渇水、垢腐れの狩野川のアユをいかに攻略するか?
暦は9月だが異常な暑さが続く日々。強烈な陽射しを浴び続けた狩野川は、渇水で垢腐れが進んでいた。恵の雨が降った翌日などは釣果が伸び、どうにもこうにも渋い日もある。まさに日々状況の変わる状態だった。さて、今日の“狩野川アユ”のご機嫌はいかに?
今日もお世話になったのは『旭水園』。「午前中はかなり厳しいよ!昨日は16時から掛かり出した」との事。おお〜、今日は長い戦いとなりそうだ。
取り敢えず河原を歩くことに。石色に目を凝らし、なるべく人がやりそうもない所を選ぼう。ウロウロ歩いていると、皆、左岸に向かって竿を出しているが、反対を向いた中洲のヘチでアユの走る姿が見えた。小さなポイントだが石色も良かった。「よし、ここに決めた!」。1人、皆とは反対側を向いて竿を出すことにした。
鼻カンを通し、アユの頭を行かせたい方向に向けて丁寧に送り出す。このひと流し目は、オトリアユが一番元気な状態なので全集中。で、糸のテンションを保つ。これも全て友人達からの教えである。当たり前の事なのかもしれないが、この当たり前の事をしっかりやるということが、体に染み付くには中々難しいものがある。一番手のオトリくんは順調な泳ぎ出しだ!糸のテンションを意識しながら竿を操作する。ここでコツン!と小さいながら反応あり!アシ側を丁寧に探っていく、すると“キラリーン”!天然の小ぶりなアユが掛かった。
この天然アユくんをオトリにすると反応が断然良くなった。またまた来ました“キラリーン”!連発する事はないが、ポツリポツリと掛かってくれ、午前中は苦戦しながらもまずまずの釣果を上げることが出来た。集中しすぎてお腹空いた…(笑)。相方と作戦会議である。あ〜でもないこ〜でもないと話は尽きない。奥深きアユ釣り!
午後は苦手の瀬で背バリの練習を…
午後は苦手な瀬で練習である。活性が低いアユにどうオトリをアピールしていくか?背バリを装着し、扇状にポイントへと導いてみる。野アユにオトリアユをゆっくりアピールする作戦である。しかし、これが中々綺麗に送り出せない…。何度も繰り返し練習した。が、オトリくんもグロッキー。選手交代である。今まで教えて貰った事を思い出しながら、実践!の釣行はあっという間に時間が過ぎていった。気づけば「掛かり出す」と言われていた16時をとっくに過ぎていた。あれ?私には時合が無かったな〜。
午後は大苦戦。5匹のアユにしか出会えなかった。しかし、掛かったアユ達は背掛かりでしっかり追って掛かるアユばかりだった。川を上がりオトリ屋さんに聞くと、午後は結構釣った人がいたそうだ。ひと工夫もふた工夫も必要な狩野川。難しいからこそ面白い!苦戦の1日となったが、今日も実に勉強になる楽しい1日だった。釣果が少なくても、自分の引き出しで釣りあげたアユは特別なものになった。「アユ釣り道場狩野川」。また修行に来るぞ〜!
箱根早川で大物現る!漁協からのサプライズが…
修行2日目は箱根早川へ。こちらもお久し振りの釣行だ。今日はいつも色々な事を教えてくれる頼れる友人との釣行。聞きたい事が一杯だ!川には9月から解禁となった餌釣りの釣り人が見られ、型の良いアユを釣りあげているではないか〜!こちら早川も渇水気味で青ノロが発生していた。私はなるべく水通しの良い場所を選ぶ事にした。
今日も「丁寧に!糸のテンションを保つこと」に全集中!大事なひと流し目。スルスル〜と泳ぎ出したオトリアユ。ものの数秒でズズズーン!アタリがおかしい。黒い魚体が…出ました早川名物ハゼくんのお出ましだ。あ〜鼻カン周りはグチャグチャのヌルヌルである。
このハゼはアユ同様しっかり追って掛かるので背掛かりも多い。しかし、ハリが掛かった瞬間にローリングし、大抵ハゼはラインでグルグル巻き状態になっている。そして何よりも厄介なのは、オトリアユが酷く弱ってしまう事。釣り開始から3分で選手交代となった。ここで「も〜、なんだよ〜」なんてイライラしてしまうと、1日の釣りのリズムが非常に悪くなってしまう。深呼吸し、ハゼくんの事は忘れよう(笑)。
「オトリ2号頼んだ!」。先ほどよりも少し水深のある場所を狙うと、ズ、ズッキューン!このアタリはアユじゃ〜。少し小振りではあったが天然海産の力強いアユだった。やはり海産アユのアタリは気持ちが良い。この後もポツリポツリと掛かってくれるものの同じ場所での連発はなかった。
すると、「ヤバイ、ヤバイ!デカーイ」と叫ぶ友人の声が!後ろを振り返ると竿が大きくしなり、下流へとドンドン降っていくではないか!そして、何とかすくいタモに収まったのは、何ともドデカイアユ。「何じゃこりゃ〜」。2人して笑いが止まらなかった。オトリアユの何倍あるだろうかという大アユ出現だ!後に聞くと数日前に大アユの放流があったそうだ。それにしてもデカイ、デカ過ぎる!私達はポイント移動し、普通サイズのアユを探しに行った(笑)。
どこに行っても同じポイントでは数が出ない。いかに足を使い、オトリを入れにくい場所、竿抜けのポイントにオトリを入れるかが鍵だった。当たり前の場所では反応がないことが多い。しかし、いるところでは一発だ。強いアタリでほぼ背掛かりである。足を使い、アユを見つければスッコーン!と気持ちの良いアタリを楽しむことが出来る。そして突然の大アユというサプライズに遭遇出来るかも(笑)。1日を通して渋い時間が多かったが、今日も苦手な瀬釣りの練習ができ、友人に色々な事を教えて貰い、実り多き時間を過ごすことが出来た。
渋い状況は気付きのチャンス!
釣れない状況でこそ気付きが多い!私にとってはとても勉強になる時間となった。釣れない時に考え考え釣れた1匹と言うものは格別なものだ。そして、どんな状況下でも、しっかり釣り上げてくる人はいるということ。その日の答えを探し、答え合わせをしていく大切さ。私はまだまだ珍道中になってしまう事が多いが、これからもアニキ達の背中を追い、どんな時も楽しみ、この奥深き「アユの友釣り」と言うものを追い続け、この先に続くまだ見ぬステージに辿り着いてみたい。
施設等情報
施設等関連情報
アクセス:新東名高速「長泉沼津IC」から伊豆縦貫道を通って約30分
日釣券:1,800円(女性半額900円)
年券:11,000円
遊漁券販売所:旭水園(フィッシュパス利用可)
■『箱根早川』
アクセス:小田原厚木道路「小田原IC」から135号線方面に約5分
日釣券:1,300円(現場2,000円)
女性・中学生650円
年券:10,000円
中学生2,500円、障害者5,000円
遊魚券販売所:HP参照(つりチケでも購入可)
早川河川漁業協同組合
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。