釣れるアユと釣れないアユの見極めを!
小雨降る朝を迎えた。厚い雲が空を覆っていたが思ったよりも体感温度は高く、寒さは感じない。しかしこの時期の川をなめてはいけない!身構えずに「大丈夫かな~?」なんて軽い気持ちで薄着で行くと、ブルブル状態になってしまうのがオチ。しっかり防寒をして出動だ!
今回向かったのは箒橋上流のポイント。スタートがちょっと遅かったこともあるが、橋の上下には多くの釣り人の姿が見られた。しばし川を眺めるが竿を曲げている人はポツポツといった感じ。「朝のうちはそう簡単には釣れそうにないな~」と友人たちと顔を見合わせた。
私たちは釣り人の少ない橋上流へと向かうことに。岩盤と小石底が混じるポイントだ。左岸側から川を切り始めると足元ではシュンシュンと鮎の走る姿が確認できた。ここ最近1尾目が中々獲れず、ヒヤヒヤなスタートを切る自分に「大丈夫!釣れる!」と言い聞かせ、歩を進めていく。
川には「魚せき漁」に使うであろう杭が川を切るように設置されていた。右岸側は浅い小石底。青ノロも発生し始めていたが、それを縫うように鮎たちが走る姿が見えた。あちらこちらに小さな群れも確認でき、小石底を喰みキラキラと輝いている。鮎はかなりの数いそうだ!一方、川中央には岩盤底の瀬があったが、こちらでは鮎の煌めきを見ることはできなかった。
さて、岩盤か?小石底か?迷った末、やはり見え鮎に引っ張られるようにして右岸の小石底のポイントから竿を出すことに。仕掛けを張る間にも鮎の跳ねや煌めきはあちらこちらで見えていた。これだけ鮎がいれば、1尾は獲れるだろう、とこの時は思っていた・・・。しかしオトリを広範囲に泳がせても針に触れることすらない。泳がすオトリの真横では鮎が跳ねているというのに。
腰を下ろし手前を探っていると群れがやってきた。よ~く見ているとその群れはオトリから逃げるように泳いで行くではないか!こりゃいかん!箒川では多くの見え鮎たちがいるが、これに引っ張られてしまうと痛い目に合う!しっかりと石色を見てポイントを見極めることが大事だ。結局、ここでは事故で掛かったゲストフィッシュ1尾のみで終わった(泣)。
掛かるアユは流れの強い岩盤にあり!
朝から強い瀬に入った友人は、なんと即掛かりからの連チャン。満面の笑みを浮かべている!相方も瀬肩で良型の鮎を手にしていた。これは間違いなく岩盤の瀬が良いだろう!早速、私も少し下流に移動し二股に分かれた細い瀬に入ってみる。確かに川底の岩盤は磨かれ青ノロも少ない。いつも見える鮎にふらふらとついていってしまう自分に反省である。
オトリを送り込めば「ガッツーン!」と、一発だ!鮎の姿も煌めきも目視はできないが岩盤にはしっかりと縄張りを持つ鮎が着いていたのだ。そして、野鮎を放てば一気に反応が良くなる。「ギュンギュン」と前アタリがあったかと思えば一気に針掛かりし、竿を曲げる!おお~これは楽しい!しかし数は出るもののこの小さな瀬では、上がってくるのは小型ばかりであった。
訪れた〝1時間〟のゴールデンタイム!
下流から遡ってきた友人の話を聞けば、岩盤でもギラギラと鮎たちの姿が目視できるようになったとのこと。これは、ゴールデンタイムの到来か!?さらに「サイズが小さくないか?」と尋ねると小型も混ざるものの、良型の鮎も掛かるとのこと。水深があり、流れの強い場所では型が狙えるようだ。後ろを振り返れば、落ち込んだキツイ瀬で竿を出す相方。ちょうど大きく竿を曲げており、今まさに良型鮎を引き抜きにかかっているところであった。どうやらゆるい流れや、浅場ではチビ鮎ちゃんが、瀬では良型鮎と場所によりサイズが。
反応の良くなったゴールデンタイムでは、皆脇目も振らずキツイ瀬狙いで竿を出すことに!交互に竿は曲がり、一緒に竿を出した仲間も皆、良型鮎を手にすることができた。どの個体も引きは抜群だ!オトリを下流に送り扇状に沖へと出していけば、横の動きに反応し強烈なアタリ!あっ、という間にのされてしまうので気が抜けない時間が続いた。良型鮎が獲れれば入れ掛かりタイムに突入!
それにしても釣れる鮎たちが〝若い〟。終盤のそれではなく、まだまだ現役といった個体ばかりである。流石、後半に強い箒川である!15時~16時の一時間ほどゴールデンタイムは続いた。この時間になると釣り人も少なくなり、色々とポイントも探れるチャンスタイムである。
肌寒くなる頃、上流では「魚せき漁」の準備が始まり、重機が出動すると共に下流では濁りが入り始めたのでここで納竿とした。それにしてもこの時期にこの数!この型!文句なしの大満足釣行となった。後に下流の本流合流点近くの荒瀬で竿を出していたという友人の話では、最大27.5cmの大鮎も出たとのことであった。
ちょこっと本流調査!那珂川町裏で竿出し!背掛かり鮎の連発も!
翌日、好調と噂の本流でも竿を出してみることにした。ポイントの名は通称〝一本松〟。1週間前には爆釣を体験した釣り人もいたそうだ。前日のこともあり流れのあるポイント中心に竿を出してみたが、やはりここ本流でも瀬や流れのあるポイントでの釣果が良かった。とくに右岸ヘチの流れではバッチリ背掛かりの良型鮎を連発している釣り人もいた。
左岸から竿を出した私であったが、流れの中で掛かる鮎の引きは強烈。野鮎をちゃんと循環させることができれば連チャンにも突入する楽しい時間となった。場所ムラがあり、どこでも掛かるとまではいかないが、ポイントさえ押さえることができればまだまだ数釣りも楽しめるだろう。
10月とは思えぬ鮎たちとの出会いがあった好調の箒川。シーズンも残すところ僅かで、数釣りは難しくなっているが、ここ箒川ではまだまだ若い元気な鮎たちでいっぱいだ。季節は秋。10月に入った今、日々状況は変化していくことと思うが、まだ間に合うぞ!シーズンの締めくくりに入れ掛かりを味わいに訪れてみてはいかがだろう。
施設等情報
施設等関連情報
「高瀬オトリ店」
営業時間:AM5:00~PM5:00
住所:栃木県大田原市黒羽向町74番地
オトリ(1尾400円)、遊漁券販売
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。