釣りビジョン

2013.2.15号

信栄丸・千葉県乙浜港
千葉県、南房総・乙浜沖の春のヤリイカ攻略!!

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千葉県・南房総沖でヤリイカが好調に釣れ出した。南房総・乙浜港のイカ釣りに拘る『信栄丸』の安田仁船長から、「まだ不安定な要素もあるけれど、本格的なシーズン開幕の兆しがあります。“肝パン”の良型スルメイカも狙うので面白いですよ」との話しを聞き出した。すぐに取材の連絡を入れると「残念ながら予約で一杯なんですが…」との事。それなら「同乗させて貰い、攻略法の取材を」とお願いすると快諾して頂き、船に飛び乗った。

釣り好き船長、拘りのイカスペシャル!

限定10人!
『信栄丸』のヤリイカ釣りは、最新鋭の大型船に片舷5人ずつの10人限定の予約乗合船。そのため、釣り座が広く、ゆったりと仕掛けを捌けるのが嬉しい。また仕掛け投入器は勿論、イカヅノを引っ掛けるマット、座席のクッションまでも完備。そして、釣り座は不公平の無いようにくじ引きで決めるのもいい。「兎に角、快適に釣りを楽しんでもらいたい」と言う釣り好きの安田仁船長ならではのスペシャルパッケージとなっている。

船長お手製マット
クッションも完備!
釣り座はくじ引きで!

「オマツリはお互い様」と船長のフォローで釣り開始!

出掛けたのは2月9日(土)。この日は限定人数一杯の10人が集まり、朝5時半過ぎに出船。釣り場は港から航程20分程の通称“ガンコ山”一帯。釣り場に着き、船を回しつつ「まもなく開始です。それと、オマツリはお互い様ですから皆で声を掛け合いましょうね」と、船長からフォローが入った。更に「朝イチは18cmの直結ヅノでスルメイカを狙います。水深180m。150m位から広く探ってみて下さい」とアナウンスがありスタート。しかし、最初の流しでイカの触りはない。すぐに潮回し、再度釣り始めると、ようやく船中で何尾かのスルメイカが顔を出したが、どうやら相当渋い状況のようで後が続かない。そんな中、“ガンコ山”の灘(岸)寄りで釣っていた仲間の船から「ヤリイカが乗っている」と無線が入り、スルメイカ釣りは30分程で終了となった。

出船前の風景
安田仁船長
良型スルメイカゲット!

『信栄丸』推奨イカ釣り道具

道具立てと仕掛けは別図(1)、(2)を参照して欲しい。特別変わったものはないスタンダードな道具と仕掛けだ。“直結”と“ブランコ”の使い分けだが、「スルメ狙いでサバが多い時には直結が良いし、最近ではヤリでも“直結”を使う人が増えてきた。ただし、知っての通り“直結”のデメリットはバレ易いこと。上級者向けだね」と船長。

仕掛け図(1)=スルメ仕掛け(プラヅノ18cm・直結仕掛け)
仕掛け図(2)=ヤリ仕掛け(プラヅノ11cm・ブランコ仕掛け)
船宿推奨仕掛け

ヤリイカ狙い大成功!!

乗り活発!
「それではヤリイカを狙います。11cmブランコ仕掛けでやってみて下さい。水深140m。110m位から落し込んでみて」と船長からアナウンス。するとすぐに小・中型ながらヤリイカが船中の至る所で取り込まれた。その後、水深が浅いのとヤリイカの微妙な“触り”が分かるようにと、船長の指示で全員オモリを150号から120号へ変更。それがまた大当たり。仕掛けを投入する度に2点、3点、4点掛けと面白いようにヤリイカが乗って来る。この時期に釣れる小・中型のヤリイカはメス。そのメスを追って“パラソル級”と呼ばれる大型のオスが回ってくるのだが、今はその端境期。メスに交じり大型のオスもポロポロと釣れて来ては釣り人を喜ばせる。それでも船長は「指示ダナのちょっと上からスプールをサミングしながら落し込み、アタリを取るようにして下さい。兎に角、上から落すツノに良く反応しているよ。それと、オモリの着底は静かに。ドンッ!と海底を直撃するとイカが驚いてノリが悪くなりますからね。それと誘いは大きくゆっくりね」と、親切丁寧なアドバイスが続いた。

確実に掛けて行く!
2点掛け!
パラソルも交じった4点掛け!

この日のヤリイカ釣りのキーワードは!?

釣れればこの笑顔!
その後も潮が良い具合に流れて順調にヤリイカは乗り続けた。全く同じ場所でポロポロと良型のスルメイカも交じるが、この日はサバが居ないので最高に釣りやすい。「ヤリは誘いっぱなしでは駄目だよ。どこかで仕掛けをキチンと止めて見せてやらないとね。それと、1つ掛かったらすぐに上げないで10~15m程リールを手で巻いて追い乗りさせてよ。乗りが良い時はとにかく効率的にイカを掛けていかないと数が伸びないからね!」と、船長のアドバイスにも熱が入る。途中、潮の動きが悪い時間帯には沈黙する事もあったが、再び潮が効き出し、乗りが活発になると、4点、5点、最高7点掛けを達成した釣り人もいた。船長の言葉通り、落し込みに集中、そしてしっかりと仕掛けを止めてツノに抱き付く間を与えてやる、幅広いタナをゆっくり探る-この日はどうやらこれらがキーワードのようだった。

楽しい~♪♪
良型スルメとヤリのダブル!
この日最高の7点掛け!!

オスの気配濃厚!シーズン本格化!!

結局、この日は好調をキープしたまま沖上がり時間の11時半を迎え終了となった。トップは41尾、スソ(最低)でも13尾。メスのヤリイカ中心にスルメが1割弱交じる状況だった。「ヤリは底狙いって言う固定概念も捨てた方が良いですよ。本当に幅広い層にいる場合がありますから。柔軟に釣りを考えることが大事です。それと、やっぱりイカ釣りは慣れが一番、是非通って動作を習得して頂きたいですね」と船長。オスの交じりも多くなって来て、いよいよシーズンが本格化。最高に美味しいヤリイカを求め『信栄丸』に出掛けてみては如何だろう。

みな熱心に竿を振る!
笑顔の3点掛け!!

イカを生かしたまま持ち帰る方法!!

釣ったイカを、生かしたまま家に持ち帰る事が出来る驚きの方法を紹介しよう。用意する材料は、カサなどを入れる細長いビニール袋、酸素缶、輪ゴムの3点。あとはビニール袋に海水とイカと酸素を入れて漏れないようにしっかりと口を縛れば出来上がり。熱帯魚店で魚を買ったことがある人ならすぐにピンと来るだろう。材料はスポーツ用品店やホームセンターなどで普通に売っているので是非お試しあれ。ちなみにイカはこの状態のまま2日間は生きているとのこと。勿論、これは新鮮なイカを食べた事がない人への最高のお土産になるだろうが、その後も必ずおねだりされる事は覚悟しなければならない。今回はそれを動画でも紹介した。

酸素缶はどれでもOK!
結構かわいい(笑)

(鈴木 恭介)

今回利用した釣り船
千葉県乙浜港『信栄丸』
〒295-0101 千葉県南房総市白浜町乙浜1299-3
TEL:0470-38-2427 定休日:毎月第2・4水曜日
詳細情報(釣りビジョン)
信栄丸ホームページ
出船データ
乗船料金:9000円(氷付き)
出船時間:朝5時30分/沖上がり時間:11時30分
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