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兵庫県・播磨灘のアオリイカ、”ティップランエギング”好調!

2021年10月15日公開

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絶好の釣りシーズン到来。狙える魚種も多彩な秋は、ターゲット選びにも一苦労。その中、釣って楽しい、食べて美味しいアオリイカは人気のターゲット。気になる今年の状況を確認に兵庫県相生港に拠点を置く『S−style』へ出掛けた。

バージョンアップ!

2021年、『Fisherman Dreams DI』から生まれ変わった『S-style』(エス・スタイル)。「バージョンアップしました!」と語る岡田真太郎船長は、近畿大学農学部水産学科漁業生産システム研究室でマグロ類の視覚研究を行なっていたというスペシャリスト。そんな船長だが、根は釣り人。乗船場所であるペーロン城裏の桟橋では釣り人に交じって釣り談義。午前6時、出船した。

2隻の船を使い分け

『S-style』では、2隻の船を使い分けしている。この日は2号艇。1号艇はカジキ釣りまでこなす船に対し、2号艇は仕掛けの操作をしやすいフラット形状。波の穏やかな播磨灘でのティップランエギングでは2号艇が断然有利だ。この日は常連7人がティップランエギングを楽しんだが、うち1人は小学生の女の子で、ティップラン初挑戦。まさにベテランからビギナーまでが楽しめるのがティップランだ。この日は快晴、ベタナギ。綺麗な朝日を拝みながら30分程でポイント到着。まずは水深10~15mの浅い場所を攻めるようだ。

“トンカツ”サイズ
この日の海水温は24.7度。秋のアオリイカは、ひと潮(約半月)ごとに大きくなるのが特徴。エギのサイズは3~3.5号。ウェイトは20~30gが基本だ。開始早々、右舷胴の間(中央)の釣り人がアオリイカをキャッチ。サイズはトンカツよりやや小さいヒレカツといったところ。食べて美味しいヤツだ。釣ったイカはすぐに締め、ジッパー袋へ。周りもヤル気スイッチが入る。今度は左舷トモ(船尾)の釣り人が同サイズをキャッチ。隣にいた娘さんも間近で見る生きたアオリイカに興味津々。さらに連続ヒットのお父さん。動画を撮り、写真を撮っているその時だった。隣の娘さんに「ヒット!」の声。慎重なやりとりで上がってきたアオリイカは触腕1本がエギに掛かっている。そこへお父さんがリーダーを掴んで無事キャッチ。ティップラン初挑戦で初釣果とは大したものだ。

 

潮が変わってラン&ガン!

周りでもアオリイカが釣れ出し、順調になって来たのも束の間…潮の流れが止まった。船長は移動のアナウンス。移動時の風が心地良い。到着したポイントの水深は30m。潮にもよるが、ビギナーでも水深30mなら大丈夫だろう。基本的に水深の浅い播磨灘では、潮の速い時も珍しくない。そんな時はウェイトにも注意したいが、迷った時は船長に相談しよう。潮の状態とエギのウェイト、使っている竿の調子も踏まえた適切なアドバイスがもらえるはずだ。この日は常連での出船だった為、釣り人は手慣れた感じでエギをローテーションしていた。船長もラン&ガンスタイルに切り替え、水深の異なるポイントを効率良く狙いながらアオリイカを拾っていった。

誘いとステイと底取り

釣れない時間が発生するのは良くある事だが、この日もあった。この状況を変えるゲームチェンジャーは誰なのか。そんなことを思いながら休憩を取っていたのだが、ゲームチェンジャーになったのは小学生の女の子。これには周りも驚きだったが、慣れないながらもキッチリと底を取り、糸フケを取ったら誘いを入れてしっかりとステイ。釣れない時もこの動作を続けていたのだが、当然見よう見まね。さらに驚いたのは、沖上がりする直前には軽いアンダーキャストも。多少のコツも掴んだようで、かなりの成長を見せていた。それを見ていたかどうかは不明だが、直後にお父さん、さらには隣の釣り人が連続ヒット。再び周りも活気付き、全員が最後まで穂先に集中する事が出来た。また、右舷トモの釣り人は釣ったイカを締めた後に墨袋を除去していた。フォーセップを使った墨袋の除去は今に始まった事ではないらしいが、初めて目にした私は目からウロコだった。

【動画】S-style・兵庫県相生・アオリイカ

これからはサイズアップ!

ラン&ガンスタイルではサイズや数にムラも出たが、播磨灘の“秋イカ”シーズンは、11月一杯までと短い。それ故にシーズン終盤には1kg級も飛び出すのだが、ラン&ガンスタイルで得たデータはシーズン終盤での1kgアップゲットに繋がる。データ分析と状況判断は船長の得意分野といったところ。この日は取材という事で大胆な冒険はしなかったものの、その年毎のホットスポットを探す努力は怠らない。また、現在は道の駅に併設している桟橋から出船しているのだが、道の駅では入浴が可能。暑くて汗まみれになった後は勿論、雨に打たれた時は風邪予防にも重宝するだろう。阪神地区からも近く、のんびり、気軽に狙える秋のティップランエギングは気分転換にも最適。この秋お勧めだ。

今回利用した釣り船

兵庫県相生・白龍城 『遊漁船 S-style』
〒678-0023 兵庫県相生市那波南本町8-55 道の駅・海の駅 あいおい白龍城
TEL:090-6906-5781
定休日:なし 釣果・施設情報 遊漁船 S-styleホームページ

出船データ

(料金・アオリイカ)乗合船は9,000円~
(交通)兵庫県相生市那波南本町8-55(道の駅あいおい白龍城 桟橋より出船)
(定休日)不定休
     
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