その言葉通り、取材後日には港前までイワシの反応が濃くなり、5kgの“大判ビラメ“を頭に3~4kg級がコンスタントに上がっている。更に竿頭5、6匹と数も好調をキープしているようだ。冬が深まるにつれ、サイズも味覚もアップする大原沖の“寒ビラメ”。刺し身や昆布〆は勿論、煮ても焼いても揚げても素晴らしいあの味を1度覚えたら、冬のヒラメ釣りがもっと好きになること請け合いだ。

今回利用した釣り船

千葉県大原港『力漁丸』
〒298-0003 千葉県いすみ市深堀1885-11
TEL:0470-62-0575
定休日:第1・3月曜日 釣果・施設情報 力漁丸 ホームページ

出船データ

ヒラメ乗合
料金:1万2,000円(活き餌、氷付き)
集合:午前4時30分
出船:午前5時頃
     
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この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込むツリキチ。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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