10県・19河川制覇!「日本一川に立つアユ釣り女子になれたかな?」アユ三昧の2023年夏、振り返り!

「始まりがあれば、終わりがある」。今シーズンも、アユ釣りが日本一早く解禁される埼玉県荒川にてスタートを切り、熱き、短し、アユ釣りシーズンは駆け足で過ぎていった。 記録的猛暑、ゲリラ豪雨など天候にも振り回されたりもしたが、全国各地の河川でたくさんのアユと出会うことができた。実際に訪れたのは10の県と、そこを流れる19の河川。大きさや容姿に関係なく、一匹一匹との出会いは忘れられぬものとなった。 全力で走り抜けた「2023年〝アユな夏〟」を振り返ってみる。

解禁シーズン初期

2023年のスタートは埼玉県秩父市の荒川にて。アユの解禁日となったゴールデンウィークは毎年震える寒さとなる事が多かったが、今年は暑い!と感じる程、早い夏の訪れとなった。久しぶりのアユ釣りの感覚を確かめながら、これから本番を迎えるシーズンに向けての、いわば前哨戦。完全放流の荒川には15~18cm程の型の揃ったアユばかりでシーズン初めの手慣らしの場には最高のシチュエーション。苦戦あり、入れ掛かりあり。年をまたぎ、アユとの再会を楽しむひとときとなった。

6月に入ると全国各地の多くの河川が解禁を迎え、いよいよ本格的なアユ釣りシーズンがスタートとなった。川にはアユ竿が並び、アユ達が煌めく夏の音がし始めた。今シーズンは太平洋側の天然遡上河川が良いとの噂が初期から飛び交っていたのだが、特に栃木、茨城、神奈川の3県は近年稀に見る遡上数とのことで、この情報に心踊らせていた事を思い出す。

しかし今年のシーズン初期は暑すぎた…。どの河川でも〝垢ぐされ〟が進行し難しい釣りが続いた。大量の遡上があった「栃木県那珂川」ではアユは沢山いるものの、青ノロに悩まされる時間が続くことになった。釣行した際にはラインに引っ掛かってしまう青ノロに大苦戦。

この頃になると私の挑戦の日々もスタートとなる。全国で地方予選大会が始まるのだ。その舞台となった「神奈川県相模川」では渇水、増水が繰り返され下見をしても日々付き場の変わるアユ達に翻弄された。泳がせ釣りの私にとっては天然遡上の小さなアユをいかに掛けられるかがキモとなった。苦節何年だろうか…地方予選ではあるものの初の決勝進出を果たすことができ、検量では優勝したかのように飛び上がって喜んでしまった(笑)。続けることの大事さ!を噛み締めた、思い出深い決勝戦。シーズン初期にして、改めてアユ釣りの楽しさを再確認した次第だ。

秩父荒川で解禁を迎える!早い夏の訪れであった! ©釣りビジョン
那珂川では小さな天然遡上のアユが多く見られた ©釣りビジョン
初の決勝進出!やっとやっと辿り着けた! ©釣りビジョン
今シーズンは決勝進出できる大会が増えて来たぞ~ ©釣りビジョン

盛期!夏を彩るアユ!

風薫る新緑の季節。7月半ばになるとアユ釣りも盛期を迎える。同時に、私の遠征釣行も本番に突入!今年はどこの川に行こうかと、頭を悩ませる日々が続く。

まず向かったのは「滋賀県安曇川」。アユの多さに驚き!針を引っ手繰るような、琵琶湖産アユの当たりに感激!安曇川は安定した釣果が出ており、シーズンを通して絶好調が続いていたようだ。多くの釣り人が楽しい時間を過ごしたことだろう。やっぱり安曇川は凄い!

昨年初釣行だった「岐阜県高原川」では今シーズン初の大鮎との出会いがあった。相変わらず美しい川とアユのコンディションに癒される。兎に角、今年の高原アユは良型揃いで、昨年とはまた違った高原川の顔を見ることができ、川のポテンシャルの高さを再確認することができた。

8月に入ると、いよいよ待ちに待った「夏休み」。今年の夏は台風が少なかったものの、何と夏休みど真ん中に直撃。この台風には多くのアユ釣り師が翻弄されたことと思うが、実は私もその1人であった。台風から逃げるように、およそ800km車を走らせ一路高知へ。向かったのは私のアユ釣りの故郷でもある「安田川」であった。今年の安田アユはいつにも増してパワフルで、8月半ばのタイミングで25~27cmと言う大鮎も登場!何より、変わらぬ景色と仲間達に迎えられ、共に竿を並べられた時間が最高の瞬間となった。

高知には何度も足を運んでいるが、初釣行となった「鏡川」では息を呑むような景色が広がり、まだまだ見たことがない景色があるものだと感心した次第である。清流での釣りはアユのコンディションも抜群!ぜひお勧めしたい河川である。
そのまま高知県から大移動。向かったのは富山県だ。ここでは思わぬ好調河川との出会いがあり、憧れのポイントで釣りをすることが叶った。富山県で最初に訪れたのは「庄川」。穴場感満載のポイントは貸切状態で、海産の天然遡上アユの入れ掛かりを楽しむことが出来た。お次は、常々行きたいと願っていた「神通川」。空港前のポイントで川を横切る飛行機を眺めながらの大鮎入れ掛かり!全体力を使い切った、そのくらいフルパワーで楽しむことができた、何とも清々しい釣行となった。

毎年の事ながらアユの夏は駆け足で過ぎ去っていく。最終週は友人の全国大会の観戦で聖地・岐阜県長良川へ!感動を体いっぱい感じつつ、歓喜の中で私の「夏休み」も幕を閉じた。猛暑に、ゲリラ豪雨と気まぐれな空模様に右往左往した8月であったが、全国各地のアユ達は今年も元気に川を輝かせていた。

これぞ!安曇川アユのマッキッキ~! ©釣りビジョン
高原川では今シーズン初の大鮎登場! ©釣りビジョン
私のアユ釣り原点の地安田川! ©釣りビジョン
思わぬ釣果だった庄川は貸切だ! ©釣りビジョン
初下ろしの大鮎ロッドを大きく曲げてくれた神通アユ ©釣りビジョン
アニキの全国大会の応援へ!感動をありがと~! ©釣りビジョン

シーズン後半秋アユとの出会い

そして後半戦へ。今年は大鮎竿を新調したこともあり「秋の大鮎シーズン」を心待ちにしていたのだ。この大鮎竿が本領を発揮したのは初釣行の「群馬県利根川」でのこと。アユが好調!という事前情報はあったものの、実際に利根川のアユを掛けた時の衝撃は今でも忘れられない!間違いなく、今シーズン一番の引きの強さを味わわせてくれたのはこの利根川のアユであった。もはや、アユとは思えぬほどの遊泳力…今から来シーズンが楽しみな河川となった。「百聞は一見に如かず」。釣りビジョンマガジンユーザーの方にも、ぜひこの利根川アユの引きを体験してもらいたい!

そしてこの秋、足繁く通ったのが「岐阜県長良川」。友人達のお陰で色々なポイントで釣りを楽しむことが出来た。郡上管内では良型アユの入れ掛かりと言うパラダイス。決して簡単なアユではないがバラエティーに富んだポイントが点在し、自分のアユ釣りを見つめ直す良い時間となった。長良中央管内ではダイナミックな流れの中で竿を出し、大鮎とのやりとりを楽しむことも出来た。それと共に、冷たい風が吹く中でのアユ釣りは、シーズンが終わる寂しさを感じさせる釣行でもあった。「火振り漁」に「やな漁」、「タグリ漁」と友釣り以外のアユの景色も目にすることが出来、長良アユを存分に体感した秋であった。

そして10月になると、いよいよアユ達も橙色に色づき、シーズン終盤に輝きを放つタイミング。さあ、アユとのお別れの日は近い…。

今季一番の引きだった利根川のアユ!これはたまらん! ©釣りビジョン
郡上アユには沢山遊んでもらった!すっかりこの川のファンに! ©釣りビジョン
長良中央ではダイナミックな流れでの鮎釣り!アユも良型! ©釣りビジョン

2023年もタノシキ!オモロシキ!アユ釣り

川に癒され、アユを追った夏!

2023年アユ釣りシーズン60釣行19河川!力を出し惜しみすることなく、とにかく全力で釣りをした!アユ一色の夏!日本一川に立つアユ釣り女子にはなれただろうか?

10月29日には、今シーズン最後の釣行となる「相模川」へ。最後の最後まで楽しませてくれた河川であった。苦戦しながらもラスト1匹!と粘った結果はラストアユならぬラスト蛙と言う…何とも私らしい珍事で幕を閉じた。蛙くんのお陰で来シーズンが益々楽しみになったのであった。

今シーズンも川でお会いした皆様、記事を読んで下さった皆様大変お世話になりました。皆様のおかげで今年も最高のシーズンとなりました。友よ!アユよ、ありがとう~!

もちろん、2024年も「アユな夏」を楽しむつもりです。又元気にお会いしましょう~!早く来い来い!解禁日!(笑)

2023年鮎釣りシーズンラストは蛙と言う珍事が(笑) ©釣りビジョン

施設等情報

施設等関連情報

「2023年釣行河川」
埼玉県秩父 荒川
栃木県 那珂川・箒川
静岡県 狩野川
神奈川県 相模川・中津川・早川
富山県 神通川・庄川
高知県 安田川・鏡川
滋賀県 安曇川
岐阜県 長良川・高原川・双六川
山梨県 桂川・葛野川・笹子川
群馬県 利根川

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

SHOHEY 鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。

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