釣りビジョン

新潟県から富山県の“ヒスイ海岸”へ。初のホタルイカパターンに挑戦!!

2023年05月01日公開

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今年もホタルイカのニュースを耳にする季節なった。予てから「ホタルイカすくい」や「ホタルイカパターン」の釣りに憧れていた。ホタルイカの接岸に合わせて、フィッシュイーターを狙うのがこの釣りパターンだが、日本海まで遠い地に住む私にとって、タイミングを合わせることが実に難しい。毎年「行きたいな~」と思いつつ見送って来た。しかし、いつまでも傍観してばかりではチャンスを掴むことは出来ない!今年は「長距離運転上等!徹夜上等!オデコ上等!”」の気合いで初チャレンジすることにした。

【この記事を書いたライター】SHOHEY

新潟の釣具屋さんはホタルイカ一色!

関越道から北陸道へと車を走らせる。気温は予想を遥かに下回っていた。長野を越えて新潟県に差し掛かると気温は5℃まで下がった。いくらウェーダーを履いていたとしても、海に浸かっていられるのだろうか?今夜の釣りが不安になるほどの寒さだった。
まずは初挑戦の釣りなので、地元の釣具屋さんで色々と教えて貰う必要があった。向かったのは『上州屋上越店』。店内には「ホタルイカすくい」のセットや、「ホタルイカパターン」で使用する数多くのルアーやワームなどが並んでいた。見ているだけではどれを買っていいものやら…。店員さんに声を掛ける。すると実に丁寧にルアーの説明から。この釣りに使用するルアーは多くの種類があり、基本的にはルアーはスローに直進のストップ&ゴーの動き。どのルアーもゆっくり巻き、止め!を有効に使ってターゲットを誘うのが効果的だとの事。また、スタッフが数週間前に釣りに行った時には、「ハタが大漁だった」と写真を見せてくれた。私たちは迷わずその時に使ったルアーを購入することにした。
「ポイント探しの肝!」についても教えて貰う。「ホタルイカパターン」と言う名の通り、ホタルイカを探すことが大事だと言う。とにかくポイント移動の繰り返しが釣果に繋がるとの事だ。この時期、「ホタルイカすくい」に来る人が多いので、夜の海でヘッドライトの光を見つけたら、そのポイントは必ずチェックすべきとの事。またボトムを狙うことが多いので根掛かりも多くなる。そこで予備のルアーや仕掛けは必須であるとの事だ。
「う~む。これはなかなか根気のいる釣りになりそうだな~」。そもそも「夜釣り」とういものに慣れていない私達…どんな夜が待っているのだろう。私の心は不安と期待の狭間を揺れ動いていた。今夜の釣りに向けて、まずは腹ごしらえと仮眠をとることにした。

予報以上の北風が!ホタルイカに出会うにはポイント探しが9割!

「聞いてないよ~」と叫びたくなったのは、海沿いの8号線で車を走らせていた時だ。ホタルイカの接岸の条件の中に「南風が吹く時がよい」というものがあった。しかし、私達の車を煽っていた風は北風…しかも強め。波立つ日本海にはサーファーの姿ばかりがあった。
「なんてこった」。しかし、ここまで来て引くわけもいかない。どんどん車を西へ走らせ、辿り着いたのは糸魚川市。ここには友人が住んでおり、この釣行のきっかけをくれたのもこの友人だ。地元ならではのネットワークで得たホタルイカ情報を小まめに教えてくれていた。地元の友人がよく「ホタルイカすくい」に行くという穴場ポイントを教えて貰った。まずはポイントチェック。足場もよく車を停める場所もしっかり確保されている。波打ち際は小砂利で、ホタルイカが砂を噛んでしまうことも少なく、美味しいホタルイカがすくえると言う。
早速海岸へ降りてみたが…波が高い!北風が吹き続けた事で波が立ってしまっていた。ここで真っ暗な海に入ってホタルイカを待つことは、とてもじゃないが危険だと感じた。
さて困ったぞ!地図を広げて作戦会議である。風向きと地形を考慮して、「富山県に入った方が可能性は高いのではないか…」という事になった。ポイントがわからない私達にとってポイント探しの唯一の方法は、ひたすら海沿いの道を走ってチェックしていく事だった。釣り場に先行者がいてくれることを願うばかりである。
程なくして富山県の県境へ。海をチェックしていると、ポツリポツリと釣り人発見!どこに車を停めてよいか分からず、スルーしたポイントも多々あった。やっと駐車場やトイレがあり、多くの「ホタルイカすくい」の人や釣り人がいるポイントを見つけた。海を見るとずらっとサーフで釣りをする人達の姿が見られた。

 

寒さ!睡魔!ホタルイカハンター達の長い戦いが始まった!

すっかり陽が落ちると、そこには想像以上の暗闇が。空を見上げると満点の星が広がっていた。海岸にはポツリポツリとヘッドライトの光。駐車場は常に出入りする車。皆あちらこちらポイントをチェックして周っているのだろう。ポイントに着いては海岸を歩き、海を隈なくチェックしてホタルイカを探すという、何とも根気と根性のいる作業である。
私達もロッドにホタルイカルアーをセットして、念のためタモとバケツを持って海岸へ。このポイントで出会った大阪から来た釣り人の話では、ここのポイントでは大きなマダイやフクラギ(ブリの幼魚)、アジなどが釣れるそうだ。極寒の浜にテントを張ってホタルイカを待つ人々を横目に、まずは消波ブロック周りへ。「さ、寒い!つ、冷たい!」。初めて投げるホタルイカルアー。着底を意識し、ストップ&ゴーでひたすら投げる。波があって中々上手くルアーを操ることが出来ない。少しでも油断すれば根掛かりだ。周りを見渡すと多くの釣り人が寒さに耐えながら釣りをしている。しかし、どの釣り人にも釣果はなかった。「ホタルイカすくい」の人たちも、必死でホタルイカを探しているようだ。
皆で情報交換をしながらホタルイカを待った。ほかのポイントからやって来た人も多くいたが、どこもまだホタルイカの姿は見られないと言う。やはりこの波が影響しているとのことだ。その上この気温。潮回りや新月といった条件ばかりに囚われていたが、実際に現場に立ってみないと分からない事が多くあった。過酷な夜を共にする釣り人達とは一体感があった。「釣れないね~」と言葉を交わし、ポイントを移動してまたルアーを投げる。浜の砂利に足を取られながらも、ひたすら歩き「ランガンだ!」。しかし、アタリはない。あと1時間で夜明け!と言う頃には、30人程の人が海岸に集まっていた。
後で話を聞くと、前回この浜でホタルイカが沸いた時間だったそうだ。話をした人の中にはもう3日もホタルイカを待っている猛者も。すると、空は次第に明るくなり夜明けがやって来てしまった。改めてホタルイカに出会う難しさを思い知ったのだった。しかし、多くの釣り人と出会い、多くの時間を共有できた事は実に有意義で楽しかった。ポイントも色々分かった!装備も何が必要か分かった!足を運んだからこそ分かったことが多くあった。
この釣行は決して無駄にはならないであろう。これで来年のホタルイカシーズンにはスムーズに入ることが出来る。あの漆黒の海に輝く青い光を求めて、またチャレンジしようと思うのであった。
*次回のホタルイカチャンス日は5月14日頃から28日頃との事だ

施設等情報

つり具の上州屋 上越店
新潟県上越市富岡2075-1
025-526-8081 http://www.johshuya.co.jp/shop/top.php?s=147

施設等関連情報

ヒスイ海岸駐車場
富山県下新川郡朝日町宮崎3273-14
*トイレあり
新潟県糸魚川市ヒスイ海岸(ランガン)
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

SHOHEY
鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。
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