数は“ヘチ残り垢”のチビアユ!型は流心で“新垢”狙い!
釣行を心待ちにしていた友人達と桂川支流の葛野川へと向かう。道中濃い霧に包まれる中央道に一抹の不安を感じながらも午前6時に河原に到着。思ったよりも水は引いておらず、30cm高のまま。どこも流れは強い。そして河原には私達以外に釣り人無し。「ん~、こりゃど~なんだ?」。全員の頭を困惑が過ったはず。迷っていても仕方ない。皆、淡々と準備を進め、着替えを済ませた。
さてさて、上流に向かうか?下流に向かうか?それぞれが自分の勘を信じて、思い思いのポイントへと散った。
私が目を付けたのは、平水時にはポイントにならないような右岸ヘチのゆる~い流れだ。「もし私がアユだったなら…」。こんな激しい流れの時にはヘチに避難するだろうと、アユの気持ちになってみた(笑)。そのポイントに行くには川切り(川を渡る)をしなければならない。一歩足を踏み入れた時だった。サーっとアユが逃げるのが見えた。「お!アユいた」。単純な私のテンションは上がった。やはり流れの緩いヘチにアユは集まっているのだろうと確信した。ポイントに着くとピョンピョン、キラキラとアユらしき姿が確認出来た。「やっぱりここに居ましたね~」。
早速オトリをヘチへ誘導。コツコツ、反応あり!開始5分程で今年初の“葛野アユ”を手中へ。しかし、これが実に小さい!「ギリギリオトリになるかな?」といったサイズ。何とか鼻カンを通して足元から送り出すと、またしてもコツコツ!!ビンビンとアユの気配は感じるのであった。
良型アユは流れの中で新垢を探す!
この後も飽きない程度にアユは掛かってくれる。しかし、サイズアップは無し。10時を回った頃には、釣り人も続々と現れて川も賑やかになった。ふと後ろを振り返ると流心を攻める釣り人にアユが掛かった!しかも遠目でも分かる良型だった。この流れでは流れの芯は垢が飛んでしまっているものだと思っていた。ところが、後でこのアユを掛けた釣り人に話を聞くと、うっすらではあるが“新垢”が付き始めているとのことだった。
流れに耐えられぬチビアユはヘチへ。良型アユは流れの中で新垢を探し、縄張りをしっかり持っていたのだ。釣るポイントによってアユのサイズは明確な差が出た。数は“ヘチ残り垢”!型は流心の“新垢”である。
ポイント移動。宮古橋は右岸にチャンスあり!
お昼ご飯を機にスーパー裏から宮古橋ポイントへ移動。さすが人気ポイント。河原には多くの車が停まっていた。ここではサイズアップを期待していたが、朝からこのポイントで釣りをする釣り人によると、ここもどうやら型は小さいらしい。友人達は解禁日に好調だった橋上へ。私は駐車場前の右岸ヘチが気になり、陸からの釣りとなった。多くの釣り人が曳舟を漬けている場所を狙うのである。するとここでも幸先よくものの10分で4匹GET!確かに午前中のポイントと同様にサイズは小さいが、明らかに違ったのはアユの色だった。しっかり追星があり、小さいながらアタリも強かった。掛かった瞬間に水中で煌めく2匹のアユが目視出来た。「あ~この煌めきたまらん!」。この頃には水位もだいぶ下がり15cm高までになっていた。
段々と釣り下っていくが、右岸のヘチではどこも反応があり、気持ちの良いアタリで楽しませてくれた。左岸に立って右岸を狙う友人にも気持ちの良いアタリ!しかし、連日の増水の影響で枝などが水中にあり、根掛かりも多かった。根掛かりしてしまうとペースは落ち、掛からない修行の時間が続いてしまった。
そこで私はチビアユの油ビレにサカバリを打つことにした。すると、これが功を奏して根掛かりもなくなり、アユの掛かりも良くなった。また、チビアユ対策として鼻カンも5.5号、ハリは5.5~6.0号となるべくオトリアユの負担を少なくすることも心掛けた。こうして「あ~でもないこ~でもない」と考えながら釣りをする。とても楽しい時間だ。
宮古橋も瀬では良型。釣れるアユの傾向は同じ!
すっかり姿を見なかった友人達は、1人はすご~く上流へ。もう1人はすご~く下流へアユを求めて旅に出ていた。橋上、上流へ行った友人は「結構釣れたよ」。瀬もヘチも攻め、チビアユから良型アユまで様々なサイズのアユを持ち帰って来た。上流域は瀬を攻めると気持ち良いアタリの良型のアユが掛かったとの事だった。連発はなかなか無いものの、足で稼ぎこれだけのアユを釣ってくるのは流石である!
ヘチのチビアユちゃんに取りつかれ、あまり場所を移動しなかった自分に反省である(笑)。日も暮れ始め川もだいぶ空いて来た。そこで、友人と相方の30分一本勝負が始まった!
開始早々、相方痛恨の根掛かり~からの痛恨のゴミ釣り上げ(笑)。友人は丁寧に左岸を釣っているが反応が無いとのこと。一日中多くの釣り人が釣り歩いたポイントは厳しかった。今回はドロ~で終了。こんな楽しい時間も仲間がいるからこそ!とつくづく思うシーズンの始まりだった。
竿を仕舞っていると、最後の釣り人となったアニキが堰堤下の下流から帰って来た。釣れない時も釣る男!それがアニキである。技術を駆使し、足を使い、結局いつも最後には多くのアユを持ち帰って来る。
今回もアニキの曳舟には多くのアユが、しかも良型が多い。下流もやはり瀬で良型が掛かったとの事。引きも強くしっかり追ってきて掛かったと言う。良型のアユには追星もくっきり付いていた。これこそ「良いアユ」ってやつです!そしてこれこそ「アニキ」ってやつです(笑)。
30cm増水からのスタートになったこの日はどうなる事かと思ったが、さすが桂川水系である。皆30匹前後の釣果を上げることが出来た。
「チビアユ多数!新垢あり!」。これで大水が出なければ“XDAY”は近いはずだ。ここ暫くは目が離せない。チャンスデイを見逃さず、何処からともなくハリをひったくっていく、あの「真黄っきアユ」を堪能しよう!
施設等情報
施設等関連情報
おとり屋川沿いにあり 5:30~14:30(大月市七保町下和田)
*遊漁券購入可
「都橋ポイント」
オトリ店は宮古橋下河原にあり
*簡易トイレ有り
*遊漁券購入可
日釣り券2,500円(現場売り3,500円)
年券1万円(女性、80歳以上、肢体不自由者は5,000円)
解禁6月1日~11月末日 場所や支流によって漁期が違うのでHPで確認を。
「アクセス」
中央道大月インターから約10分 上野原インターから約30分
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。