勝山港はアクセス良好!エサ取りの多い時期のためアサリは多めに準備したい
勝山港は、東京湾アクアライン経由で都心から約1時間半。富津館山道路「鋸南富山」インターからわずか2kmとアクセス良好。『宝生丸』の船着場は港の最奥で、カーナビへの登録は隣接する「鋸南町勝山漁協 活魚センター(千葉県安房郡鋸南町下佐久間3770)」が便利。
受付は5時開始。日の出前だが『第二十一宝生丸』の灯火でカウンター周りは明るく快適。エサ取り魚が多い時期のため、エサのアサリはほとんどの釣り師が2パックを購入していた。沖での追加はできないため要注意。
また、船着場の目の前に駐車できるので準備もスムーズ。出船準備は順調に進み、定刻6時に『第二十一宝生丸』は出航した。
「手が合えば釣果に…」この難しさが面白い!
穏やかな海を進むこと10分弱。勝山沖・水深17mの釣り場に到着。最初の一投は、船中全員がキタマクラに邪魔されるという状況だったが、粘り強く魚のリズムを探った結果、右舷トモから2番目の畠中さんが船中初のカワハギをゲット。
その後も、ササノハベラやトラギス、エソなどのエサ盗りや、サバフグ、キタマクラといったフグ類に悩まされながらも、熟練の釣り人たちが徐々にカワハギを掛け始め、スローペースながらも釣果を積み重ねていった。
10時までの釣果は「ワッペン」と呼ばれる木の葉サイズの当歳魚が中心。掛けるのに苦労する場面が続いたものの本命からのアタリは多く、今シーズンの沸きの良さを垣間見る展開となった。
後半は保田沖・水深25m前後のポイントに移動。ここでは20cm前後のお持ち帰りサイズが立て続けに上がり、エサ盗りに苦戦しながらも、宙の釣りを駆使して本命を手にするテクニカルなカワハギ釣りを満喫した。ゲストフィッシュに苦笑いしつつも、良型を取り込めば嬉しさもひとしお。あっという間に沖上がりの時間を迎えた。
船長に訊くカワハギ釣りの「コツ」
勝山港周辺のカワハギについて、『宝生丸』の髙橋賢一船長に聞いた。
──今シーズンのカワハギ、攻略のコツは?
髙橋船長「待ってるような釣りだと(釣果の)差が大きいですよね。だから、どんどんどんどんアタリを見つけてっちゃう人であれば30、40釣るけど、どうしてもアタリを待ってると一ケタの釣果が多くなっちゃう。魚の方からガツガツ競ってはくれないので、積極的にアピールした方が口は使ってくれる感じですね」
──これからの方々へアドバイスをするとしたら?
髙橋船長「エサを確認することです。エサを見て、誘い方を変えていく」
──カワハギ師が言う「速い釣り」「遅い釣り」、あれは具体的に言うと…?
髙橋船長「『タルマセ釣り』で言うと、例えば1秒で弛ませて、3秒待って、1秒で張るってのをフツーとするじゃないですか。したら2秒で弛ませて、1秒待って、2秒で張ると“ゆっくり”になって(釣れる魚が)大きくなる。ホントに“速い釣り”をするんだったら全部1秒にすると速くなる。それを弛ませ2秒、待ち2秒、張り2秒とか、そういう風に変えていくと、“速い”“遅い”は出ますよね。これが『宙の釣り』だったら、動かす距離を短くする、そして動かすスピードを速くすれば“速く”なる。“ゆっくり”にするんだったら、こう大きく、ゆっくり動かす。エサを盗られるなら“速く”して、エサが盗られないなら大きく“ゆっくり”にして──これが“速い”“遅い”ですね。それの調節で“アタリを探す”って感じになるんです。積極的に誘っていれば、絶対どっかしらで(魚信が)出るんで、そうやって探し出していく」
この時期は釣れる水深も概ね15m前後でアタリも取りやすく、仕掛けの上げ下げも億劫にはならないため、カワハギ入門にはまさにベストシーズン。キーワードは「アタリを探す」。積極的に魚の反応を探りながら、攻めの釣りを心掛けたい。
今期も期待大、最盛期はこれから!
この日の竿頭は、船中1枚目のカワハギを釣り上げた畠中さんと、真裏の左舷ミヨシで竿を出した本間さんの7枚。次点は5枚と、全体的に難しい展開となったが、取材翌日には「新しい群れが入った」との好釣果情報が届いた。魚は確実にいると意識し、今後の好転に期待したい。
今シーズンの内房・勝山沖では、数釣りも大型狙いも楽しめる状況が続いている。気候も快適で、エサ付けに手がかじかむこともないこの季節こそ、ベテランはもちろん、これからカワハギ釣りに挑戦したいビギナーにも絶好のタイミングとして強くお薦めしたい。
施設等情報
施設等関連情報
集合時間:午前5時30分(変動あり、予約時に要確認)
出船時間:午前6時
乗合船料金:9,500円(氷付き/エサ別)
※HP割引き1,000円/女性・小中学生割引あり
エサ:1,000円(1パック)
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。