自己記録”65cm/5kg”のバスは◯◯中に釣れた!【琵琶湖】

琵琶湖に通い始めてたぶん、19年目。この哀れな語り部(←筆者のことです)がついに5kgオーバーのスーパーランカーバスをキャッチすることができた。これを読めば、もう来年の冬が待ち遠しくなる!

バス
  • 滋賀県 琵琶湖

きっかけは藤田京弥さんとの電話インタビュー

今年1月に雑誌の取材で、アメリカのバストーナメントで大活躍中の藤田京弥さんにインタビューしていたとき。

藤田「あのアラバマはマジで釣れるんで試してみてください」

と、雑談を交えてこんなアドバイスをしてもらったような気がする。冬の河口湖でかなり実績があるらしい。琵琶湖でもぜひ使ってみたいぞ…ということで、釣りビジョンマガジンの担当者に「アラバマ系とカバースキャット真冬の最強決定戦」というセルフ実釣記事を打診してみた。丸一日、ほぼ同じ時間を投げてみて、どっちがよく釣れるのか検証するという企画だった。

しかし、編集部からは色よい返事がもらえなかったので…個人的に検証してみることにした。

真冬の曇り空のある日。午前中はアラバマ系リグのターン。藤田さんのおすすめが、ラスターブレード185+スリークマイキー115アラバマカスタム(いずれもジャッカル)のセット。これに10g、あるいは20gのウエイトを、狙う水深によって追加するのだ。

まずは冬らしく、ディープレンジの魚礁やオダなど絶対にバスがいるであろう場所を回っていくことにした。

藤田京弥さんのアドバイスで購入したラスターブレード185とスリークマイキー115アラバマカスタム。想像以上にデカい! ©望月俊典

まさかのアラバマ系に無反応…。そんなときどうする!?

北湖西岸のエリ跡、遺跡、魚礁…とまずは10~20mのディープエリアにて、巨大なアラバマ系リグを巻いて行った。あるときは魚礁をかすめるように、またあるときはだいぶ上を引いてコーリングアップを狙う。

しかし、だ。あの藤田京弥さんがおすすめする真冬の鉄板ルアーなのに、なぜかこの日はまったく反応がない。午前中投げ切ったが、ほぼチェイスすらない。冬の琵琶湖バスは基本的に中層を泳ぐルアーヘの反応がよいのだが…この日のようにまるでダメという日もあるのだ。そういや藤田さんも「ただグリグリ巻いてドカーンというのはないですよ」って言っていたような…(さすがにキモは教えてくれなかった)。

では、どうするか…?アラバマ系を投げて回ったなかで、一箇所だけ、いかにもボトム系ルアーに反応しそうな映り方をしている場所があったのを思い出した。水深約5mのなんらかの沈みモノ、その周りをデカそうなバスが3匹くらいウロウロと泳いでいたのだ。

では、13時。後半のカバースキャットのターンといこう。

中層スイム系ルアーではまったくダメだったが、唯一ボトム系なら釣れそうだな…と思えたスポット。沈みモノの周りを数匹のデカそうな魚影がウロウロして食い物を探している…ように見えた ©望月俊典
こういうときに効きそうなのが、カバースキャット。しかも、この日は期待の天下一品バージョンを持っていた ©望月俊典

仕事の電話中にフッキングを決め、スマホを放り投げた

その唯一、有望に思えた沈みモノへと入り直した、この哀れな語り部。投げるのは…デプスとラーメンの有名チェーン店である天下一品がコラボレーションした『カバースキャット3.5インチ 天下一品バージョン』。このルアーにはどうも何かある…ような気がする。といっても、この日初めて使うのだが…。

天下一品カバースキャットを例のスポットへロングキャストで投じる。カウントダウンしながらしっかりとルアーとラインを沈めていくと…語り部のスマホが鳴った。出てみると、某釣り具メーカーの方から、ここでは言えない内容の話が始まった。これがよかったのかもしれない。

電話をしながら、2ジャーク&ロングポーズをしていると…ん? ジャークしたときに重さを感じる。それでもジャークを続けると…やっぱり重い。これは食ってるな。すかさず、リールをグリグリと巻くこの哀れな語り部。耳にスマホを当てたまま、完全に重くなったところで、思い切り抜き上げるような合わせをくれた!

よっしゃ、乗った!

この直後、先方に「すみません、魚が掛かったのでまた後でお願いします!」と電話を切り、スマホを投げ捨てた。相手も釣り人なのでわかってくれるはず…。

グン、グン、と、体重を乗せて突っ込むような動きを見せる、20ポンドラインの先にいるバス。これは…デカいんじゃないの? パワーファイトの末、水面に上がってきたのは…ロクマルはある、4kgはあるかな…という魚体。まだこのときはこれが自己新記録とは思わなかった。

ボートに上げて、メジャーを当てると…65cm。ちなみに、65cmのバスを釣ったのはこれが4匹目である。

1投で勝負が決まった真冬の最強ルアー対決。とある事情で、このバスを一眼レフカメラでしっかり撮影する必要が出てきたため、カバースキャットはその後2~3投しただけで、ボート屋さんに帰ることになった。

レンタルボートひさの屋の桟橋で測ってみたところ、デジタル秤の表示は「505」。5050g。つ、ついに…5kg超えを達成した!

65cm、5050g。重さの自己記録を更新。通い始めて19年…ようやく琵琶湖の5kgオーバーをこの手に抱くことができた ©望月俊典
文句のつけどころのない真冬のビッグバス。琵琶湖にオフシーズンなど存在しない ©望月俊典
レンタルボートひさの屋の桟橋にて検量。「505」の3文字に歓喜した ©望月俊典
ガッチリとフッキングが決まった。フックはエリートツアラーワーム34Rの6/0 ©望月俊典

1ヶ月後、横沢鉄平前編集長と2匹目のロクマルを狙う

5kgオーバーのバスを釣ってからは仕事が忙しく、なかなか釣りにも行けなかったのだが、釣りビジョンマガジンの横沢鉄平前編集長がたまたま滋賀に取材に来ていたので、空き日に2日間釣りをすることになった。

横沢「絶対ロクマル釣るぞ!」

朝、すぐにあのスポットへ行き、横沢さんにカバースキャット天下一品バージョンを投げてもらった。すると‥。

横沢「食ったぞ!」

1投目にいきなり釣れた。が、しかし、ロクマルには15cmほど足りない。その後も、横沢さんがカバースキャットで釣るも、53cmのナイスバス。

望月「じゃあ、ロクマルの釣り方を見ててくださいね」

そう言って、この日は語り部がミドストで3匹のバスを釣るも…最大は58cm。惜しい…。

結局、2日目も横沢さんは2匹の50アップをキャッチしたが、ロクマルには届かず。語り部はカバースキャットでかなりデカそうなバスをヒットさせたが、これがなんとラインブレイク(フロロ20ポンド)。あれは、余裕でロクマルあったよ、うん。

横沢鉄平師匠の50アップ。小さな沈みモノに付いていた ©望月俊典
語り部がミドストでキャッチした58cm。見切らせないよう、小技を使った。この日はスイミング系にガンガン浮いてきたようだ ©望月俊典
横沢師匠の50アップその2。これはジグヘッドだがフォール後の着底で食った模様 ©望月俊典
横沢師匠の50アップその3。カバースキャットのポーズに食っていた。ファイト中はゴミかと思ったらしいが、バスだった ©望月俊典

施設等情報

□レンタルボートひさの屋
住所:滋賀県大津市小野306-89 
電話:077-594-3288 レンタルボートひさの屋のホームページ

施設等関連情報

営業時間:日の出~17:00(夏季) 日の出~16:00(冬季)
料金:1人乗り7,000円(9.8馬力) 8,500円(20馬力) 2人乗り8,800円(9.8馬力) 11,000円(20馬力) 3人乗り13,200円(20馬力)
アクセス:JR湖西線小野駅下車 徒歩約17分(電車) 湖西道路真野IC下車 約6分(車)

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

望月 俊典 千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。

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