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千葉県・長浦発、テンヤ・タチウオ、“ドラゴン級”連発!!

2021年09月15日公開

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「大物を釣りたいならコレ!」と、東京湾に大旋風を巻き起こした“テンヤタチウオ”。今シーズンも130cm超えの通称“ドラゴン級”が上がっていると聴き付け、千葉県は長浦から出船するタチウオの名店『こなや丸』に出掛けた。

今年も大人気の“テンヤ・タチウオ”

『こなや丸』は、出船30分前の午前5時30分までに『こなや釣船店』でチェックインする。4時30分には開店するので、店先の「乗船順位プレート」から番号札を取り、手指の消毒をして「受付表(乗船カード)」に記入。それを持って店の奥にあるレジで受け付けを行う。乗船料と駐車代を支払って、乗船札とダッシュボードに掲出する駐車証を受け取る。テンヤタチウオ用に加工された冷凍イワシや、船宿お薦めのタチウオテンヤもここで購入出来るので、初めてのテンヤ釣りチャレンジでも安心だ。また、船着場までの案内図を貰えるので、初めての乗船でも心配なし。ペットボトル氷が入口脇の冷凍庫にあるので持って出るのを忘れずに。船着場では船宿スタッフが駐車場所を案内してくれる。荷物を降ろし、船の前に置いて待っていると、乗船の案内が始まる。先ずはロッドだけ持って番号順に乗船し、釣り座の確保。全員の席が決まってから、バケツリレー式にクーラーなど大きな荷物の積み込みとなる。こうして滞りなく出船準備は整い、定刻の午前6時に「第17こなや丸」は出船した。

「テンヤ・タチウオ」とは…?

関西発祥の「テンヤタチウオ」。馴染みのない方向けにざっくり解説しよう。鉛やタングステンのオモリを鋳込んだ大ぶりなテンヤバリに、餌として冷凍イワシ等を針金で縛り付ける「タチウオテンヤ」。これを細い道糸を用いた“ライトタックル”で繊細に誘いながら、アタリを取って掛けていくゲーム性の高い釣り。かつては大阪湾で盛んな釣法だったが、昨年あたりから東京湾でもその人気に火が点き、乗合船でもテンビン仕掛けやジギングと並んで楽しめるようになりつつある。『こなや丸』では、昨年からジギングとテンヤの日を分けて出船していたが、今シーズンは船首側にジギング、船尾側にテンヤと相乗りで出船。ジグとテンヤのオマツリはほぼ無く、それぞれの特徴を活かしながら共存している。

 

“F4”、“F5”サイズは当たり前の良型ラッシュ!

雨の中、ややウネリのある海を走ること1時間程で富津沖の水深15m前後の釣り場に到着。「ここで数を釣って貰って……」という進藤船長の計らいだったが、思ったほどの反応を得られず早々に切り上げ、船団の築かれた走水沖へ。「ではやってみましょう、どうぞ!」の合図で投入。水深は65m、濃い反応は水深58mから54mとのこと。間もなく竿を曲げたのはミヨシ(船首)のルアーマンだった。取り込まれたのはサワラ。タイミングを同じくして左舷胴の間(中央)でテンヤの釣りをしていた佐野さん(金沢八景『太田屋』船長)にもヒット、取り込まれたのは“指4本”サイズのタチウオだった。かくして、手の合う釣り人から竿が曲がり、“指4~5本”サイズのタチウオが取り込まれた。

遂に来た、“ドラゴン級”の時合到来!

食いも落ち着き、船団の午前船から「お疲れさまでした」のアナウンスが聞こえる頃、ミヨシのルアーマンに120cmと130cmの良型が立て続けにヒットした。これを皮切りに、120cm前後の抱卵した良型があちらこちらの釣り座で取り込まれる良型の“時合”が到来。これまで苦戦していた釣り人にもヒット、テンヤ釣りのダイレクトで豪快な釣り味を楽しんだ。

【動画】こなや丸・千葉県長浦港・テンヤタチウオ

船長に訊く、テンヤ・タチウオの楽しみ方

テンヤ・タチウオのコツを進藤通孝船長に訊いた。「初めての人は、なるべく何回かやってる人の近くでやるようにした方が。釣り方もそうなんですが、タナの取り方が重要なんで。YouTubeもイイんですけど、その人の釣り方しか載ってない場合もありますから、なるべく同船したテンヤをやる人の近くへ行って、情報交換をしながら釣るのが無難かと思います」とのこと。これは全く同感で、東京湾と大阪湾では異なる傾向もまま有り、教えたがりの中級者より同船した現場で釣れている人の方が正解に近いのは自明の理だ。「自分のリールの糸の色を見ながら、何m出てるかを把握しながら、テンヤの位置をある程度イメージしてた方が良いですよね。解らなくなっちゃったら、着底からゆっくりゆっくり巻いて来て、コツンでもアタった所(水深)を集中的に狙う。地道にやんなきゃいけないんですよ。簡単だったのは去年だけで、これが本来の姿だと思っています。自分で探して、探って探って『このタナで食ったのか』って楽しみ方があると思う」と船長。“何匹釣れた”“何cmの魚が出た”だけではない、タチウオ釣りの奥深さが、ファンを魅了するテンヤ・タチウオの醍醐味なのだと実感した。

“テンタチ”入門の好機は今!
かくして、竿入れから快調にアタリを出した佐野さんが16匹でこの日の竿頭。数こそ夏のタチウオ釣りに比べれば控えめに見えるが、今シーズンは、この時期から良型揃い。“ツ抜け”ればクーラーが満タンになる勢いだ。1mを超えると格段に食味がアップする東京湾のタチウオ。脂が乗ったトロトロ食感の極上の美味を、刺し身や塩焼きは勿論、蒲焼きにムニエルに鍋物にと様々な料理で味わいたい。防寒着ナシで良型のタチウオをじっくり楽しめるのは今がチャンス。充分な感染予防対策とちょっと多めの水分を持って、豊穣の東京湾をお楽しみ頂きたい。

今回利用した釣り船

千葉県長浦 『こなや丸』
〒299-0265 千葉県袖ケ浦市長浦拓1-1-111
TEL:0438-62-2707
定休日:毎週火曜日 釣果・施設情報 こなや丸 ホームページ

出船データ

ルアータチウオ乗合
集合時間:午前5時30分までに『こなや釣船店』へ
出船時間:午前6時
乗船料金:9,500円(氷付き)※餌別
(女性:7,500円/小学生以下:4,700円/乗船3名以下の場合は1名1万円)
     
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この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込むツリキチ。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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