釣りビジョン

2013.8.15号

八幡橋 鴨下丸・神奈川県磯子・八幡橋
東京湾・横浜沖の“ライト・アジ”絶好調!

04_main.jpg
アジは、煮ても焼いても刺し身でもタタキでも、更に今、流行のカルパッチョでも実に美味しい馴染み深い魚である。特に東京湾のアジの味は絶品だ。そんなアジが、超近場で絶好調、午前釣り(LT=ライトタックル)で99尾との情報に、横浜磯子・八幡橋の『鴨下丸』から午前船に乗った。

この日の午前船は総勢5人

午前6時過ぎ、横浜・横堀川に架かる国道16号線・八幡橋際の『鴨下丸』に着いた。既に店先は多くの釣り人で賑わっていた。『鴨下丸』では、アジの他にもシロギス、マゴチ、タチウオの船が出ている。アジ船は一番沖側に舫ってあった。釣り座は先着順、座りたい席にクーラーや竿を置くとの事。右舷の大ドモ(船尾)に竿が立っていた。「息子がアジを食べたいと言うから」と横浜・本牧から来たと言う加藤善一さん。左舷胴の間(中央)には「子供が夏休みに入り、船で釣ってみたいと言うので…」と言う藤波恒太さん、恒輔君(小学5年)、柊真君(小学2年)親子連れは埼玉から来たそうだ。船釣りは、今回が初めてとの事で船宿の竿をレンタルしていた。乗船者はこの4人と私。私は空いていた左舷ミヨシ(船首)に陣取った。

店舗外観
店内受付
釣り座は先着順

餌のアオイソメに喰いつかれる

定刻の7時、付け餌のアオイソメが配られると、熊谷義樹船長の操船で出航。横堀川を出ると直ぐに横浜港である。マストを立ててポイントに向かう。海面は静かで曇り空。雨の心配はなさそうだ。風が緩やかに吹いており心地良い。この日は納竿までスパンカーを張ることもなく絶好の釣り日和に恵まれた。
10分程走った処で「やってみましょう。水深は23m、アオイソメは1cm位に切って着けて」と船長からアナウンス。そして、藤波親子には「オモリが底に着いたらリールのハンドルを7回巻くんだよ」と丁寧にアドバイス。右舷トモの加藤さんは操作性が良いと電動リールと手巻きの2本竿。40号のコマセカゴにミンチを入れてから、アオイソメを丁寧に着けて投入していた。藤波親子の恒輔君、餌のアオイソメ付けに四苦八苦。「痛い、咬まれた、軍手、軍手」と大騒ぎ。船長が跳んできて叱咤激励しながら餌付けを指導。次男の柊真君はお父さんにアオイソメを付けてもらい、指導を受けながら静かに仕掛け沈めていた。しかし、喰いは渋く、直ぐに船長から移動の合図。金沢八景沖の赤いブイの周辺に移動したが、ここも芳しくない。船長堪らず再度移動。第1海堡と第2海堡の中間辺りの水深27m前後で“戦闘開始”。

2本竿で挑む
付け餌はアオイソメ
仕掛け図

アンカーを入れての掛かり釣り

何か重いぞ
周辺には僚船が、アンカー(イカリ)を入れている。魚群探知機を見ていた船長、操舵室を飛び出しミヨシのアンカーを海中へ。ガラガラと綱が出ていく。綱が弛み船の位置が安定すると「やって下さい。水深27mです。恒輔君、柊真君。オモリが底に着いたら7回巻いてから竿を上下に振るんだよ。そうするとコマセが撒かれるから」と、船長は操舵室の窓から顔を出して再度指導。
暫くするとコマセが馴染んだのか恒輔君の竿先がクンクンと引き込まれる。「何か、重い重い」と必死の形相でリールを巻くが、10m位のところで竿先がポンと跳ねて引き込みがなくなってしまった。恒輔君ガックリ。しかし、すぐに気を取り直して仕掛けを投入していた。私も2.1mのカレイ用の竿に40号のビシカゴをセット、全長2m、ハリス2号の3本バリ仕掛けにアオイソメを付けコマセを詰めて海底へ。ビシカゴが海底を叩いて仕掛けが潮に馴染んだ頃、1.5mほど巻き上げ、竿を振ってコマセを撒き、更に50cm程巻いてから竿掛けへセット。

移動が功を奏し入れ掛かり

右舷の大トモの加藤さんは、2本の竿を交互に操りポツリポツリと20cm級のアジを釣っていた。そして私の置き竿も竿先がクンクン引き込まれた。席に戻り、リールを巻くと一番下のハリにこの日のレギュラーサイズの20cm級が喰っていた。タナ取りをもう少し下げた方がよさそうだ。コマセが効いてきたのか全員の竿がブルブルやっている。恒輔君の竿先も柊真君の竿先もグングン引き込まれ、二人とも歯を食いしばってリーリング。そして恒輔君は船長に、柊真君はお父さんに中型のアジをタモで掬ってもらった。私もダブルで取り込む。
加藤さんは「忙しくなって来たね、タナ取りすると直ぐアタリがあるよ。片方の竿だけでもう1本は見てられないよ」と嬉しい悲鳴。カメラを構えているとビシ仕掛けが馴染むと直ぐにクンクンとアタリ。サバが喰ったような鋭い引き込みは30cm級の良型アジ。「2号のハリスでも心配になるよ」とニッコリ。アジの型が大きくても小さくても周年ハリスは2号との事「喰いは変わりませんよ」と言う。

良型のアジにニッコリ
この日のレギュラーサイズ

竿の調子がキモ、硬軟で明暗か?

やったよ!
恒輔君も柊真君も入れ掛かり状態。二人ともビシカゴが底に着くとすぐに、船長に言われた通りリールのハンドルを7回巻いて竿先を見ているとクンクン、グングン。それも20cm級から35cm級の良型アジだ。そんな中、どういう訳か、私に釣れてくるのは20cm級ばかりで30cm級が釣れて来ない。その上、2点掛け、3点掛けを狙うのだが、途中でバレてしまう事が多く1点掛けが多い。竿が柔らかく煽ってもコマセの出が悪いのだろう。水深が浅いライトの釣りでもコマセが一気に撒けるような少し硬めの竿がいいようだ。

こんな浅場で良型をゲット

これも良型
加藤さんの置き竿の竿先が、ガーンと引き込まれて大きなアタリ。竿を手に取った加藤さん、慎重にリーリング。海面に姿を見せたのは35cm級の大型アジ。左舷でも柊真君が握っていた竿先が一気に持ち込まれた。「重~い!」と必死にリールを巻く。恒輔君も「何か来た!」とこちらも顔をまっ赤にしてリーリング。
船長がタモを持って掬いに走る。2人がほぼ同時に30cm超級をゲットした。「お父さんより釣っているよ」とニッコリ。私の竿先も大きく持ち込まれた。ドキドキしながら釣り上げたのは、やはり30cmオーバーの大アジだった。
結局、「ゆっくり楽しみながら釣りました」と言う加藤さんが44尾で竿頭。藤波親子は、3人で50尾を超える釣果に大満足だったようで、恒輔君、柊真君は「また来たい!」と眼を輝かせていた。

お父さんのより大きいね
きたよ~!
大満足の釣果!

熊谷義樹船長の見通し

熊谷義樹船長
「先週まで港の前の20m立ちで喰いが立っていたけれど、潮が良く(澄んで)なってしまって、際(岸より)で喰わなくなってしまったね。毎年この時期は居場所が安定しません、暫くは海保周りの27m立ちで狙っていきますよ。9月に入れば居場所も落ち着いて、脂ものってきて安定した釣りが出来ると思いますよ。」と見通しを話してくれた。

(釣りビジョンAPC・倉形 金幸)

今回利用した釣り船
八幡橋 鴨下丸・神奈川県磯子・八幡橋『鴨下丸』
神奈川県横浜市磯子区原町8-31
TEL:045-751-3654(定休日:毎週木曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
鴨下丸ホームページ
出船データ
ライトアジ午前釣り:6,000円
午後釣り:6,000円
一日釣り:9,000円
その他女性・子供割引あり
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。
プレミアムメンバー