港は道の駅「鴨川オーシャンパーク」と隣接
最寄りは館山自動車道・君津インター、もしくは。そこから約1時間程度。首都圏中央連絡自動車道・木更津東インターからでも約1時間程。目的地の太夫崎港は『道の駅・鴨川オーシャンパーク(千葉県鴨川市江見太夫崎22)』と隣接。道の駅の裏側が港になる。帰りに休憩して帰るのにも最適でお土産コーナーもあり、非常に便利な道の駅だ。
どんなタックルで挑めばいいのか?
まずはリール。前半で狙うクロムツの歯は鋭くラインが切れる可能性があるのと、オマツリ等で傷つくことも考慮し、糸巻き量は多めにしておきたい。そのため、道糸となるPE4号が300m以上巻ける中型電動リールを推奨する。また今回はリレーの後半がオニカサゴ狙いとなっているが、場合によってはスルメやヤリイカを狙う可能性もあるのでなおさら糸巻き量は多い方がいい。
竿は150号のオモリに対応したスペックのもので2m前後の長さが使いやすい。好みにもよるので、それより長い竿でもOKだが、今回は長いサビキを使用する。そのため記者は今回、長いサビキのコントロールを考慮し、2.7mの細身の竿を用意してみた。
オニカサゴは天秤にオモリ150号と2~3本針の仕掛けを組み合わせる。エサはクロムツ釣りでヒットして来たサバをキープし、切り身にして使う。
底をコツコツ…ではなくデッドスローで誘い上げる
午前2時過ぎに『渡辺丸』が岸壁に到着。そのタイミングで、お客さんも船の前に車を停めて荷物を降ろす。船の灯りが周辺を照らしてくれているので、準備も楽だ。
船長の渡辺英雄さんに話を聞くと「今日は4名で。最初にクロムツをやって、後半はオニカサゴに行きますね」ということで、高級魚狙いの贅沢2本立て。記者はこういう釣りが大好物だ。
2魚種をワンタックルで狙うということで、専門の竿ではなく汎用性のある竿をセレクトして楽しんでみることにした。今回船宿オリジナル仕掛けを購入。「これがフラッシャーサビキね」と、船長から手渡される。そして氷が配られ午前2時30分に出船。
鴨川沖のポイントまでゆっくり船を進めること約30分で到着。海面はトビウオや様々な魚たちが群れをなして泳いでいることから、このエリアが豊かな漁場であることが伺える。そして、船長の合図でスタート。水深は95m。
船長によれば「底に着いたら、オモリで底をトントンやるのではなく、上に15mくらいデッドスローで巻いて誘ってください」とのこと。これは、クロムツが東北のマソイなどと同様に、浮いて餌を狙っているから。故にサビキや胴付きの仕掛けになっているのだ。
底に着いたら2~3m棚を切り、ゆっくりと竿を立てながら誘っていく。電動リールを活用するのであれば、巻き取りをデッドスローにして探っていく。しばらくすると大ドモでクロムツがヒットした!
記者にもアタリがあったものの、フッキングには至らず。その後、回収途中でサバがヒット。しかもすべてのサビキに。それを取り込んでいると「そのサバはキープしておいてくださいね」と船長。後半のオニカサゴのエサにするとのことだ。
狙いの棚を探っていくことで釣果は伸ばせる!
棚を探っているとお隣の方にクロムツがヒット。「下の方で掛かったね」と教えてくれたので、それを参考に底から10m付近を探ると記者にもヒット。時折強引に暴れるターゲットに冷や冷やしながらも、無事クロムツをキャッチすることができた。ちなみに、歯が鋭いクロムツだが、口の周りは弱い。針が刺さったところがファイト中に広がり外れてしまうことも多いので、丁寧なやりとりを心掛けたい。
その後、船中ポツポツとクロムツがヒットしたので写真撮影をしていると記者の竿にもアタリが…。釣り座に戻り、リールのカウンターを見ると70m。この時の水深が95mだったので、底から25m前後でのヒットということになる。上がって来たのはクロムツ。探っていた棚よりかなり上だ。すかさず、底から15~30mくらいを探ったところでまたヒット。
これまた探っていた棚より上。ここで多点掛けを狙うことにした。スローに巻き続け、止めてサビキで誘う。魚が掛かっている状態なので、フラッシャーサビキが動いていい誘いになっているはずだ。
すると重みが増幅した。よし、多点掛け成功!と思いきや、巻き上げて来ると少しずつ引きが弱くなり、結果的にクロムツのダブル。仕掛けを確認すると針がなくなっていた。欲張って待ち過ぎるのもよくないのかもしれない。
「やはり底の方ですか?」とお隣のお客さん。「実は。下から25m位なんです」と伝えると、「そんな上なの!?」とビックリしていた。反応は幅広く出ているとのことで〝クロムツのエサになる魚がいる棚と合わせること〟が重要と感じた次第だが、棚を上げ過ぎるとサバがヒットしてしまうので、それはそれで注意が必要だ。
多点掛けラッシュ
“より上の棚”ということが分かり、他のお客さんも上方向に誘い続けてダブル、トリプルとヒットさせている。とても楽しそうだ。そして記者も4点掛けに成功!7本ある針のうち2本をロストしたが大満足である。夜が明け始め、綺麗なご来光の中、良型のマアジもヒット。さらに、サバの活性も上がって来たようだ。
その後、クロムツがヒットしてもサバが掛かって外れてしまうことが多くなり、午前6時にオニカサゴ釣りにシフトチェンジ。ポイント移動の時間を利用してサバを切り、短冊を作る。
ポイント到着後、水深100m前後からスタートするとすぐにアタリがあった。「いいファイトだ」と楽しみながら“良型オニカサゴ”を期待したが、上がってきたのは良型のヨリトフグ(通称ミズフグ)。そして、次に海面に姿を現したのは赤い魚体。「おっ!これはオニカサゴか!?」と思ったが、こちらは良型のホウボウ。さらに良型のキダイ、大型のサメもヒットする。一投一回ペースでアタリはあったが、残念ながらこの日はオニカサゴの顔を見ることができなかった。しかしながら、大型が期待出来るエリアなのでまたチャレンジしたい!
午前8時30分に沖上がり。9時に港に到着して道具を仕舞うと10時。帰路は渋滞にハマることなく順調だった。住んでいる場所によっては出勤時間に間に合うかも!?美味しい高級魚を満喫できる贅沢なリレープラン。ぜひとも体験していただきたい!
施設等情報
施設等関連情報
料金:午前船1万1000円(フラッシャーサビキ1枚・氷付き)
出船:2時30分頃、準備出来次第出船
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。