釣りビジョン

2014.4.15号

勇幸丸・千葉県片貝港
千葉県・片貝港、超欲張りなイサキ&ハナダイ&アジのリレー船!

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イサキ&ハナダイ&アジ釣り、何とも欲張りなリレー船を発見!しかも、4月1日に解禁したばかりの超美味な“北限のイサキ”、桜咲く頃から釣れ始める旬のハナダイ、大型のアジがターゲット。「色とりどりの魚で埋め尽くされたクーラーボックス…」、空想が膨らむ。8日、千葉県・片貝港の『勇幸丸』へ、大きめのクーラーボックスを用意して出掛けた。

乗船場は片貝旧港、電話ボックスが目印

片貝港は、九十九里有料道路の片貝ICから車で数分の距離。東京近郊からも一般道の距離が短く、アクセスが良い。『勇幸丸』の乗船場は片貝旧港、東側の岸壁の中程(電話ボックスが目印)にある。駐車スペースは船の近くの岸壁沿い。午前3時半頃に到着すると、船には幾つかのクーラーボックスが置かれていた。午前4時前、船のライトが点灯、釣り人は乗船名簿を記入して乗船。集まったのは私を含めて7人。午前4時半、まだ暗い海を市東吉雄船長の操船で出船した。※乗船時、足下には十分注意を!

乗船場は電話ボックスの近く
乗船場

太東沖、イサキ釣りは早朝から沈黙

先ずはイサキ釣りから。ポイントの太東沖へは航程1時間程。海は絶好のナギ。途中、海から昇るきれいな日の出に釘付けになった。午前5時半、ポイントへ到着すると、船長から「コマセを撒き過ぎないように」等のアドバイスの後、「水深38m、タナは30m前後、準備の出来た人は始めて下さい」と、仕掛け投入の合図が出た。「太東沖のイサキ釣りは早朝がチャンス」と、他の釣り人から聞いていたが、船上では沈黙が続いた。

海から昇るきれいな日の出
早朝の船上

イサキ用仕掛けに大ビラメ

逃げてしまった大ビラメ
開始から30分以上経った午前6時過ぎ、右舷ミヨシ(船首)の釣り人に待望のアタリ。明らかにイサキとは異なる大物の引きだ。慎重なリーリングで海面に浮いた魚にビックリ!何と5kgはありそうな大ビラメだった。だが、タモに入る寸前にバック、反転して一気にハリスを切って逃げてしまった。魚がバレてしまったのは残念だったが、イサキ用のハリス1.5号で大ビラメを海面まで浮かせたのは見事だった。

イサキ釣り不調の原因は潮温の低下と海中の“汚れ”?

その後も船長は幾つかのポイントを移動したが、船中でアタリが無い状況が続いた。船長にイサキ釣り不調の原因を聞くと、「先週に落ち込んだ潮温と、この日に現れた海中の“汚れ”が原因ではないか」との見解。魚探を見ると、海底から海面まで“汚れ”の反応で真っ赤に染まっていた。また、無線からは僚船の“ボヤキ”も聞こえ、他の船も同じように不調のようだった。

イサキが釣れ始めたが長くは続かず、ハナダイ釣りへ

午前6時半過ぎ、やっと左舷胴の間(中央)の釣り人がイサキを釣り上げると、船中でイサキがバタバタと釣れ始めた。イサキは28cm前後の良型が多く、“ゲスト”にはウマヅラハギが交じった。イサキを釣った人の撮影を済ませた後、私も竿を出した。しかし、時既に遅し、30分程釣りをしたがアタリは無かった。船長はイサキ釣りの渋い状況に見切りを付け、ハナダイ釣りのポイント、片貝沖へと大きく船を移動した。

船中最初のイサキ
イサキ
イサキ

イサキのダブル
イサキ

片貝沖、ハナダイ釣りは出足好調

ハナダイ
片貝沖へ到着すると、船長から「水深51m前後、浮いた反応なのでタナは48mから40mを探るように」とのアナウンスがあり、仕掛け投入の合図が出た。ハナダイは直ぐに釣れ始め、“入れ喰い”とまではいかないが、ポツリポツリと順調に釣れていた。ハナダイのサイズは27cm前後の良型が多く、江下昌治さん(千葉市)は34cmの大型を釣った。“ゲスト”には良型の沖メバル、ホウボウなどが交じった。

ハナダイ

ハナダイのダブル
良型ウスメバルのダブル
良型ホウボウ(42cm)

ハナダイ釣りにはチヌバリ、刺し餌有利、フグの邪魔

私も竿を出すと、直ぐにハナダイを連チャン。型が良いので面白い!しかし、その後にバラシを連チャン。どちらのバラシも、ビシを取り込んだ後、ハリスの張りが緩んだ時だった。「ハナダイはムツバリよりもチヌバリの方が良い」と言う釣具店員のアドバイスを思い出した。イサキ用のムツバリ(カラーバリ)仕掛けにオキアミの刺し餌で釣っていたが、船宿仕掛けのウィリーバリ(チヌバリ)仕掛けに交換。だが、今度はアタリが遠のいた。周りの釣り人に聞くと、「今日はウィリーでは釣れない」との事。その後、良型の沖メバルを追加したが、“迷惑なゲスト”のフグが多くなり、ポイントの移動となった。

34cmの超大型クロメバルに感動!

ハナダイの食いも渋くなった。船長は、漁礁周りや根回り、浅場へとポイントを小まめに探ったが、厳しい状況が続いた。そのような状況の中、船中の釣果をチェックすると、石井美耶さん(松戸市)の桶に大きな魚を見付けた。「クロソイ?」と思ったら、超大型のクロメバル!計測すると、34cm!余裕の尺超えは記録的なサイズだ。クロメバルは“尺(約30cm)”に成長するのに10年以上掛かると言われている。初めて見る“尺メバル”に感動した!

石井さんが釣った超大型クロメバル
34cm、余裕の“尺”超え

最終釣果

午前11時半頃、沖上りの時間となった。最終釣果は、イサキのトップが4匹、ハナダイのトップが6匹、共に平均して型が良かった。“ゲスト”も多彩で、ウマヅラハギ、沖メバル、ホウボウ、クロメバル、どれも大型が交じったが、アジの型を見ることは出来なかった。石黒将臣さん(江戸川区)は、色とりどりに合計12匹の釣果。私の釣果は、良型ハナダイ2匹と良型沖メバル1匹、「魚で埋め尽くされたクーラーボックス」は“妄想”に終わったが、次の釣行に繋がる“引き出し”を作ることが出来た。

石黒さんの釣果
左舷胴の間の釣り人の釣果

『勇幸丸』イサキ&ハナダイ&アジ釣り

太東沖のイサキは“北限イサキ”(本州太平洋側の最北端で釣れるイサキ)と呼ばれ、ここで越冬したイサキは脂が乗って“超美味”!これから本格シーズンを迎える太東沖のイサキ釣り、4月1日の解禁日には11~26匹と順調な滑り出しだった。また、10日にはイサキ10~30匹、ハナダイ3~10匹、12日にもイサキ5~28匹、ハナダイ1~10匹、それにアジも4~20匹の好成績。海の“汚れ”が去り、落ち込んだ潮温が戻れば、ハナダイとアジも含め、釣果の安定が見込まれる。これからの状況変化に目が離せない!

市東吉雄船長
『勇幸丸』
操舵室はハイテク機器だらけ

休憩所で昼食
手作りのヤキソバが旨い!

タックルと仕掛けについて

今回取材で使用したタックルは、1.9mのロッド(6:4調子)に小型電動リール(PEライン1.2号)。ビシは船で借りた(ビシの規定に注意)。仕掛けは、市販のイサキ用カラーバリ仕掛け(ムツバリ)から使ったが、ハナダイにはチヌバリの仕掛けをお勧めする(ムツバリはハナダイの硬い口に不向き)。ウィリー仕掛けとカラバリ仕掛けは状況に合わせて選ぶと良い。船には、イサキ用カラーバリ仕掛け、ハナダイ用ウィリー仕掛け、ハナダイ用カラバリ仕掛けの3種類が用意されており、これらで十分対応出来る。

船宿仕掛け(イサキ用カラー針、ハナダイ用ウィリー針)
船宿仕掛け(ハナダイ用カラ針)
仕掛け図

(釣りビジョンAPC・野中 篤)

今回利用した釣り船
千葉県片貝『勇幸丸』
〒299-3201
千葉県山武郡大網白里町北今泉3404
TEL:0475-77-2594
定休日:第2・4金曜日
詳細情報(釣りビジョン)
勇幸丸ホームページ
出船データ
イサキリレー乗合(予約制)
集合時間:午前4時、出船時間:午前4時30分
乗船料金:1万800円(氷付)
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