未知の小河川で【ツルッ!キラッ!デカッ!】新潟県上越にて天然海産アユと出会う!

梅雨末期の大雨が全国各地で猛威を振るっていた7月中旬。安全の為にも川の状況を吟味する必要があった。そんな中ポッカリと雨雲を交わしそうな場所発見!そこは新潟県!今シーズンは初期から日本海側の遡上が良いとの情報もあった。解禁時期には素晴らしい釣果情報も飛び込んできていた。とはいっても気まぐれな梅雨空。どう転ぶか分からない…。過度な期待はせず、河川調査とばかりにのんびり新潟釣り旅に向かうことに。

  • 新潟県 名立川

お天気バッチリ快晴!上越~糸魚川河川を巡る

仮眠をとりつつ、ゆっくりと車を走らせ新潟県に着いたのはAM7:00。毎年訪れる糸魚川市の早川・姫川は朝の時点で濁りが入ってしまっている。ん~こりゃ~厳しいか…。しかし、海川は濁りもなく釣行可能!そして地元の方から情報を頂き、上越方面の未知の河川も釣行可能とのこと。とはいえ、やはり前日までの天候もあり、まだ私は今日と言う日に期待を持てず…竿を出せれば良いくらいに思っていたのだが、せっかく新潟まで来たのだから焦らず今まで釣行したことのない河川を見てまわることにした。

まずは上越市にある小河川「名立川」。この川は、河口からすぐにポイントが現れる!海からすぐのポイントには釣り人が1人のみ。アユを釣り上げる姿は見られなかったが、増水も濁りもなく、川を見る限り石色も良いように思えた。初めて走る道をナビ頼りで、上流へと車を走らせていく。ちょうど駐車ポイントが見つかったので、橋から川をチェック!「おお~石色いいね~!」。そして何よりも秘境感がいい!小さな河川だが山深く、表現は難しいが私の好きな雰囲気ムンムンであった。すると下流を覗き込んでいた相方が興奮しながら「こっち見て~」と叫んでいる。すぐに駆けつけると、そこには…ギランギラン!何とも大きな煌めきが川のあちゃらこちらに見られるではないか!これアユ?だよね?と思ってしまう程の大きな煌めき。さっきまでのんびりしていた私の心は一気にざわついた!

ただ、釣りをするにはオトリが必要だ。オトリ屋さんはお隣の糸魚川市能生川沿いにあったため、能生川をチェックしがてら向かってみたところ、この川も名立川と同じく海からすぐの場所にポイントが現れる。こちらも濁りも増水もなく、ポツリポツリと釣り人の姿も。しかも、時たま見かける釣り人の竿が曲がっており、時には入れ掛かりしている姿も見られた。これには、どちらの川で竿を出そうか迷ってしまう。どちらも初場所。さあ、どうしよう。何とも幸せな悩みである!

糸魚川方面の河川は濁りが出てしまっているところも。 ©釣りビジョン
名立川は濁りもなく石色も良かった。 ©釣りビジョン
能生川沿いにあるオトリ屋さん高鳥商店。オトリは1尾700円。優しいお母さんが待っていてくれる。 ©釣りビジョン

未知の小河川名立川は「ツルッ!キラッ!デカッ!」のアユが待っていた!

よし、心は決まった!私は、〝秘境感〟溢れる雰囲気に心奪われ「名立川」を目指すことにした。先程のアユが煌めいていた〝ギラリンポイント〟はまだ空いているだろうか?釣りをすると決めたら、ついつい心が焦ってしまうものだが、そんな心配は無用だった…。上流に向かうまでに見かけたのは、釣り人2人と熊出没注意の看板のみ。人がいなくて不安になる程である。

目的のポイントに到着すると、見渡す限り〝貸切〟。川に足を浸けて、一番初めに感じたことは意外にも〝水温が高い〟ということ。しっかりとオトリの水合わせを行う必要がある。もちろん、向かうは橋下でアユが煌めいていた石周り。右岸に相方、左岸に私!足元からオトリを送り出し、ギラリンポイントに到達!スグに来かと思ったが、来ない…。そして、相方にも来ない…。これはもしや、〝騙されギラリン〟なのか(笑)!?今シーズン、このギラリンに惑わされ続けてきたことが頭をよぎる。

粘れ私!と心の中で喝を入れると、泳がせていたオトリにコツと小さな反応が…!違和感を感じオトリを戻そうとしたその時だった。突然の「ギュイーン!」。強烈な引きだ!え?掛かってたの~!?アタフタしながらも何とか初となる名立アユをキャッチ!美しい…顔がシュッとしていて背中の尖った、「ザ!海産天然アユ」のいでたちだ。まもなく、対岸の相方にも名立アユがヒット。疑ってごめんよ…。名立アユ達はやる気満々で私達を迎えてくれたのであった。

こんなところからスタート。アユがギランギラン良く見える。 ©釣りビジョン
初河川初名立アユ!引きが強く海産天然らしい姿のアユだ。 ©釣りビジョン
相方にも初名立アユが~竿も良く曲がっていた。 ©釣りビジョン

強い流れに潜むアユの引きは強烈!

そのタイミングから、アユがいる場所では反応を得られるようになった。相変わらずアタリは「コツ」と小さいものの、その後の引きは半端ない!なんだ?などと考えていると一気に振られ、のされてしまう。想像以上の引きの強さである。やはり、天然アユのパワーは凄い。釣り歩いていて分かったことは流れの強い所の方が反応が良いということ。また、シワリ系の針でないとバレてしまうことが多かった。

平場からの絞られるような流れの中では連チャン入れ掛かりも経験。落ち際の際どい場所ではかなりの良型アユが掛かることも少なくなかった。掛かるアユは驚きの良型ばかり!どのアユも美しく、オトリでは素晴らしい泳ぎをしてくれた。強い流れもグングンと昇っていく。掛かれば素晴らしい引きで竿を曲げ、強烈なやり取りが楽しませてくれ、何尾分もの楽しさを味わわせてくれる。終始入れ掛かりとはいかないまでも、足を使いポイントを探ることで飽きない程度に名立アユ達は遊んでくれた。

私も相方も何とも言えぬ満足感でいっぱいであった。

流れの中できたアユはバッチリ背掛かりで引きがたまらん! ©釣りビジョン
黒い石を狙うと反応が良い! ©釣りビジョン
流れの落ち側では良型アユが突然やって来るぞ! ©釣りビジョン
ツルツルピカピカの名立アユは美しい。 ©釣りビジョン

日本海に沈みゆく夕陽を見ながら最下流での釣り!

唯一釣り人の姿を見た最下流のポイントが気になっていたので、そこで今日の釣りを締めくくるべく移動した。

入川点から約100m先には日本海が広がっており、潮風が頬を撫でる。ちょうど上がってきた釣り人に声を掛けると「川を見てごらん」と言う。すると、手前の浅瀬にはキラキラとアユがよく見えた。「アユは沢山いるよ!頑張ってね!」と激励の言葉もいただいた。そして、オトリを放てば早速反応が!瀬に入った相方もテンポよく掛けている。上流のポイントに比べて型は落ちるものの、小さいアユではない。引きも申し分無い。

数的にはこの下流のポイントの方が多いようにも感じる程であった。やはり下流でも強めの流れの方が反応が良かった。石色は黒いものを狙うと良いことも分かった。石がポコポコと点在し複雑な流れが続き、オトリを入れたいポイント満載だ!

流れの中で掛かるアユの引きは強く、穂先を見上げれば竿が大きく弧を描いていた。「ラストひと流し!」の掛け声でお互い1尾ずつ掛けたところで納竿とした。竿をたたみながら下流を見れば、日本海に沈みゆく夕陽が名立川を赤く染めている。海から吹く風はほんのり暖かく、潮の香りがした。

今回初釣行となった名立川は地元の方からのアドバイスもあり素晴らしい時間を過ごすことができた。今年は新潟県近隣河川でも素晴らしい釣果を耳にする。今回濁りで竿を出せなかった糸魚川方面の河川も、これから大爆発の予感!今シーズン日本海側が熱そうだ!短き日本海のアユ釣りシーズン。「その時!」のタイミングを逃さず、ぜひ足を運んでほしい。きっと素晴らしいアユとの出会いが待っているはずだ!

最下流のポイントはすぐそこに日本海が広がる。河口では海釣りする釣り人の姿が見えた。 ©釣りビジョン
カッツーンと気持ち良い当たりだ。 ©釣りビジョン
名立川は基本的に浅場が多く石があちこちに顔をだしている。 ©釣りビジョン
赤く染まった名立川の夕暮れ!素敵な川との出会いに感謝! ©釣りビジョン

施設等情報

施設等関連情報

「高鳥商店」
住所:新潟県糸魚川市大沢582
TEL:025-566-2720
オトリ販売あり
6:00少し前に開店
※名立川は無料河川の為遊漁券不要
※曳舟1つに付き100円で預かりあり
※オトリ販売は商店裏手

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

SHOHEY 鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。

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