釣りビジョン
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2013.6.1号

南伊豆忠兵衛丸・静岡県南伊豆手石港
マグロ跳ねる絶海の弧島・イナンバでキハダを狙う!

ザワザワと蠢く海面、ただならぬ気配。そして、黄色い背ビレが見えたと思った瞬間、黒いミサイルのような魚体(推定20kg前後のキハダマグロ)が次々と飛び跳ねた。“マグロが跳ぶ”とは聞いていたが、ビックリ仰天の光景だ!場所は伊豆諸島・イナンバ沖。5月23日、静岡県・南伊豆手石港『南伊豆忠兵衛丸』からキハダマグロを狙うジギング船に乗った。

絶海の弧島・イナンバ!

静岡県・下田港から南へ約110km、御蔵島の南西45kmに位置する“イナンバ”。見渡す限り水平線に突如として高さ75mの巨岩が聳え立つ事から“絶海の弧島”とも呼ばれている。イナンバには、黒潮本流が直接当たる事が多く、南から黒潮に乗って来た“青物”等大型回遊魚が餌を求めて一時的に落ち着く場所として知られている。伊豆半島の南端、南伊豆手石港から航程4、5時間の沖釣りファン憧れの場所である。

“イナンバ”
「第二十三忠兵衛丸」
ジグは150~200gが主流

前回の釣行では12.5kgのカツオが浮上!?

午前1時、集合時間の30分前に『南伊豆忠兵衛丸』待合所に到着すると、既に釣り人の車がズラリ。待合所では仲間同士テーブルを囲みマグロ談義に花が咲いていた。その中の一人、中村浩之さんに話を聞くと、12日のイナンバ遠征では、12~40kg級のキハダに交じって、12kg級の“モンスターガツオ”が2本キャッチされたのだとか。カツオは5kg級でも十分大型。それが12kg級となると想像を絶する引きだったに違いない。「まだ、そんなに経ってないからね。今日も居ると思いますよ」。この日舵を握った浅沼幹雄船長はイナンバの魚影の濃さは今も健在と語る。

12日の12.5kg!
12日の釣果①
12日の釣果②

ジグは150~200g、基本的な誘いは“ワンピッチジャーク”

イナンバ沖のマグロ釣りはビンチョウやキハダがメイン。マグロ釣りと言うのだから遠征用のヘビータックルを想像しがちだが、千葉県・外房で使用するヒラマサタックル等でも十分流用が効く。リールはスピニングタックルなら6000番(シマノ)、ロッドはMAXweight250g、長さ6.5ft前後がお勧めだ。道糸はPE4号300m、リーダーはフロロ20号5mを使用する。また、最近は、女性でも簡単に出来る電動ジギングで釣る人も増えてきているそうだが、その場合のタックルは、電動リール3000番(シマノ)、ロッドは2m前後のメジ・カツオ用、道糸はPE5号を400m巻いておけばOKだ。また、誘い方はスピニングでも電動でも“ワンピッチジャーク”が基本。電動で行う場合はキハダ対象ならシマノ電動で速度20~22で巻き上げながら誘い、ビンチョウなら速度15で誘おう。

ジギング仕掛け(スピニング)
ジギング仕掛け(電動)
電動&スピニングの2タックルあれば間違いない!

ジグはピンク、シルバー系は必需品だ
フックは3/0番
表層を探れるペンシル系も準備しておこう

2kg級のハチビキが連発!ゲストにはナガタチカマスも…

午前2時、定刻に河岸払いした「第二十三忠兵衛丸」は一路南へ。全員、ベッドで横になり、エンジン音が緩んだ午前7時、船長から準備を促すアナウンスが流れた。左舷胴の間(中央)にはイナンバ初挑戦の松田尚晃さん、入稲福佳寿巳(いりいなふく・かすみ)さんカップルが、電動ジギングの準備に取り掛かる。
「どうぞ~、88m」。船長からの合図が出て一斉にジグが投入された。船長に状況を聞くと、まだマグロのような反応は出ていないとの事。上乗りの高橋敏さんが、「朝一の1投目に“本命”がヒットする確率が高い」と話していたが、船中誰もヒットせずにすぐ移動となった。2流し目、船中のファーストヒットは右舷胴の間に座った中村さん。ヒット直後、鋭い突っ込みを見せたが、“本命”とは違う引きのようだ。海面を割ったのは朱色のゲスト、ハチビキ。2kg弱の良型。それを皮切りに左舷の松田さんカップルにも仲良くハチビキがヒット。そして、その次の流しでは珍しいナガタチカマスも顔を見せた。「こんな魚、普段喰わないよ~。今日はよっぽど潮が暗いんだね。この魚は普通に釣れる魚だよ」。船長もこの日の状況に困惑気味。「潮も普段なら2、3ノット流れているのに、今は0.5ノット。参っちゃうね」。しかし、“本命”こそ顔を見せないもののハチビキの喰いは活発。左舷ミヨシ(船首)の井上康広さんは3連発。嬉しそうだが、3尾目にはヘトヘトになっていた。

ファーストヒットはハチビキ
小林さんにも同サイズ
右舷大ドモでもヒット

イナンバ初挑戦での1尾!
2kg超級!
珍しいナガタチカマス

20kg級のキハダマグロが跳ねる!本命がヒット!

[動画]キハダマグロ17.4kg浮上!
午前9時、ミヨシの釣り人が興奮気味に叫んだ。「今、あっちで10尾以上跳ねたよ!20kg超えてるんじゃないか」。すると、右舷ミヨシの数百m先で全身がわかるほどポーン、ポーンと次々にキハダマグロが海面を跳ね出した。今までマグロが跳ねた姿など見たことがない私はただただ唖然、茫然。ふと我に返り慌ててカメラを回し始めたが、残念ながら映像に収める事はできなかった。船長もすぐに「上げて~、急いで!移動するよ」とアナウンス。跳ねた近くまで船を急行させた。魚探は50m付近に“本命”の反応を捕えた。投入の合図が出る。すると、「よっしゃー!ヒット!」。左舷大ドモ(船尾)で電動ジギングをしていた小林秀輝さんの竿が大きく海面へ突き刺さった。ギュン、ギュンーギュンと一気に20mドラグが滑り出る。ヒットしたタナは50mだが一気に70mまで持って行かれた。小林さんは慎重にポンピングをしながら電動レバーをうまく使って巻き上げて行く。リーダーに入り、残り5mになった時、薄っすらとマグロのシルエットが確認出来た。しかし、そこから再びジャーとドラグが一気に滑り出る。船底を見て暴れたのだ。1、2、3回と大きく回してギャフ取りさたのは17.4kgのキハダマグロだった。

見事“本命”ゲット!
ガッチリフッキング!
丸々太ったキハダマグロ

6月からもヒラマサ、メダイ、ビンチョウと期待十分!

その後、鳥山も幾度か発生しモンスター級のカツオやキハダを狙ったが、アタリは無く、沖上がりの正午を迎えた。取材日は黒潮が差しておらず、潮が流れていなかったが、「もっと黒潮が突っ込んで来ればキハダだけではなく、20kgオーバーのヒラマサやカンパチ、そして50kgオーバーのビンチョウ(和名・ビンナガ)等の大型回遊魚のチャンスも十分!」と船長。今年の夏は夢のイナンバで一発大物にチャレンジしてみては如何だろう。

クーラーはハチビキで満タン!
最後までハチビキの活性は高かった
船上クーラーは共同なので目印は忘れずに♪

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
静岡県南伊豆手石港『南伊豆忠兵衛丸』
〒415-0153
静岡県賀茂郡南伊豆町手石434
TEL:0558-62-1273
詳細情報(釣りビジョン)
南伊豆忠兵衛丸ホームページ
出船データ
イナンバ(ジギング)船=27,500円(氷付)
午前1時半集合、午前2時出船、正午沖上がり
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