釣りビジョン

2012.11.15号

松大丸・千葉県千倉白間津
千葉県・南房、白浜沖のオニカサゴ好調な滑り出し!

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真冬の釣り物の代表格として定着しているオニカサゴ。食べては最高に美味であり、家族からリクエストされる事の多い釣り物でもある。この秋は、千葉県・南房エリアで安定した釣果が続いており5日、白間津港『松大丸』では0.8~1.5kgの良・大型ばかりを2~7尾と好釣果を記録した。「この状況なら私にも・・・」と、とらぬ狸のなんとやら。シケの合間の9日に出掛けた。

“特餌”は新鮮なサバの切り身!

船宿によっても異なるが、南房エリアでは朝一にフラッシャーサビキでサバを釣り、それを餌にオニカサゴを狙うという“流れ”がある。「新鮮なサバが一番喰いがいい」と話すのは『松大丸』山口一夫船長。オニカサゴの“特餌”として様々なモノが持ち込まれているが、結局、新鮮なサバが一番の“特餌”になると言う。この日も白浜沖水深120mでサバは面白い様に釣れた。時には海面から20mでガクガクと竿先が震え出し、リールを巻くとかなりの重量感。10本バリのサビキに7、8尾のゴマサバが掛かっている。これを4、5回繰り返した所でカサゴ狙いが告げられた。また、このサビキ釣りはアジやムツなど“美味しいお土産釣り”になる事も多く、これからは脂の乗った絶品の“大サバ”が釣れる時期に入るので血抜きをして大事に持ち帰る事をお勧めしたい。

仕掛け図
サバ釣り用のフラッシャーサビキ
付け餌はサバの切り身

キビナゴ
ヒイカ

オニカサゴ狙いスタート!カンコ、イシナギ、メダイも!

ベタナギの水平線に朝日が昇り、いよいよオニカサゴ釣りがスタート。私はサバの短冊を3本バリにセットして投入。水深は125m、砂地に根が点在する地形を流して行く。置き竿のまま何度か底を取り直していると竿先に明確なアタリ。この日、同乗していた知人の倉形金幸さんに巻き上げを任せて撮影開始。水深50mを切っても竿先を叩いて抵抗を見せるのは“本命”の証か。水圧変化に強いオニカサゴは浮き袋が膨らんで水面に浮かび上がる魚ではない。当然、海面でバラしてしまえば海中に潜って行く為、タモ取りは慎重に行いたい。「よし上がるよ」。電動リールが止まり、倉形さんが声を掛ける。海面に目をやると30cmオーバーのオニカサゴである。「竿と竿掛けが良かったね」と倉形さんが笑った。1流し目はこれだけだったが2流し目に大きな盛り上がりがあった。右舷大ドモ(船尾)で30cmオーバーの“本命”が取り込まれると、船内では良型の沖メバルが立て続けに上がり、右舷ミヨシ(船首)では2kg級のカンコ、その隣りの胴の間(中央)では派手に竿が叩かれて2kg級のイシナギが浮上した。直後に私も2kgオーバーのイシナギをキャッチ。さらに左舷大ドモ(船尾)では、同行の飯妻武夫さんがビッグファイトの真っ最中。ドラグを滑らせてのやりとりは大物を期待させる。「凄い強いよ、何だろうなぁ」。そう呟きながら危なげない竿捌きで確実に魚との距離を詰めて行く。数分後、重量感たっぷりのファイトの末に上がって来たのは4kg近いメダイだった。飯妻さんは、この後もう一回り大きなメダイも追釣した。「今までオニカサゴやっていて1、2回」と山口船長が言う程『松大丸』では、メダイやイシナギは珍しいとの事。しかし、残念だったのは倉形さんに来た大きなアタリだった。巻き上げ途中で軽くなり、仕掛けを確認した所ハリが折られていた。私もイシナギを釣った際に1本のハリスが切られていたので、どちらもイシナギかメダイの仕業ではないかと思われる。兎に角この流し、船内はかなり忙しかった。

船中第1号は30cmオーバー
第2号は右舷大ドモ
大型オキメバルも交じった
派手に竿を叩いたのはイシナギだった
4~5kg級メダイを2尾釣った飯妻さん

定まらない潮向きに苦戦するも、良・大型サイズが浮上!

「いいですよ、水深150m」。アタリが遠のくと山口船長は船を沖に出した。しかし二枚潮の為か船内のあちらこちらで“オマツリ”、根掛かりが頻発する。こんな時文句を言う者が誰もいないのが『松大丸』いのいい所。すぐに船長が飛んで来て解いてくれるのは有り難い。このポイントではトラブルも多かったが、流しかえる度にポツリポツリと“本命”が上がった。それも殆どが1kg前後から1.5kg級の良・大型サイズである。

結局、沖上がりの11時30分までポイントを転々とし、トップ4尾が2人。残念ながらオデコ(ゼロ)が1人出てしまったが、それでもメダイやカンコなどでお土産は十分である。山口船長としては今一つという感じだったが、潮具合さえ良ければ更に期待できそうな魚影である。今シーズンも家族からのリクエストが続きそうだ。

2kg級カンコと1kg級のオニカサゴ
飯妻さんにも1kgオーバーのカンコ
倉形さんの1kg級オニカサゴ

鬼!鬼!鬼!

絶品オニカサゴ!お造り、シャブシャブ、味噌仕立て鍋に舌鼓

オニカサゴの姿造り
『松大丸』では、白間津港の近くに食事処を経営している。釣りの後は昼定食のサービスがあり大好評(1月~3月は、花のお土産付き)。今回は特別に料理をお願いした。つい30分前まで生きていたオニカサゴの刺し身は透明感抜群で、弾力と甘味は伊勢海老の様でもある。次に、この弾力感溢れる身をシャブシャブにしておろしポン酢で頂くと、幾らでも食べられそうな程美味だった。そして最後は頭とアラを味噌仕立ての鍋で食べ尽くした。この模様を釣りビジョン「大漁!関東沖釣り爆釣会」の先生役として活躍する飯妻武夫さんと倉形金幸さんにリポートしてもらった。2人が何度も口にした言葉は「本当に釣りに来て良かった」であった。

オニカサゴの味噌仕立て鍋
食事処『松大丸』
ヒレ酒用に干してもいい

(津端 雄大)
(撮影:兵頭 誠司)

今回利用した釣り船
千葉県・南房白真津港『松大丸』
TEL:0470-43-8044(釣りの予約)
TEL:0470-43-1011(お食事処『松大丸』)
詳細情報(釣りビジョン)
松大丸ホームページ
出船データ
オニカサゴ予約乗合 ※集合時間は予約時に確認
氷付き1万円
ヒラメ五目、ヤリ・スルメイカ乗合も(予約受付順に釣り物が決定)
12月一杯までマダイにも出船
1度目の乗船で割引券を配布します(女性割引あり)
(午前5時30分~6時出船、11時30分~正午沖上がり)
投入器無料貸し出し
貸し道具無料(電動リールのセットは2000円)
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