釣りビジョン

東京都青梅市・入間川の支流・成木川 毛バリでオイカワ釣り!

2022年05月17日公開

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清流に銀鱗がきらめいた!穀雨が過ぎ、水はぬるみ、瀬音も軽やか。淵で低水温期をやり過ごしたオイカワ(ヤマベ)たちが、瀬に出て泳ぎ出す季節がやって来た。オイカワフリークにとって好機到来だ。4月下旬、埼玉県境に近い東京都青梅市の成木川へ仲間と出掛けた。

ロケーション抜群の成木川でオイカワ釣り

青梅市・富岡地区の成木川がこの日の釣り場。このあたりの成木川は、田畑の脇をゆるゆると下る清流で、後背の丘陵とともに長閑な里山風景を作り出している。流れにはオイカワ、カワムツ、コイなどが生息する。オイカワ釣りは、気心の知れた仲間とワイワイやるのがいい。同行者はフライフィッシングを愛好する竹下さんだ。浅瀬でキラリと光るオイカワを横眼に、仕掛けを竿に装着する。

竹下さんのタックルは、7ft半 のフライロッドに3番ライン。私はテンカラのタックルを用意した。竿は渓流釣りのほか、今回のような雑魚釣りにも使えるようにと、新調した2.6mのショートロッド。ラインはレベルライン4m。数日前の降雨で水量が幾分増しているが、透明度は高い。「いい釣りができそうだ。頼むよ。ニューロッド!」。

まずは♯14のフライにグッドサイズ!

テンカラ仕掛けでオイカワやカワムツを釣る際に多用する毛バリは、ハックルを黒にして、ボディに茶色のダビング材、またはピーコックを巻いた16番。これに、増水時はアピール度を高め、さらに重量を増やすためのビーズが付いたビーズヘッドパターンを使う。2本とも全幅の信頼を置く、我が“必殺”毛バリだ。

瀬尻をダウンクロスで流した何投目かで、待望の1匹目がヒット。その後、コツン、コツン、ググッとアタリが続く。小さいのだろう、フッキングしない。そうこうしていると、下流に陣取っていた竹下さんが「出たよ!デカイ!」。見ると、ロッドの先端が弧を描いている。竹下さんはドライフライに徹し、しかも、毛バリはオイカワ釣りのフライでは、あまり使われないような14番という大きさだ。

リリースしたのも束の間、再び大型をかけて「楽しいよ!」。開きを重点的に探って奏功したのだろうか。マスクの下の口角は上がりっ放しだろう。先を越された。頑張るぞ!

 

オイカワを狙うか、カワムツを狙うか…

カワムツとオイカワは棲み分けをしている。流れが遅く、深みや頭上に障害物がある岸寄りなどはカワムツ、反対に瀬を狙うとオイカワだ。この習性に則って毛バリを落とすポイントを変えると、“狙い釣り”が可能になる。

テンカラ毛バリを斜め下流に流し、ラインが伸び切ったところでガツンと衝撃。逆引きして、再び良型オイカワだ。次に、土手の草が水面に張り出している岸寄りに毛バリをポトンと落とすと、川底から一直線に魚が浮上してきてバシャン。カワムツは体高があるので、引きは鈍重だ。グングンとラインを引っ張って抵抗しながら寄ってきたのは、もう暫くすると“追星”を作り、婚姻色に染まるであろうオスのオイカワだった。パラダイスのような清流に時を忘れた。

的確な入漁券購入を忘れずに!

今回狙ったのは、飯能市と青梅市の行政界に架かる両郡橋と、上流末成橋の間。この区間の成木川は、飯能市の『入間漁協』と青梅市の『奥多摩漁協』の共同漁場となっていて、『入間漁協』発行の入漁券が有効だ。料金は日釣り券400円。一方、『奥多摩漁協』は、成木川での釣りが可能な範囲を末成橋から上流と定めており、こちらを釣る場合は日券1,500円(ニジマス、ヤマメ、アユ釣り含む)が必要となる。この成木川の共同漁場は、特に自然景観に優れ、河川もオイカワが好む浅瀬が続くなど、オイカワフリークにはたまらないフィールド。気温上昇とともにオイカワの活性は、さらに高まるだろう。

施設等情報

■入間川支流成木川
〒198-0002 東京都青梅市富岡1、横手商店先(同商店横を道なりに進み、最初の小さな十字路を右折した右手が成木川)

■入間漁業協同組合
〒357-0046 埼玉県飯能市阿須343-1(飯能市林業センター内)
TEL: 042-973-2389
入間漁業協同組合ホームページ■奥多摩漁業協同組合
〒198-0174 東京都青梅市御岳2-333
TEL: 0428-78-8393
奥多摩漁業協同組合ホームページ

施設等関連情報

車:首都圏中央連絡自動車道・青梅ICから都道44号瑞穂富岡線、都道・県道28号青梅飯能線で飯能方面へ。飯能市に隣接する青梅市富岡地内で都道・県道28号と都道・県道195号富岡入間線が交わる「岩井堂交差点」を左折し、最初に現れる小さな十字路を右折すると、釣り場
     
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この記事を書いたライター

小島 満也
雑誌「北の釣り」東京支局を経て、埼玉県西部地方の地域紙「日刊文化新聞」の記者。文化新聞定年退職後は同紙及び釣具の業界紙「釣具新聞」に記事執筆。還暦過ぎても釣欲が衰える気配なし。テンカラを愛好。
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