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和歌山県・南紀。“ヤエン”釣りのメッカで大型アオリイカを狙う!!

2023年04月11日公開

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春は大型アオリイカが釣れる時季。私の住む和歌山県南部は大型アオリイカの“聖地”であり“ヤエン”釣り発祥の地でもある。“エギング”に注目されがちなアオリイカ釣りだが、今回は特殊な“ヤエン”という釣り具を使って春の大型アオリイカを狙ってみた。

【この記事を書いたライター】芝 毅誠

“ヤエン”釣りは「時合」と「段取り」が大切

どんな釣りにも言えることだが、アオリイカ釣りは特に「時合」が重要だ。しかし、その「時合」に狙いを定めてエントリーすると、人気のある場所だとポイントに入ることが出来ない。というわけで、今回は少し早めの夕方にポイントに入る事にした。
まずは、釣り場に向かう道中で釣り具店に寄り、“ヤエン”釣りに欠かせない活アジを購入する。因みに活かしバケツは必須だ。この釣りはアジの活きのよさとポイント選定が、釣果に大きく影響する。

“ヤエン”釣りとは?

餌になる活アジの尾ビレに近い“ゼイゴ”と呼ばれる部位にハリを掛けて海に投入する。アジを襲ったアオリイカは、まずアジの首元に噛みつきアジを締める。その後に、頭を食べ、ゆっくりと美味い内臓や身を食べるのだ。まだイカがアジの頭しか、かじっていない段階で寄せようとすると、イカは違和感を持ち、アジを離してしまう。だが、内臓を食べ始めるとイカは夢中になり、ちょっとやそっとの違和感ではアジを離さなくなる。だから、ゼイゴの部分にハリを掛け、違和感なく食べて貰うのだ。その後に“ヤエン”が届く距離まで寄せてくる。“ヤエン”はアオリイカを釣るための“ハリ”で、クリップ状の部分がある。イカを“ヤエン”が届く距離まで無事寄せてくる事が出来れば、道糸に“ヤエン”のクリップを通して、ロープウェイのように滑らせてイカの元へと送り届ける。これが「“ヤエン”をイカに引っかけて仕留める」という釣り方だ。

 

イカとのやり取りが最高に面白い!

ここまでの内容でご理解頂けたと思うが、ハリに掛かっていないイカを寄せて来るのが“ヤエン”釣りだ。ハリに掛かっていないイカをどのように寄せるか、この寄せ方がとても重要。強引に寄せてくると、いくらアジに夢中になっていてもアジを離してしまう。逆にモタモタしていると、イカにアジを食べ切られてしまう。そこで重要になって来るのは、最初のアタリの後、イカがアジをどの位食べているかを想像する事。大型ほど食べるのが速く小型ほど遅い。最初のアタリの出方から想像して、イカを寄せ始めるタイミングを待つ。それがこの釣りの肝になる。
この日も日没直後にアタリが来た!ドラグを使いながらイカに違和感を与えないように見守る。そして、ドラグが止まった段階でアジの頭が落とされたと判断。ゆっくりとイカを寄せ始める。少しばかり抵抗はするもののイカはアジを離さない。これはアジに夢中になっていると判断して少しだけ強引に寄せる。イカを20m付近まで寄せる事が出来れば、この時が“ヤエン”を投入するタイミングだ。この瞬間が一番ドキドキする。道糸をたるませると“ヤエン”は滑らず、糸に絡まったりする。イカの重みを感じながら、道糸を竿先から手繰り寄せ、テンションを保ったまま“ヤエン”を掛けた。そして滑らせていく。“ヤエン”がイカまで届いているかはまだ分からない。慎重に寄せて来る。すると強烈な引き!!“ヤエン”がイカに掛かったのだ。ここからはテンションかかけ続けながら一気に寄せる。上がって来たのは1.5kgのアオリイカだった。

やればハマる楽しい“ヤエン”釣り。アタリの多さを実感

“エギング”をやっていた人たちが、“ヤエン”釣りを見てまず驚くのがアタリの多さだろう。活きアジを使用している分アタリが多い。しかし、釣り上げるのは非常に難しい。全ての「段取り」を上手く熟していかないと釣り上げる事が出来ない。“ヤエン”釣りは段階を一つ一つ熟していく感じがとても楽しい。

施設等情報

和歌山県西牟婁郡白浜町

施設等関連情報

車: 紀勢自動車道・白浜IC・日置川IC
     
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この記事を書いたライター

芝 毅誠
2021年に北海道から和歌山県に移住。和歌山県紀南地方をメインにルアーフィッシングを楽しむ。主にショアからの釣りが中心で、ライトゲームからショアジギングまで幅広く釣行。特に青物やヒラスズキを狙ったロックショアを得意とする。ライトゲームはチニングやアジング、エギング、ロックフィッシュなど。さらに、渓流トラウトも。紀南地方の旬の釣果情報を皆様に発信していきたい。
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