釣りビジョン

2013.5.1号

魚磯丸・静岡県沼津久料
静岡県・沼津沖で乗っ込み最盛期のマダイに初挑戦!

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駿河湾内有数のマダイ釣り場として知られる静岡県・沼津沖。関東エリアでは、「今年は“だらだら乗っ込み”!?」と、各地でパッとしない声が聞こえてくる中、沼津久料港『魚磯丸』では4月に入り5~8kg級の大型マダイが次々に浮上。本格的な乗っ込みシーズン到来の予感。23日、沼津沖のコマセマダイに挑戦した。

夢は大きく5kgオーバー!

乗っ込み時期になれば、コマセマダイの経験が少ししか無い私でもきっとチャンスがあるに違いない。そんな安易な発想から釣行を計画したのだが、頭の中は黒ずんでオデコがボコンと出た大ダイで一杯。釣行前に作成した仕掛けは、ハリスが少し細めのフロロ3号10mに金マダイバリ9号の1本バリ。夢はでっかく5kgオーバーだ。前日、出船確認の電話を久保田清大船長に入れると「ここ数日は、最大で2、3kg級が多いですね。でも朝マヅメや夕マヅメにはでっかいのをバラしていますからね。十分大ダイのチャンスはありますよ」。とワクワクさせる返事が返ってきた。

20日にも出た5kg超え!
魚磯丸オリジナルマダイ仕掛け
仕掛け図

マダイ船は午前便・午後便・一日便の3プラン

午前4時半前、待合所前に到着すると、山梨県から来たと言う常連の小林一彦さんが既に待っていた。「毎週来ているんですが、ここんとこ連敗中なんで今日こそは釣りたいですね」と気合い十分。雑談をしているとドアが開き、大船長が登場。午前便の釣り人は私を含め3人。右舷ミヨシ(船首)には一日通しで釣りをする常連さん、右舷大ドモ(船尾)には小林さん、私は左舷ミヨシの席に決めた。トラックの荷台に荷物を乗せ、道路を挟んだ久料港まで徒歩で移動。午前5時、準備が整い「第八魚磯丸」は久保田勝久若船長の舵取りで河岸払いとなった。

『魚磯丸』待合所&船宿
受付が済んだらトラックの荷台に荷物を乗せよう
「第八魚磯丸」

指示ダナは海面から。10m下から縦にコマセの帯を作る

『魚磯丸』での指示ダナは海面から。狙う水深は30~40mと浅場が中心。時には10m未満の水深をアナウンスする事もあると言うから驚きだ。若船長に基本的な誘い方を聞くと、「お勧めのハリスの長さは10mです。私が20mとアナウンスしたら30mまで落として、20mまで一気に誘い上げて下さい」と丁寧に教えてくれた。大きく素早く誘い上げる事によって、縦にコマセの帯を作る事が出来、それによってマダイのタナを上ずらせる事ができるそうだ。コマセカゴによっては、落としている最中にコマセが出てしまう物があるため、若船長の推奨はステン缶のMサイズ、サニーカゴならLサイズまでを使用したい。

コマセ用付け餌用は別に用意してくれる
私が使ったタックル一式
ステン缶の80号orサニーカゴ
Lサイズを使用

1投目から全員ヒット!そして痛恨のバラシ!

釣り場から船宿が見える
釣り場までは航程5分以内。『魚磯丸』の待合所が沖からでも確認できる場所がポイントだ。午前5時30分、入念に魚探反応を探していた船長から投入の合図が出た。「はい、どうぞ。20mです」。最初のポイントは35⇒41mへと落ち込んでいる台形をした根の縁回りだ。魚群探知機には餌取りの反応に交じって“本命”らしき反応が出ている。指示ダナが18mへ上がった時、小林さんの竿にヒット。しかし、小型のようだ。すると、次の瞬間船長が叫んだ。「喰った!ほら喰ったよ!」。右舷ミヨシの竿を見ると、置き竿がグワングワンとお辞儀をしているではないか。慌てて手持ちに切り替える常連さん。しかし、時既に遅し。手持ちに切り替えた時にはバレてしまっていた。小林さんは小型ながら30cm級の“本命”をゲット。「もっと大きいのを連れておいで…」とリリース。すると、次の投入では竿がグン!と大きく入った。「これはモノが良いよ」と船長もお墨付き。慎重に上げてくると、海面下には美しいピンク色をしたマダイが大きく円を描きながら上がってきた。無事ランディングされたのは1.3kgのマダイ。

画面中央に出た太い緑色の横線がマダイの反応だ!
まずは小型からスタート♪
1.3kg!嬉しい“本命”

怒涛の3連発!4尾目は、この日最大の2.8kg!

雪化粧した富士山も拝める
小林さんは9号の沖アミカラーのマダイバリに沖アミを抱き合わせにして再投入。コマセを10m下から撒き、指示ダナの18mでアタリを待つ。すると、「16mまで上げて下さい」と船長。2mリールで巻き取り、海面からゆっくりと頭上へ誘いあげ、今度は50cmずつゆっくりと竿を海面まで降ろしていく。すると…グン!海面まで下げ切った竿に明らかに魚信と分かる反応。すかさず合わせを入れ、巻き上げてくると、ほぼ同サイズのマダイ。3尾目を釣り上げた小林さんは満面の笑み。「忙しくてひと休みも出来ないですよ」と置き竿で話も弾む。その瞬間、今度は置き竿が海面に突き刺さった。緩めにしていたドラグが唸りを上げ、糸がギュンギュンと滑り出る。これは誰が見ても今までとは違う大きさだ。突っ込みをかわし、海面を割ったのは2.8kgのグッドサイズ!釣り開始40分での出来事だった。釣り上げたマダイはコマセを鱈腹食べているようで、口からゴボゴボと吐き出した。このようにコマセを大量に食べている時は活性が高い証拠。船長曰く、こういった状況の時にはコマセの撒く量を逆に減らす事によって付け餌に掛かる確率を増やすそうだ。しかし、このマダイを皮切りにパタリと喰いが止まってしまった。朝マヅメの時合はここで終了となり、その後は、ポツリポツリとゲストが掛かっただけで沖上りの10時半を迎えた。

すぐに同サイズの1.3kgを追加!
置き竿が海面へ突き刺さった!
2.8kg!グッドサイズ!

乗っ込みシーズンは5月末まで!好評♪根魚五目もスタート!

「あれ?自分の釣りはどうなったの?」とクレームが来そうなので、少しだけ言い訳を(笑)。朝マヅメの時合に竿を出さずカメラを回していた事に後悔したが後の祭り。その後、竿を出して放流サイズの“本命”こそ釣ったものの、アジ2尾と貧果に終わりリベンジを誓った。乗っ込み最盛期を迎えた沼津沖のマダイ。日によってムラこそあるものの大型の確率が高いのは大船長の折り紙付き。『魚磯丸』では“マダイダービー”も開催中だ。
ゴールデンウィークから待望の活イワシ餌の胴突き仕掛け&テンヤで狙う“根魚五目”もスタートする。釣り場は大瀬崎~戸田までの水深10~25m。高級魚のアカハタも多数交じる。乗っ込みマダイに“根魚五目”と5月の沼津沖は大いに楽しみだ。

私の竿に来た“本命”とは言い難いマダイ(笑)
ようやく来た魚は20cm級の
マアジ
大満足!竿頭4尾の小林さん

午後船で出たクロダイ1尾目
午後船で出たクロダイ2尾目

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
静岡県沼津久料港『魚磯丸』
〒410-0243
静岡県沼津市西浦久料124
TEL:055-942-3230
詳細情報(釣りビジョン)
魚磯丸ホームページ
出船データ
(料金)
午前マダイ船=9,000円(コマセ・付け餌・氷付)
午後マダイ船=9,000円(コマセ・付け餌・氷付)
午前午後通しマダイ船=1万7,000円(コマセ・付け餌・氷付)
午前午後通しマダイ船=1万7000円(コマセ・付け餌・氷付)
午前船:午前4時半集合5時出船、午前10時半沖上がり
午後船:午後0時半集合1時出船、午後6時半沖上がり
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