【期間限定の超希少魚】紅葉に染まる秋の渓流で“秋鱒”を狙う!!

ヤマメやアマゴは秋の繁殖期が近づくと、体色を赤く染める。これは婚姻色と呼ばれる。この色を纏った個体は美しさがそれまでの季節とは一線を画し、特にオスは鼻が曲がり、神々しいほどの迫力を醸し出す。そんな魚と出会えるのは、禁漁直前のわずかな期間。全国の大鱒釣り師たちは、彼らに畏敬の念を込め、〝秋鱒〟と呼ぶ。

トラウト
  • 長野県 木曽川水系

大鱒釣り師・山岸大祐の9月週別の秋鱒攻略「1週間ごとに変化する9月の渓流」

ネイティブトラウトのエキスパートであり、国内でも指折りの大鱒釣り師と知られている山岸大祐氏。これまでほとんどメディア等で釣り方が紹介されていない“秋鱒(秋ヤマメ・秋アマゴ)釣り”は、情報が全く存在しない時代から狙い、多彩な経験を蓄積している。そんな彼に9月の攻略法について聞いてみた。

ちなみに、ヤマメ・アマゴは川の中で一生を過ごし繁殖期が近づくと遡上して産卵を行う「陸封型(河川残留型)」や、サケのように川で生まれ降海し産卵のタイミングで川を遡上する「降海型」など、棲む環境により様々なタイプが存在する。今回狙ったのは前述した陸封型、なのだが湖やリザーバーを海の代わりにして育ち、流入河川を遡上するタイプの「陸封型」を狙った。

山岸「秋鱒が狙えるのは主に9月。禁漁前のわずかなタイミングになります。この月は、数日単位でステージが変わりますが、ざっくりと1カ月を4つの週に分けて考えています。第1週目の釣りは、どこの釣り場でも夏をひきずった遡上前の個体を狙う事になるんですが、居る場所さえ特定できれば、ブラインドの釣りでヒット率が高いです」

山岸「それが第2週になってくると、湖沼にいた魚の多くが渓流に遡上して来ます。このタイミングですが、ルアーに反応しにくく、川の至る場所に散っているので、魚を探すのが難しいです」

「第3週は上手く川を歩けるようになると、オスが瀬尻などにふらっと姿を出して、メスを待っていたり、他のオスを追い払ったりしています。簡単ではないですが、サイトフィッシングで狙えるようになる時期ですね」

「これが第4週に入ってくると、オスとメスでペアリングする個体も見えはじめます。このような状態になったら、自分はそっとしておいて、狙わなくなりますね」

四半世紀と言う長い年月、“秋鱒”を狙い続けている山岸氏。獲物を狙う目は、まるで漁師の様だ。 ©釣りビジョン
今回使用したルアーカラーはこちらチャートのみ。9月に中旬は、ポイントに対し、アピールカラーのルアーをブラインドでキャストして魚の有無を判断する。 ©釣りビジョン
シーズン序盤はポイントでキャストをせず、1時間程、魚を探すこともある。 ©釣りビジョン
今回用意したルアー。9月下旬に撮影した後編では様々なをタイプを使用していた。 ©釣りビジョン

赤鬼(秋鱒)釣りのパイオニアが釣りビジョンVODに出演!!

釣りビジョンVODでは、謎に包まれている秋鱒釣りの動画配信が決定!!

この釣りのパイオニア、山岸大祐氏の釣行に密着し、渓の赤鬼とどのように対峙するのか、キャスト、アプロ―チ、ポイント選び等を紹介。アマゴの生息域である木曽川水系で、かつて目撃したと言う60cmクラスを狙う!!

こちらは山岸の釣り上げたいかつい表情のアマゴ。ヤマメと比べ、遡上の季節が早く、ルアーにも反応が良い。 ©釣りビジョン
秋色に色づいたアマゴ。体高があり、猛禽類を連想させるような厳つい風貌も特徴である。 ©釣りビジョン
“渓の赤鬼”とも呼ばれる“秋鱒”。こんな派手な色をしていても簡単に見つける事は出来ないのだが、番組では山岸の行動から多くのヒントが得られるはず。 ©釣りビジョン
産卵を意識した秋鱒の待機するヒラキ。人などのプレッシャーを感じると白泡などのシェードに身を隠すそうだ。 ©釣りビジョン

施設等関連情報

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

武笠 佳司 2000年釣りビジョンに入社。入社以降ルアー番組を中心に番組制作に携わる。好きな釣りはルアーのトラウトゲームとショアジギング、サーフヒラメ、バスフィッシング。現在の担当番組は「メタルバスター」「ソルトギャラリー」「トラウトギャラリー」「世界釣旅」など。

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