釣りビジョン

茨城県・波崎沖、アカムツ・フィーバーに沸く!!

2018年10月01日公開

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「赤いダイヤ」とも呼ばれる希少な魚、アカムツ。“高嶺の花”と思っていたが、茨城県・波崎沖の浅場で高確率で釣れると聞いて2年前に初めて挑戦。その手軽さと、そして何よりも上品な脂の乗った超絶美味にすっかり虜となった。アカムツ・フィーバーの舞台となる釣り場は、寒猫根(カンネコネ)。今シーズンもアカムツが襲来と聞き、9月23日(日)、波崎港『仁徳丸』で出船した。

波崎沖の水深100~150mが釣り場

釣り場の寒猫根は水深100~150m。アカムツの釣り場としては浅場である。これはアカムツが産卵のため、この時期浅場にやってくるためだ。いわゆる乗っ込みである。「赤いダイヤ」と言われるほど希少なアカムツが大挙して集まり、信じられないほどに高確率で釣れる、まさにダイヤモンドシーズンである。

2018年は空前のアカムツ・フィーバー!
この浅場の激熱ポイントは、以前から知られていたが、普段の深場エリアは実はそれほど開拓されていなかった。しかし、今年の春に異変が起きた。寒猫根よりも更に沖のポイントで有望なアカムツ釣り場が見つかり、波崎・銚子沖は上限が「1人10匹まで」と言う申し合わせが設けられる程のアカムツ・フィーバーに沸いた。2018年は空前のアカムツの当たり年となったのである。

ハリ数は2本以下厳守!!

ここ3年、連続でレポートさせて頂いているのでタックルの概要は以前のレポートをご参照頂き、今年は仕掛けのこだわりについて報告したい。まずはハリ数。これは2本、もしくは1本がいい。「釣り人あるある」でハリ数を増やした方が釣れる確率も上がる気がするが、ここでは全く違う。想像以上のサバの猛攻で、折角掛かった“本命”が振り落とされてしまう。また、サバが掛かると周りの釣り人とオマツリもしやすく、決して良いことはない。全員でハリ数2本以下を実践したい。

ホタルイカの匂いでアピール
2つ目は餌付け。船宿から支給される餌はホタルイカ。肝の匂いが強烈なアピールになるので、胴体部分を抜き取り、肝とゲソだけにする。そしてハリを両目の間に刺す。市販のハリには細軸と太軸の2種あるが、目をつぶさずに刺しやすい細軸のハリを推奨したい。ハリはムツバリ(16~18号)でもホタバリ(16、17号)どちらでもOK。

十分に時間に余裕を持って集合をお勧め
アカムツを狙う釣り人は熱い。集合の4時半の1時間以上前に船の前の駐車場に着くと既に多くの車が。この時点でほぼ全員が船上で準備万端という熱の入れよう。こんな感じなので時間は十分に余裕を持って臨みたい。さて、準備を済ませていよいよ出船。“アカムツ・マスター”の三橋正幸船長操船で航程45分程の寒猫根を目指す。

 

朝イチはトモ(船尾)付近が好調

水深120mからスタート。まだ陽も昇り切らない午前5時半。色彩々のケミホタルがより輝いて見える。開始早々トモ(船尾)付近で動きが出た。シーズン中足繁く『仁徳丸』に通う常連の加我学さんがこの日初の“本命”をゲット。続いて、右舷ミヨシ(船首)の福島孝平さん。前日も乗船して47.5cmの大物を上げたそうだが、この日も幸先のいいスタートを切った。開始早々はトモ側が好調で、開始30分程で希少な「赤いダイヤ」を5つも採取した人もいた。

有効な誘いを見つける事が釣果を左右!

アカムツは誘い方が釣果を大きく左右する。しかも日によって誘い方に若干の違いがあるようで、なかなか気難しい。誘いが合って胴の間(中央)だけでアタリ連発なんてこともある。ただ、一般的にはゆったりとした誘いや、ふらふら落ちるような誘いが好適。その為、有効なのが中オモリや弛ませ釣り(あまり弛ませるとオマツリになるので要注意!)。中盤にアカムツと気が合ったのが右舷前から2番目の山中武史さん。ゆったりとした合わせを入れるとグググッとアカムツ特有の引き込み。口が弱いアカムツなので細心の注意を払ってゆっくりと巻き上げる。すると絶え間ない強い引き込み。特に残り50mでの引き込みと、光を感じて最後に一暴れする30m付近での引き込みが、“本命”であることを確信させる。

40cmの良型がお目見え!

ミヨシで竿を出す佐藤博貴さんは、毎週のように『仁徳丸』に通うアカムツ・マスター。3年連続でご一緒させて頂いたが、その竿さばきには惚れ惚れする。その佐藤さんの調子がこの日は何かおかしい。朝イチに幸先よく1匹を上げたが、その後が続かない。底まで仕掛けが落ちる前のサバの猛攻に悪戦苦闘。しかし、そこは流石のマスター。朝のアカムツラッシュもひと段落して、静寂の時が流れていた午前10時。船長の「上げて!」の声と同時にかけた1匹は、この日最大の40cm。厳しい中でも必ず何かを残します。

今シーズンも期待大!
寒猫根は、「根」とは言いながらも根の周り一帯は泥地。この泥地に産卵のためにアカムツが集まる。エリアとしてはかなり広く、まだまだこれから11月にかけてこの広大なエリアを探っていく。今シーズンも魚影は濃く、この日も最終的に山中さんが8匹の釣果でトップ。そして、年が明ければ、昨年見つかった新たな深場のアカムツポイントも再開予定。波崎沖のアカムツ釣りは、季節の風物詩から通年通してのアカムツ激熱ポイントに変わりつつある。希少な「赤いダイヤ」の絶品を堪能出来るエリアである。

今回利用した釣り船

茨城県波崎港『仁徳丸』
〒314-0408 茨城県神栖市波崎8573-5
TEL:090-3345-3651
定休日:毎月第3月曜日 釣果・施設情報 仁徳丸 ホームページ

出船データ

アカムツ乗合船
料金:1万2,500円(税込)(ホタルイカ1パック&氷付き)
出船:午前4時30分集合、準備出来次第出航 正午沖上がり
     
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