釣りビジョン

2012.1.1号

山正丸・茨城県大洗港
竿頭14尾!茨城県・大洗沖でヒラメの入れ喰いを堪能!

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ヒラメ釣りと言えば、「型を見られれば上等!」と言うイメージが強く、沖釣りの中でも比較的難しい釣り物として位置づけられている。そのヒラメが小型中心ながら2kg以上の良型交じりで“ツ抜け(10尾以上)”すれば文句なしの“爆釣”だ。12月21日、その“爆釣”に茨城県大洗港『山正丸』で遭遇した。

贅沢な4人での大名釣り!

前日、予約の電話をすると『山正丸』の看板娘・小沼いく美さんが電話に出た。「明日海はナギだと思いますが、朝は寒くなるので暖かくして来て下さいね。出船は5時20分です」。21日午前5時、港に到着。小沼資平船長が出迎えてくれた。この日は常連の藤田荒真さん、ヒラメ釣り初めての高橋佳二さんと荒川俊一さん、そして私の4人と、何とも贅沢な“大名釣り”との事。

小沼資平船長
山正丸オリジナル仕掛け

釣り場まで航程15分、大洗南沖・水深27m

午前5時20分に河岸払い。釣り場は航程15分の大洗南沖。右手にはうっすらと外灯に照らされた大洗マリンタワーが見えた。釣り場に到着すると船長からマイワシが配られ、この日がヒラメ釣り初めての高橋さんと荒川さんにイワシの付け方の初心者講義。「口の中から上唇の硬い部分に刺して上に抜いて下さい。孫バリは尻ヒレの先に刺しても背中に刺してもいいですが、必ず貫通させて下さいね」。予約の時に初めてと伝えておけば、釣り開始前に必ず船長がイワシの付け方と誘い方を教えてくれる。そして、全員がイワシをつけた頃合いを見計らって投入のブザーが鳴り響いた。

水深は27m
イワシが船長から配られた
仕掛け図

船中第1号は2流し目に1.5kg級

船中第1号は1.5kg級
「横流しで行います。底にオモリがついたら50~60cm上げて下さい。ここは根掛かりがほとんど無いのでたまにオモリがトンっと着く程度で大丈夫ですが、竿は持っていて下さいね」と、船長からアナウンス。しかし、1流し目はまだ真っ暗なため竿先もようやく見える程度。10分程流したがアタリは無かった。「もう少し明るくなってきたら喰い出すよ」。船長は、そう言いながら潮回し。そして、2流し目の午前6時20分、右舷ミヨシ(船首)の藤田さんの竿が大きく絞り込まれた。ググン、グン。竿が胴から大きく曲がる。海中はまだ真っ暗、タモ入れする船長も「あまり見えないからゆっくり上げて」と声を掛ける。そして、タモに収まったヒラメは1.5kg級。幸先の良いスタートである。

バラしてもすぐに落とせばチャンスはある!

しかし、その1尾は序章に過ぎなかった。次の投入で再び藤田さんの竿にアタリがあり、思わず竿先に注目。糸を送り込み、20秒が経過。そして、竿先が入った瞬間にゆっくりと大きく合わせを入れた。しかし、その瞬間竿先に乗ったヒラメの重みがフッと抜けてしまった。痛恨のスッポ抜けである。しかし、すかさず竿先を下げる。すると、再びガツガツッ、喰い直したのだ。600g級だったが、嬉しい1尾だ。私も右舷胴の間で竿を出した。餌のイワシを弱らせないようにそっと掴み、孫バリは背側に掛けてイワシからそっと投入。すると、着底して1分経たないうちに…ガツガツ!ガッ!明らかにイワシに何かが喰いついたとわかる魚信。慎重に少しずつ糸を送る。そして大きく竿先が入った所でゆっくりと合わせを入れた。乗った!ヒラメはこの乗った時の重量感がたまらない。海面に500g級のヒラメが顔を見せた。

左舷大ドモでも1kg級がヒット!
左舷ミヨシは600g
新品同様のレンタルタックル

小型のイワシを選ぶ事が数を伸ばすコツ

この日、いく美さんに動画用にヒラメの煮付けを作って頂く約束をしていた。煮付けの材料を1尾確保出来てまずは一安心。そして、気を良くしての2投目。次のヒラメのアタリが来るまでに時間はかからなかった。着底したイワシが激しく逃げ惑う魚信が竿先に伝わると、クンクンクンと竿先が何度かお辞儀をした。1尾目とは違うアタリだ。糸を送るが型が小さいのか重量感が感じられない。待ち切れずに合わせを入れると案の定スッポ抜け。上げてみると、餌は綺麗に真っ二つ。見兼ねた船長がアドバイス。「このポイントは小型が多いから確実に喰わせるには餌も小さい方がいいですよ」。その言葉通り小さ目のイワシを選んで再投入。この間にも右舷ミヨシの藤田さんは「また来たよー」と3尾目を追加した。そして、私の3投目が着底した瞬間だった。ゴゴン!フォールで飛びついた。慎重に巻き上げると700g級が海面に浮いた。

綺麗に半分喰われたイワシ
イワシのサイズ選びも重要!
ここまで喰わせれば逃げられない

気が付けば8尾目!桶の中はヒラメで満タン

桶はヒラメで満タン
左舷大ドモの荒川さんは逆に大きなイワシを選んで1~2kgの良型を中心に1尾、2尾と釣り上げていく。午前7時前、左舷ミヨシの貸し竿の高橋さんも1kg級を釣り上げ、釣り開始約1時間経たずに全員がオデコ脱出。ヒラメ釣りでここまでの入れ喰いに遭遇した事はない。中でも圧巻だったのが、私が裏側の高橋さんとオマツリをしてしまった最中、高橋さんの仕掛けに1kg級のヒラメが掛かり、私の道糸もクンクンと軽く引っ張られた。オマツリを解いて、弛んだ糸ふけをとると、ズシン!とした重み。海面には1kg級のヒラメが上がった。気が付けばヒラメは8尾目となり、釣り開始3時間で足元の桶はヒラメで満タンになった。

1.5kg級
私の釣った1kg級
2kgUP!

根の中に移動、狙うは大ビラメ!

「全員型を見たから、大物狙いのポイントに行きます」と言いながら船長は沖へ向けて10分程小移動。水深38m前後。今まで根周りをやっていたが、根の中に潜む大型を狙う作戦だ。「ここは、数は狙えませんが、5~6kgも出る根です。これからの時期はこういった場所で大きいのが期待出来ます」(船長)。実はこの日の好釣果には、理由があった。横流しでは、基本的にはスパンカーを立てない。そのため、風や潮の流れによって釣果が大きく左右される。この日は沖上がりの12時まで常に0.5~0.6ノットと速過ぎず、遅すぎない最適な流れで横流しが出来ていたのだ。
移動後、期待とは裏腹に1時間半、沈黙の時間が続いた。そして、「これで最後の流しにします」と船長がアナウンスした直後にドラマは起きた。右舷ミヨシで1m近く底を切っていた仕掛けにヒラメが喰いついたのだ。今までとは違う大きなアタリに緊張が走ったのも束の間、竿先が跳ね返った。痛恨バラシである。餌を確認すると、綺麗になくなっていた。そして、これが最後の投入となるラスト1投、先程と同じアタリが藤田さんに来た。今度は竿のタメが効き一発でハリ掛かり。今日一番の引きを見せたのは3.4kgの肉厚ヒラメだった。

この日最大の3.4kg
こちらもラスト一投で2.5kgを追釣

モンスター級は1月に現わる!

結局、竿頭は藤田さんで3.4kgを頭に14尾、ヒラメ釣り初めてで貸し竿の高橋さんは2kg級を含む3尾に良型マトウダイ1尾、荒川さんも1~2.5kgの良型のみ4尾、そして私が0.5~1kgを8尾と全員が大満足の“爆釣”で幕を閉じた。
今回は小型ヒラメの美味しい煮付けをいく美さんに作って貰った。是非動画をご覧頂きたい。また、2010年オフショアマガジン12月1日号で表紙を飾った田口淳さんが、昨年1月28日に10kgのモンスターヒラメを『山正丸』で釣り上げたのを報告したい。ヒラメ船は3月まで出船の予定。

これが10kgのモンスターヒラメだ!
良型交じりで14尾

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
茨城県大洗港『山正丸』
〒311-1301 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町1053-2
TEL:029-267-2341
詳細情報(釣りビジョン)
山正丸ホームページ
出船データ
ヒラメ船=12,000円氷・餌付(予約乗合)
午前5時集合、午前5時20分出船、
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