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千葉県・南房総のスルメイカがシーズンイン!!

2019年07月15日公開

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千葉県・南房総のスルメイカ釣りが開幕した。外房エリアのスルメイカは型も良く、シーズン最盛期には束(100杯)越えも珍しくはない。また乗合船の前半にコマセなしのサビキ釣りでの「追っかけアジ」でアジやサバも狙うのも面白い。江見港『長七丸』からシーズン開幕直後のスルメイカ釣りに出掛けた。

【この記事を書いたライター】山口 充

集合時間は午前3時30分

アクセスは東京湾アクアラインか湾岸線、又は東関東自動車道方面から館山自動車道に入り君津ICを降りて県道92号線から房総スカイライン、鴨川有料道路を経て国道128号線を江見方面へ。鴨川有料道路は今年4月下旬に無料化された。集合場所は港の駐車場。時間になるとそこから荷物を軽トラに乗せて船まで運んでくれる。集合時間は午前3時30分なので早めに着いて仮眠しておくと良いだろう。

イカヅノのセッティングがカギになる

イカヅノのサイズ、セッティングがカギになる。ツノの繋ぎ方には直結とブランコが有るが、このエリアはサバなどが多いので直結仕掛けが有利。更に18cmが基本で、捕食している魚のサイズの影響か、小型のスルメイカも18cmに乗る事が多い。押さえで14cmも用意して14~18cm直結、カンナはシングルがこのエリアのシステム。オモリは150号。水中ライトの効果も高いのが特徴。また、アジやサバを狙うサビキ釣りは、タックルとオモリはイカの物を使うので、仕掛けを船宿で購入するだけで良い。

 

午前4時に出船、まずはアジから

今回は7人の乗船者と午前4時に繁田浩行船長の操船で出船。「最初にアジ狙っていきますからね」と船長。各自サビキ仕掛けを装着する。船はゆっくりと進み航程30分程で釣り場に到着。水深は100m前後だが魚探反応は上にある様子。スタート直後から竿がガタガタと揺れてヒット。上がって来るのは30~35cm級のアジ。時折40cmクラスも掛かって来る。それが多点掛けともなれば“ビッグファイト”。常連の根岸さんは、初心者の友人に操作等をレクチャー。このエリアのブランドサバも次々に釣り上げていた。1時間程入れ食いを楽しんでスルメイカ釣りに向かった。3日前には束釣り(100杯以上)を記録しただけに期待したが、各船がバラバラの状態。大きい群れが見つかれば大船団が形成されるはずだ。

シケ、大雨続きの影響が…

船長から合図が出てスタート。一斉に投入器からイカヅノが飛び出していく。水深は160m前後。この釣りでは、上からのタナが指示される事が多い。例えば「100前後から下の方」と言った具合。スルメイカの場合、ヤリイカ釣りとは違い活性が高い場合に反応が上の方に広く出る。仕掛けが落下中、底に着く前に止められる事が有ればスルメイカ。反応の幅が広いので次々にツノに乗り、誘いながら上げて来ると多点掛けになる。左舷ミヨシ(船首)の北原さんにスルメイカがヒット。単発だったが無事1杯目を取り込む。右舷大ドモ(船尾)のベテランもスルメイカをキャッチ。「ほぼ底で乗った感じで厳しいですね」と北原さん。レクチャーしながらヒットさせた根岸さんも、「今日は厳しいかもですよ」との事。出船前に大雨の影響で潮が濁ってた事が気になって居た様だ。しかし、船が流し直される毎にスルメイカが乗る。という事は、イカが居るのは確実だが、やはり水色の影響が大きいのだろう。こうなると陽が完璧に上がった時がチャンスと考えた。しかし、ここ数日の曇り空でそのチャンスも一瞬かもしれない、この部分もどれだけ引き出しが有るかというテクニックが試される部分だ。移動を繰り返したが、水色の濁りは思った以上に影響が有り、表層には流れ藻等もある状況。そんな中、船長がピンポイントで合図を出し、ダブルで上がる場面も見られる様になった。根岸さんがトリプル、北原さんもダブルで上げ、右舷大ドモの福西さんもダブルで釣り上げた。根岸さん、北原さんに状況を聞くと、「ヒットする層が狭く多点掛けが難しい状況で、ツノ数を多くしているから乗るけど厳しいね」との事。

一瞬活性が上がった!

暫くすると船団が固まり始めた。すると「来たよ!今日一番だ」と北原さん。今まで見なかった竿の曲がり。巻き終わりキーパーにロッドを付けて取り込み開始。ここからがイカ釣りの醍醐味だ。1、2、3…と次々に水柱を上げながらスルメイカが取り込まれて行く。反対側に居た根岸さんも「来た来たっ!」と巻き上げ開始。北原さんは7点掛け。根岸さんは9点掛け、左舷大ドモのベテランは5点掛け2回。「こうでなきゃね」と北原さん。数回この様な展開になり、「山口さんも早く釣りなよ」と言って頂いたが、この後も続くと思いラスト1時間になってから投入した。しかし、その頃には再び厳しい展開になり、触るものの上手く上がって来ない。渋い状況であると判断して仕掛けをツノサイズ14cm直結にした。ここに落とし穴があった。他の方々は18cm直結。水色が悪くツノが見えていない事、捕食している魚のサイズが大きいという事も有って14cmのツノには乗り辛い状況だった。更に皆さん水中ライトを装備していてアピール力をアップしていた。残念ながら手持ちが無かったが、根岸さんが「これ使って」と水中ライトを貸してくれた途端乗った。「サバが多いと確かに寄せてしまうのですが、このエリア、水中ライトが結構有効なんですよ」と教えてくれた。更に状況が厳しくなったので、14cmブランコに変更。最後の流しでヒット。潮と水色とのマッチング。本日も勉強になった所で沖上がりの時間を迎えた。お約束の船上干しを見ながら帰港。それでもトップは31杯。「スタートしたばかりですが、天気が安定すれば良いようですよ」と船長。間もなく電動リールが止まる位の多点掛けが楽しめるようになるはずだ。

今回利用した釣り船

千葉県 江見港 『長七丸』
〒299-2842 鴨川市江見青木27-3
TEL:04-7096-0474
定休日:第3土曜日 釣果・施設情報 長七丸 ホームページ

出船データ

スルメイカ乗合船
乗船料金:1万円(氷付き)
集合:3:30
出船:4:00(季節によって変動あり)
定休日:第3土曜日・1月1日~4日
貸し道具あり/宿泊施設無料
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

山口 充
プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。
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