朝は水温低く活性上がらず…丁寧な釣りで野鮎を探っていく
釣りが第一目的なのはもちろんのこと、この日はもう一つ楽しみがあった。初めて一緒に竿を出す友人や、毎年日本海側でお会いする先輩方と一緒に釣りができるのだ。まずは先輩たちにご挨拶。美味しいコーヒーをいただきながら、久しぶりの再会に会話が尽きることなし。いつも笑顔で迎えてくれる先輩たちと過ごす時間は本当に楽しいひととき。
そうこうしていると待ち合わせの友人たちも到着。初めましての方も多かったが、コンディションの良い川を目の前に話していると、あっという間に心が通じあった。こうしてまた、鮎釣り仲間が増えるのは本当に嬉しいことである。さあ皆で今日という日を大いに楽しもうじゃないか!
準備を済ませて、いざ川へ!まだまだ夏の様相を色濃く残すフィールドに対して、全員がライトスタイルで出撃!しかし、足を川に浸けると「ヒヤッ!」と思ったより水温は低い…。私は上流の瀬肩を目指した。小石底で水深は浅く、左岸に向かうにつれて深くなっていくポイントだ。狙うは左岸ヘチの掘れ込み。鮎の姿を目視することはできなかったが、上流で竿を出す先輩たちの竿が曲がるのを確認し、ひと安心。
腰を下ろし、足元からオトリを放つ。鮎たちは上流へ。いい泳ぎだ!しかし、ガツッと反応はあるものの針掛かりしない。しばらくあっち向いてこっち向いてとポイントを探ってみるものの同じ状況が続く。針ケースの針も全て出動してしまった。アユの気配はムンムンだが一瞬針掛かりしたとしても直ぐにバレてしまう。そんな時間が続いた。
9時30分を過ぎた頃だろうか、急に川の様子が変わった。水温も上がり始め、川の中には鮎たちの煌めきがチラホラ見え始めてきた。と、その時だった!「ガツ、ズバババーン!」突然、強烈なアタリを感じる。何とか竿を絞り、キャッチに成功。タモに収まったのは、今季初となる小川鮎。20cm程のシュッとした顔つきの「ザ!天然海産鮎」である。それにしても想像を超える強いアタリであった。海産鮎のパワーは侮れない!待望の1尾目!時間は掛かってしまったが、さあ~ここからだ。
野鮎を放つと一発!手前の流れの中で「ズババーン!」という大きなアタリがあり「これ来た!」と喜んだのも束の間…ここから怒涛の連チャンとはいかなかった。野鮎をオトリに使い始めてから、明らかに掛かりは良くなりそれなりに数は出るものの、ポツリポツリ…足を使い拾い釣りをする時間が続いた。
海の潮の動く時間が肝!活性アップのチャンス!
今日の潮回りは11時30分頃に干潮、17時30分頃に満潮を迎える。というのも、ここ小川では釣り場が海から近いこともあり海の潮が鮎たちに影響する。潮が動く時間帯に活性が高まるそうだ。そして、水温も重要。水の温度が上がる午後の時間帯に活性が上がるとのこと。思い返せば午前中の釣りも11時を回った頃からジワジワと活性が上がったように感じた。
お昼休憩を追え、只今13時30分。完璧な日差しが降り注ぎ、水温は順調に上昇中!川を覗けば午前中には見えなかった鮎たちの姿があちらこちらに見え始めていた。仲間たちと思い思いのポイントに散り、釣りを再開する。
水温も上がってきたので、まずは下流に深みのある右岸のチャラ瀬から。オトリを送り込むと早速「ガツッ」「ギュイーン!」というアタリと共に、15cm程の小ぶりな鮎ちゃんが掛かった。これをオトリにすると、またまた「ガツッ」と、13cm程の鮎ちゃん。このポイントでは数は稼げるが、どうも小ぶりな鮎ばかりが掛かる。どうやらポイントによって釣れる鮎のサイズにムラがあるようだ。ここで、チビ鮎ポイントには見切りを付けて場所を移動することにした。
午前中、左岸側を攻めてサイズの良い鮎が釣れていたので左岸を中心にポイントを探すことに。すると下流にいる友人がそれなりに流れのあるポイントでテンポ良く掛けているのを見かけた。そして、右岸側から左岸に向けて流れ込む瀬を発見!ちょっと立ち位置が難しいがこの流れを探ってみることに。
緩い流れの瀬脇からオトリを送り込むと今日イチの「バッキューン!」というアタリ!おお~引く引く!掛かり鮎が縦横無尽に走りまくる!天然海産の力強さを思い知らされた瞬間であった。ここからこのポイントでは瀬脇や瀬のド芯で5連チャン!の楽しい時間を過ごした。竿抜けのポイントでもあったのだろう。周りの仲間たちを見ていても竿の曲がる頻度が上がり始め、ゴールデンタイムの気配を感じた。
夕暮れのゴールデンタイムに今日イチの良型現る!
16時をまわり、夕暮れが近づくとあちらこちらで竿が曲がり始めた。やはり夕マヅメのゴールデンタイムか!?私は少しずつ下流へと移動しながら、ついに海まで数十mというところまで辿り着いた。下流を見れば河口付近に波が打ち寄せている。満潮が近いこともあって、波が打ち寄せると川の水位も上がり海の近さを感じる。下流のポイントは、右岸には深さのあるトロ場、左岸にはチャラ瀬が広がっていた。上空にはカモメ。左岸には跳ねる鮎たちの姿が見えた。ここでは、右岸立ちでチャラ瀬を狙ってみる。
手前の深みからオトリを放ち左岸へとアプローチ。すると、深みから水深が浅くなるカケアガリでオトリ鮎が物凄いスピードで泳ぎ出した!「ん?これは追われて逃げたな!」。鮎の姿は見えなかったが、この深みは大物の予感!オトリを手前に引き戻し、もう一度カケアガリを狙うと「ギュン!」と目印が引き込まれた!かと思えば「ズバババーン!」と、今日イチの引きと重みが竿から伝わってくる。「で、デカイ!凄い引きだ!」。どんどん下る鮎。このままでは海に辿り着いてしまいそうだ(笑)。やっと、やっと、オトリが顔を見せたが、ここからもういっちょ強烈に暴れ出す掛かり鮎ちゃん。
バラさぬように慎重に寄せると、無事取り込みに成功!手にした鮎は23cmの超良型!背中の張った体高のある美しい個体であった。ここから日暮れまで連チャンもあり、夕方のゴールデンタイムを大いに楽しんだ。友人たちも力強い小川鮎の引きを存分に楽しんだようだ。納竿し、赤く染まる川では釣りの終わりを惜しむようにいつまでも笑顔と笑い声が絶えなかった。
朝日町の田んぼの稲穂は頭を垂れ黄金色に輝いている。短き日本海の鮎釣りシーズンの終わりを告げているのだ。今日1日の楽しかった思い出で心満たされつつ、ちょっぴり寂しさも感じた今回の釣行。また会う日まで!来シーズンも、波打ち際のパワフルな鮎たちは私たちを大いに楽しませてくれることだろう!
施設等情報
施設等関連情報
「ハマヤ釣具店」
富山県下新川郡入善町古黒部2105-4
TEL:0765-74-0069
※オトリ(要TEL確認を)・遊漁券販売
「ローソン朝日町平柳店」
※日釣り券・年券販売あり
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。