藤沢移住が“育児休業”のきっかけを作ってくれた
――2008年、都内から神奈川県藤沢市に移住したそうですが、その理由は何だったのでしょう。
つるの:大きな意味では、子どもの頃から釣りが大好きでしたし、奥さんと出会ったのも『釣りビジョン』(スタイリストとして番組に参加)でしたし、やっぱり“釣り”がその理由の中心にはありましたね。当時、オフの日に家族でよく湘南の方に遊びに来ていたのですが、「将来、こういうところに住みたいよね」みたいなことを奥さんとよく話していても、都内からちょっと遠いから難しいかなと。ところが、うちの奥さん、不動産が大好きで、密かに物件をあちこち探していたんです。そしたら、狙っていた物件がちょうど空いて、「引っ越そう!」って突然持ち掛けられて。「じゃあ、思い切って行くか!」みたいな感じで(笑)、ほとんど勢いで引っ越しを決断しました。
――奥様主導だったんですね。でも、お仕事への支障はありませんでしたか?バラエティ番組から生まれた『羞恥心』の活動などで多忙を極めていた時期かと思いますが。
つるの:当時、仕事が凄く忙しかったので、都内にマンションを一部屋借りて、藤沢の家にはほとんど帰れなかったんですね。もう、家庭を顧みない生活をしていたのですが、結果、それが “2ヵ月間の育児休業”に繋がっていくことになるわけです。
――なるほど、藤沢移住を強行したおかげで、つるのさんの人生が一変したわけですね。
つるの:そうなんです。ゆっくり落ち着いて住んでみると、本当にいいところで。都内とは空気が違いますし、思ったほど遠くないんです。電車で言えば、1時間、ないし1時間半で行き来できる距離。その移動時間は一人になれますし、気持ちを整理することもできるので、逆に自分にとって有意義な時間になりましたね。オフの日は、海が目の前にあるので、釣りをしたり、サーフィンをしたり、とにかくとことん遊びまくります。でも、不思議なことに、心ゆくまで遊んでいると、逆に仕事をしたくなるんですよね。で、都内で一生懸命仕事をしていると、今度は藤沢に帰って遊びたくなる。このサイクルが凄く心地よくて、生活にリズムを与えてくれました。
――ふじさわ観光親善大使も務められているそうですが、どんな活動をされているのですか?
つるの:湘南藤沢のイメージアップを図るためにいろんな活動をしています。例えば、江の島にシーキャンドルという灯台があって、冬になるとLEDで綺麗にライトアップされるんですが、もう十年くらいになりますかね、毎年カウントダウン・ライブをやらせていただいています。あとは、『ブルーサンタ』という団体のビーチクリーン活動にも参加しています。ゴミ拾い活動ってすごく硬いイメージがあるんですが、ブルーサンタさんはお祭り的というか、エンターテイメント的な感じでやられているんですね。だから、湘南の海って、皆さんが思っている以上に綺麗なんですよ。天気が荒れた日の翌日なんかは、ゴミが溜まっていたりするんですが、海沿いに住まわれている皆さんは意識がとても高いので、ブルーサンタさんだけでなく、普段からいろんな団体の方々がゴミ拾いをされているので、本当に感心させられます。ただ、都心からゴミが流れてくると、どうしても湘南の海に流れ着いてしまうので、もっとクリーンにするためにも、都市部への啓蒙活動が必要だなと思っています。
■ガチの江の島シーバスと息子のための堤防フィッシングガイド
――そもそも、つるのさんが釣りを好きになったきっかけは何だったのですか?
つるの:小さい時からやっていましたが、大人になってからは20歳ぐらいの時ですね。番組のスタッフさんに誘われて、ブラックバスを釣りに河口湖に行ったんです。そしたら、一投目で45cmのバスが釣れたんですよ、バイブレーションで。以降、それ以上大きなバスを釣ったことはないんですが(笑)、「釣りってスゲー!面白い!」って勘違いしちゃったんです。それから足しげく通うようになりました。基本的にはルアーフィッシングが好き。今は自宅の目の前が海なのでシーバスを主に狙っています。
――どのくらいの頻度で釣りに行かれるのですか?
つるの:夜な夜なバイクでバックロットを持って狙いに行く、という感じですが、“釣れる潮回り”とかがあって無駄打ちしたくないので、頻度はあまり多くありません。江ノ島のシーバスは幻と呼ばれるほど難しいターゲットで、本当にいる時じゃないと釣れないんです。だから、本気の時は潮回りに合わせて日時を決め、狙って釣りにいくようにしています。ただ、一番下の息子も釣りが大好きなので、それとは別に堤防の小物釣りはしょっちゅう行っていますね。その時は僕、竿を持って行かないんですよ。自分が夢中になっちゃうんで(笑)。完全に子どもの付添人です。
――息子さんの釣り好きは、確実にお父さんの影響ですね。
つるの:最近は息子たちの方が釣りが好きすぎて、無理やり連れて行かれる感じですね(笑)。一番末の息子は、僕が好きなものに対して凄く興味があるみたいで、それがまた孫と遊んでいるみたいでかわいいんですよね。フグ一匹釣れただけで、「うわぁ釣れた、釣れた!見て!」って物凄いテンション上がりますし、息子が無邪気に喜ぶ姿は本当に見ていて楽しい。なんか嬉しくなるんですよね。キスなんか釣れた日には、大騒ぎしながら家に持って帰って天ぷらにして食べたり…一つひとつがいい思い出になっていますね。
――『タレントフィッシングカップ』も主催されて、つるのさんは人を巻き込む力が凄いですよね。
つるの:この大会も13年くらい続いていて、たくさん釣り仲間ができましたが、基本的に僕は一人が好きなんですよ。ただ、時々喜びを誰かと分かち合いたくなるというか、いつも一人で黙々とやっているけど、「みんなも好きだよね?」っていうのを確認したくなる時があって。それで釣り仲間と会ってみると、みんな同じテンションで話し始めて、「ああ、よかった。自分だけじゃなかった」って安心するわけです。
――最後に40代のうちにやっておきたい釣りの目標があれば教えてください。
つるの:メバルが大好きで、いつも26~27cmくらいのものは釣っていたんですが、6年かけてようやく尺(約30cm)の大物を釣り上げたので、一つ目標は達成しました。あとは、今度、番組で念願の小笠原諸島にも行くので、GT(ロウニンアジ)を釣ってみたいですね。ずっと行きたかったんですが、今までスケジュール的に難しくて…。それが今回、奇跡的にチャンスが巡ってきたので凄く楽しみにしています。
つるの剛士が釣りを楽しみながら、「50歳を前に思うこと」…。移住した湘南の海への思いを語る『つるの剛士、今日、ナニつるの?』(釣りビジョン)は7月9日(日)21時初回放送。(写真・文/坂田正樹)
【釣りよか。】とコラボ!「つるの剛士 今日、ナニつるの?」は2023年7月9日(日)21時より釣りビジョンVODにて配信開始!
「江の島フィッシングライフ」と題し、タレント・つるの剛士のスローなフィッシングライフに密着。移住するほど惚れ込んだ藤沢の海への想いを語る。
番組内では愛息との動画撮影釣行や、趣味の道具が詰まったガレージ、世界一楽しいゴミ拾いイベントに参加する様子も収録。さらにゲストにはあの人気釣り動画クリエイター「釣りよか。」のメンバーも登場するぞ!お楽しみに!
つるの剛士さん出演の「つるの剛士 今日、ナニつるの?」をcheck!
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