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【明日釣れるバステク】カバースキャットのボトムジャークのコツ教えます!

2023年06月17日公開

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琵琶湖を爆心地とし、噂は広がり…今や全国の釣り場で凶器と化しているカバースキャット。しかし、シンプルなイモ系ワームなので、使い方次第で釣果に10-0の差がついてしまうこともある。今からでも遅くはない、カバースキャットの本当に釣れる使い方をマスターしよう

釣れない人は間違った使い方をしている可能性が高い

2018年8月に発売された、カバースキャット(デプス)。実は、すぐにブレイクしたわけではない。翌2019年の秋あたりから、琵琶湖の人気ガイドである冨本タケルさんを中心に、だんだんと釣果が発信され、一気に買えないルアーになってしまった。今では、琵琶湖だけでなく、全国各地のリザーバー、天然湖、野池でも広く使用され、使い手はかなりの釣果を上げているようだ。

しかし、「全然釣れない」という声も少なくなかったし、今でも釣ったことがない人は多いと思う。どうにでも動かせるシンプルな形状だけに、釣れる使い方を理解していないとまったく釣れないということになりかねないのだ。というわけで、これまで重ねた取材や自分の釣果に基づいたハウツーを紹介したいと思う。

すべてのタックルが整った時、カバースキャットは真価を発揮する

⚫︎ロッド
6フィート6インチ前後、レギュラーテーパー、MH~Hのベイトロッド(3.5、4インチの場合)。長すぎるとジャークし続けるのがしんどいし、飛距離に悩むルアーではないので長さのメリットも小さい。先調子だと独特のテーブルターンアクションがつけにくい。なので、フットボールジグを使うようなレギュラーテーパーのヘビー系が向いている…のだが、実はこういうロッドは多くない。ちなみに、筆者はテクナGP TAV-GP66CMHJ(フェンウィック)を使用している。
2.5インチはライトカバーを撃つようなベイトフィネスロッドが使いやすい。筆者はSDC-605MMR-FTWブラッディ(セディション)を使用。

⚫︎リール
20ポンドラインが65mほど巻けるラインキャパがあり、ギア比はHG~XGが使いやすい。ルアーをアクションさせる際の仕事は主にラインスラックを取るだけなので、巻き心地よりも軽さを重視したい。2.5インチはベイトフィネスリールがおすすめ。

⚫︎ライン
フロロカーボンの20ポンド。地味に超重要なのがライン選びだ。他のルアーとは違ってカバースキャットの場合、細い方が食う、ということはなく、むしろ逆。重さのあるフロロカーボンラインをミドル~ディープレンジのボトムまで沈めるのがキモになる(ただし、ディープレンジに関しては、手元近くまでライン全体を沈めるのではなく、ルアーから数m程度のラインを沈めるにとどめたほうがワームを動かしやすいスラック幅になると思う。完全に沈めるとラインが極端な弓形に弛むので首を振らせるのが難しくなる)。なので、基本的には太い方が扱いやすくよく釣れる。
また、フロロカーボンといっても柔らかい糸、硬い糸があるが、おすすめは後者。柔らかい糸は伸びやすいので、ロッドでアクションをつけた際に、ロングキャストした先にあるカバースキャットをクイックに動かすのが難しいのだ。なお、2.5インチはフロロ10~12ポンドがおすすめ。

⚫︎フック
ナローゲイプでハリ先が鋭く、細くもなければ太くもないフックがいい。ナローのほうがワイドゲイプよりもボトムでのアクションがいいような気がする。

 

簡単そうで難しい、ボトムジャークの釣れるアクションとは?

発売の段階ではおそらく、その名の通りスキッピングでカバーに入れて、フォールで食わせるような…そんな使い方を念頭に置かれていたのではないかと思う。しかし、琵琶湖を中心に炸裂していたのはまったく異なる使い方だった。いわゆるボトムジャークと呼ばれる、ミドル~ディープを中心としたレンジのボトムメソッドだ(もちろん、シャローでも釣れる)。以降はそれについて重点的に解説していく。

⚫︎まず、バスがいる可能性が高いスポットにロングキャストでカバースキャットを投入する。
カバースキャットのボトムジャークはかなりスローな釣りなので、バスがどこにいるのか見当がつかない状況で使うものではない。魚礁、オダ、ハードボトム、取水塔、橋脚、ウィードパッチ…などの一級スポットで使うのが定石。そこへロングキャストで狙う。ショートキャストだとラインを沈める余地があまりなく、理想のアクションが出しにくいのだ。

⚫︎着水したら、ボトムまでフォールさせる
ルアーが着水したらすぐにラインメンディングして、できるだけ糸フケを取る。その後、水深1mにつき3秒カウントしてカバースキャットをボトムまで沈めていく。水深5mだったら15秒、10mだったら30秒以上待つ。フォールさせる水深に合わせてリールからラインを出していくのだが…そのとき、一気に出さず、ゆっくりと少しずつ出していくのがキモ(とはいえ、カーブフォールではなくフリーフォールになるようにする)。だるだるに出してしまうと風や湖流などで水中にムダな糸フケが出てしまい、ルアーアクションを妨げてしまうのだ。ラインはロッドティップからルアーまで直線的に沈めていくのが理想。なので、ラインが風や湖流を真横から受けるような足場やボートポジションはよくない。

⚫︎動かし方は、2ジャーク&7秒ポーズ
完全にボトムまでルアーと先端部のラインが十分に沈んだら…アクション開始。まず、2回ジャークというかトゥイッチをするのだが…強くもなく、弱くもなく、トゥイッチの奥でラインスラックを叩くような抵抗を感じる…そんな強度だ。ペンシルベイトを水中でテーブルターンするように動かす…と思うとわかりやすいかもしれない。トントン、と2ジャークしたら、リールのハンドルを半回転させてラインスラックを適度に回収。ラインは張らず緩めず…より若干緩くするくらいだ。そして、7秒ほどポーズする。5秒でも8秒でもいいと思うが、短すぎるのはあまりよくない。これを繰り返す。おいしそうな沈みモノを感じたら、そこから極力移動させずに当て続けてみるのもいいだろう。
単調な操作だが、ルアーをしっかり動かすには適度なラインスラックの保持と繊細な強度のジャークを継続する必要がある。釣果を出すには長時間にわたる集中が必要だ。

⚫︎アタリと合わせ
ノーシンカーリグにしてはラインを張り気味な釣りなので、アタリは割とわかりやすいと思う。多くは2ジャーク後のポーズ中、あるいはジャークした瞬間に違和感として現れる。グングン!と手元まで伝わることもあれば、ラインスラックを弾くだけ、あるいはグーっと重くなることもある。カバースキャットを食ったバスはすぐには離さないので、アタリを確認したら一気にラインスラックを回収し、重くなったところで力強く合わせを入れる。

一年中釣れるが、これからの時期は大チャンスだ

カバースキャットのボトムジャークは基本的に一年中釣れる。しかし、特に6月前後のアフタースポーン時期はビッグバスのチャンス。琵琶湖なら産卵を終えたバスが生え始めのウィードに付いたり、他の釣り場なら少し深い場所のオダ、クイなどの周りで身体を休めていたりエサを追っていたりするだろう。そんなバスをぜひカバースキャットのボトムジャークで狙ってみてほしい。根気よくやっていると…ほら、いつもよりデカいバスが釣れたでしょ?

※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

望月 俊典
千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。
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