使い勝手の良い新駐車場が完成!明石海峡を横切り、いざポイントへ!
この日の集合時刻は午前5時。明石港に到着すると工事中だった駐車場が完成していた。こちらの駐車場は500円で24時間駐車が可能。ゲートやストッパーがなく、先に駐車証明書兼領収書を発券機で購入し、発券された駐車証明書は車のダッシュボード(外側から確認できる場所)に置いておくというシステムだ。急遽、食料品などを買い足したい場合でも出入り可能なシステムは、使い勝手が良いと感じる。
今回乗船したのは『魚英3号艇』。挨拶をした後、乗船名簿に記入して桟橋に向かうとすでに釣り人たちが準備を始めていた。そんな中、魚谷吉伸船長は船の状態や各機器をチェックしている。さらに魚谷直毅船長も乗り込み、“ダブル船長”となった『魚英3号艇』は午前6時に出港した。
港を出るとそこは明石海峡。船は東進している。潮は東から西へと流れ、行方を阻むかの如く船に当たってくる。一方、反対方向から向かってくる船は楽に進んでいる。さすが潮の早い明石海峡。期待に胸が膨らむ。
船は明石海峡大橋を横切り暫くしてスローダウン。このタイミングで船長から「根の荒いところを流すから、リアフックは外すように」と指示があった。全員がスタンバイを完了した6時30分に投入の指示が出され、メタルジグが一斉に海中へと放り込まれた。
船中初ヒットはメジロ(ワラサ)
ポイントに到着すると魚谷吉伸船長がピンスポットで船を流していく。同船した釣り人はスタンダードなワンピッチジャークで探る人が多く、タックルを拝見すると、全員スピニングタックルを使っている。予備竿にはベイトタックルやタイラバをセットしたタックルを持ち込んでいる人も見られた。
メタルジグに関しても、ほとんどの釣り人がロングタイプの200g前後を使用していたが、それもそのはず。『魚英』では釣具メーカーと共同でメタルジグを開発しており、多くの人がそれを使っていたのだ。その名も「チョロコージグ」。「チョロコー」とは現地の方言で「もの凄い」という意味を持ち、明石海峡の「もの凄い」潮の中でも底取りがしやすいようチューニングが施された「もの凄く」釣れるジグとして人気。
引き続き、船長は点在するポイントをこまめに流していく。すると、私が船尾のトイレへ用を足しに向かったタイミングで、右舷トモ(船尾)からヒットコール!慌ててカメラを取りに行く…。
船中初ヒットということもあり、釣り人も心なしか慎重にやり取りしているように見える。青物らしい鋭い突っ込みを見せながら海面を割ってきたのは70cmクラスのメジロ(ワラサ)。この1尾に船内が活気づく。
潮が緩んでシフトチェンジ!
その後、根の荒いポイントを複数箇所探ってみるも、魚の反応こそあるものの口を使わない様子。そして潮が緩んできたところで船は移動。時計を見ると8時45分。今度は明石海峡大橋の西側。水深は40mで底はなだらか。ジグのボトムタッチもわかりやすく、ジギング初心者でもイメージしながらジグ操作ができる。
そこへ左舷ミヨシ(船首)の釣り人がタイラバに変更。常連と思しきその釣り人は瞬時にタイラバをチョイスしたが、慣れない人はオマツリする可能性があるので気を付けたいところ。ジギングと混同なら重たいヘッドが良いだろう。青物狙いならジグを使用するだろうが、マダイ狙いなのか、それとも…。答えはすぐに出た。アコウだ!すると、右舷ミヨシでもヒット。今度はハマチ(イナダ)だ。ボトム形状と魚の活性を考えてメタルジグにはリアフックも装着していた。
浅場〜深場をランガン!
時合は長く続かなかったため、船長は浅場・深場、水深にして20m~65mのポイントをランダムに探り始めた。潮の緩い場所、速い場所、根の荒い場所、緩やかな場所まで、反応が良い場所を短時間で探っていく。ポイント毎にメタルジグのウエイトやカラーを変える人もいた。
そんな中、右舷ミヨシでヒット!水深は60m。落ち着いたやりとりの後、上がって来たのはまたしてもアコウ。メタルジグのリアフックにガッチリと掛かっていた。この1尾で釣り人のヤル気がグッと上がり、気の抜けない状況が続く。すると再び右舷ミヨシでヒットコール。しかし様子がおかしい。ハリが外れたのか?と思った直後に曲がる竿…食い上げだ。
掛けた釣り人は慌てて体制を立て直したものの、魚は容赦無く突っ込んでいく。緊張したやり取りの連続。海面を割ってきたのは本命の魚のひとつでもあるサワラ!このタイミングで船内の緊張もピークに達する。
サワラを掛けた釣り人はスピニングからベイトへタックルを変えた。聞けばサワラはフォール中、もしくは着底直後にアタることが多いそうで、ボトムタッチやフォール中の違和感が良くわかるベイトタックルが有利とのこと。もちろん誘っている最中にもヒットすることもあるそうだが、サワラの鋭い歯がラインに触れてしまい、切られる確率が高くなってしまうそうだ。
水温の推移は好感触
喰いは渋いもののモチベーションは維持している船内。船は引き続きポイントをランダムに探っていく。目安のひとつである明石海峡大橋を東西に行ったり来たり。反応が高い場所やこの日の実績ポイントを潮流変化のタイミングで流し直したりと目先を変えながら探り続ける。
すると潮の緩やかな場所で投入の合図と同時にタイラバを投入する釣り人が。先ほどタイラバでアコウを釣り上げた釣り人だ。注視しているとすぐにアタリがあった。余裕でやりとりしているように見えるものの、タイラバは基本的に静かなやり取りを心掛けるもの。タイラバとジギングとの併用ですぐにスイッチ出来るのはさすがだ。上品なやりとりの末に上がってきたのは40cmを超える綺麗なマダイ。残り時間もあと少し。全員が集中力を切らさず粘り続けたが、そのマダイを最後に12時30分に沖上がりとなった。
「今回は青物なんだけどね〜」そんな言葉を口にしていた釣り人もいたが、青物は日ムラがある様子。常連ならではの機転がお土産確保に繋がったが、高めだった水温も良い落ち方をしていると説明してくれたのは直毅船長。例年この時期から適水温状態となる明石海峡周辺は、青物を中心に活性の上がった魚たちが釣り人を喜ばせてくれるハイシーズン。明石ブランドの名が付いた美味しい魚を釣って食べる。イチオシのおすすめプランである。
施設等情報
施設等関連情報
料金:要問い合わせ
出船時間:季節により異なる
定休:毎週火曜日 ※時期により火曜日・水曜日
交通:車は第二神明高速道路「玉津I.C」より約10分。もしくは阪神高速「若宮I.C」から国道2号線で明石へ。
電車はJRまたは山陽「明石駅」より徒歩10分
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。