釣りビジョン

2011.6.1号

岡重丸・茨城県那珂湊港
茨城・那珂湊港からJRA騎手達がマコガレイ釣り

04_main.jpg
JRA(日本中央競馬会)の美浦トレーニングセンターは、茨城県稲敷郡美浦村にある。東日本大震災で大きな被害はなかったものの同じ茨城県下の各港が大きな被害を受けた事を知った釣り好きの騎手達が、「茨城の釣り船に乗ろう」と、騎手達の休日の月曜日(5月23日)、那珂湊港の『岡重丸』から1隻仕立てマコガレイ釣りに出掛けた。

年に何回か“沖釣り例会”

カレイ釣りでは、餌をタップリ付けるのがコツ
JRA騎手達には、釣り好きの人が多い。ミスタージョッキー・岡部幸雄さんを始め、沖釣りファンも少なくない。大江原哲調教師、大江原隆調教助手の兄弟も大の沖釣りファンである。随分以前から、隆さんが幹事役になり、騎手や調教助手を中心に年に何回かの割合で“沖釣り例会”を開いている。今回は参加出来なかったが、関東のトップジョッキー・柴田善臣騎手もメンバーの一人だ。

現役ジョッキーも3人参加

午前5時前、那珂湊港で、木幡初広騎手(700勝ジョッキー)、小林淳一騎手(300勝目前)、障害ジョッキーとして知られる浜野谷憲尚騎手の現役ジョッキー3人に隆さんを始め、騎手から調教助手に転身した蛯名利弘さん、成田均さん、沢昭典さん、そして日本馬匹輸送自動車・社長の金田裕之さんの計8人と合流した。この日は、曇り時々雨の予報が曇りに変わったもののどんよりとした空模様が少々残念だ。気なった事がひとつ。那珂湊港の船は、この時期、午前5時集合、5時半出船なのだが、5時を過ぎても港に我々以外に人の気配がない。現在、那珂湊沖ではヤリイカ、マコガレイが好調に釣れており、月曜日とは言え、通常なら何隻かの船で慌ただしく出船準備が行われている時間帯である。未だ復旧していない岸壁を見るにつけ、改めて東日本大震災の影響を思わずにはいられなかった。

釣り場は航程30分足らずの近場

この日舵を握った岡田重光船長
「雨も大丈夫そうじゃない。頑張ろう!」。幹事役でメンバーの兄貴分でもある隆さんの号令で岡重丸に乗り込んだ。舵を握るのは岡田重光船長、上乗りとして船長の弟、岡田勉さんが乗ってくれた。「昨夜の様子じゃどうなるかと思ったけど、少しウネリがあるくらいで問題ないしょっ」と船長。前日は関東地方を前線が通過して大雨が降り、風も吹いていたので心配したが、杞憂に終わった。 5時30分、乗合船の出船時間と同時刻に河岸払い。釣り場は那珂湊の真沖、航程30分足らずの近場である。沖からのウネリは少しあるものの外海としてはナギの部類だ。

各自各様の仕掛けでスタート

ブー、合図のブザーが鳴って全員一斉に仕掛けを投入。このメンバー、全員がマイロッドを持参、仕掛けも各自各様のものを用意しており、隣同士でも全く違う仕掛けを使っていたりする(勿論、オモリだけは統一)。北海道(函館競馬場、札幌競馬場)や東北(福島競馬場)、新潟競馬場などに遠征した際にも休みに沖釣りに出掛ける事も多く、各地方の仕掛けを何組も持っている人が多い。「来たよ!」。最初に声を上げたのは右舷ミヨシ(船首)の隆さん。サイズは27、28cmとここでは小型だが、船中初獲物である。続いて左舷ミヨシから2番目に座った木幡さんがアベレージサイズの36、37cm級を釣り上げた。どちらも産卵後回復十分の肉厚マコガレイだ。続いて、皆より遅れて竿を出した小生に強烈な引き込みで大型のイシガレイが釣れて来た。後で計ると51cmのビックワン。「刺し身で食ったらヒラメよりも美味いよ」と、船長。

アベレージサイズを釣り上げた木幡騎手
この日のビッグワン、51㎝のイシガレイ

ラスト1時間、浅場で喰いが立つ!!

合計8枚を釣り上げた小林騎手
まずは好スタートと思ったが、カレイのアタリは極端に少ない。代わりにショウサイフグの猛攻が始まった。20cm前後のショウサイフグが盛んに竿先を揺さぶる。「昨日に比べて潮温が1.8度下がっている。喰いが渋いのはそのせいだね」と船長。前日も前々日も同じ場所で大洗の船がトップで20枚を超える釣果を記録しており、この日も好釣果を期待していただけに船長もガッカリしている様子。それでも諦めず、ラインを変えては何度も何度も船を流し直した船長の努力が最後に報われた。それまで水深20~30mを中心に船を流していたが、納竿1時間前の11時、一気に船を灘(岸寄り)の水深13、14mラインに移動させた。途端に暫くアタリが来なかった小生の竿に35cm級のマコガレイが釣れ、それを皮切りにあちらこちらで1枚、また1枚と良型のマコガレイが釣れ出したのだ。特に好調だったのは、左舷大ドモ(船尾)の小林騎手。この流しだけで4枚を追加して合計8枚のマコガレイを釣り上げた。また、この流しで2枚を追加した金田さんが合計9枚でこの日の竿頭になった。

ショウサイフグとダブルで釣り上げた金田さん。この日の竿頭
ナイスサイズを釣り上げた浜野谷騎手
良型に思わずニッコリ、成田さん

良型ショウサイフグに苦笑いの蛯名さん
嬉しいゲスト、ムシガレイを釣り上げた上乗りの岡田勉さん
全員揃って、ハイ・ポーズ

アベレージサイズは、36、37cm

この日は喰いが悪かった事もあり、30cm未満のサイズも交じったが、「アベレージサイズは、36、37cm」と船長が言うように、茨城沖のマコガレイはとにかく型がいい。また、この日は船中で1枚しか交じらなかったイシガレイだが、こちらも通常なら45cmを超える大型中心に数が釣れるはず。この日の不調の原因は潮温低下とハッキリしているので、潮温さえ落ち着けば再び好成績が期待出来るだろう。
※現在、『岡重丸』の乗合船は、ヤリイカを中心に出船しているが、希望者が多ければマコガレイにも出船するとの事。

(野口 哲雄)

今回利用した釣り船
茨城県那珂湊『岡重丸』
〒311-1201 茨城県ひたちなか市阿字ヶ浦町54-12
TEL: 029-265-7313(定休日:第1、3月曜日(祝祭日の場合は翌日))
詳細情報(釣りビジョン)
岡重丸ホームページ
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。
プレミアムメンバー