学生時代は“ギャル”の格好で岸釣りを
――釣りをはじめたのは、6歳だそうですね。
おかまり「父と祖父、叔父にフライフィッシングへ連れていってもらったのがきっかけで、それから今に至るまでずっとです。学生時代には、ヘソ出しルックで1人で家族とオカッパリの釣りを楽しんだこともありました(笑)。釣りが仕事になったのは、ガールズバンド“LoVendoЯ”として活動していた時期です。ラジオ番組で『釣りが好き』と言ったら、釣り好きのプロデューサーさんが『おかまり、一緒に釣りの仕事しよう!』と言ってくださったのがきっかけでした。ガレッジセールの川田(広樹)さんがメインMCの番組レギュラーとなり、『釣りも仕事になるんだ!』と思いました」
――約6年半活動した“LoVendoЯ”時代も、プライベートで釣りを?
おかまり「全身真っ黒い服装で、すっぴんのまま(笑)。常連さんたちとは交流がありましたが、釣り場で声をかけられることはありませんでした。特に、音楽活動中の後期はスケジュールに余裕ができたこともあって、仕事終わりの22時頃からしょっちゅうシーバス釣りに出かけていましたね。で、仮眠して翌日にはラジオへ出演するような超過密日程を楽しんでました(笑)」
――親御さんも釣り好きとのこと。娘が釣りを仕事にしていることを喜んでいるのでは?
おかまり「感情を表に出さないので分からないですけど、喜んでいるとは思います。番組もたぶん、見てくれていると思いますし、Instagramの私のアカウントは教えていないけど『これたぶん父じゃないかな…』と思われるアカウントも見かけたことがあるので、こちらもチェックしてくれているんじゃないかなと思います(笑)。あと、家族共用の車があって、平日は私が、土日は親が使っているんですが、『次はこの釣り場に行くんだ』と言うと、遠征へ行く前日にはガソリンが満タンになっていたり…愛は感じます(笑)」
釣果を出せない場所はひとつもない「佐渡島」
――釣りビジョンの番組『おかまりの釣りドライブひとり旅』では、佐渡島の渓流に行かれました。佐渡島って渓流があるんですね!
おかまり「そうなんです。渓流があるんです。こと渓流釣りに関しては、普段から楽しんでいるので、行く前からやる気満々でした。ただ…準備万端のはずが、フライロッドを〝ケースだけ〟持ってきてしまうというトラブルがありまして。もう、最悪…(苦笑)。代わりに渓流ルアーを楽しませてもらったんですが、渓流の周辺にはボサがたくさん生い茂っていて狭いエリアが多かったので、フライだと竿を振れないくらいの規模だったので、結果的によかったです(笑)。無事、渓流魚にも出会うことができましたし、釣り人と鉢合わせることがなくストレスフリーで満喫できたことは驚きでしたね」
――Instagramのオフショットでは、見事、クロダイをトップウォーターで釣り上げていましたね。
おかまり「ありがとうございます。クロダイに関しては東京湾でも経験があるのですが、過去釣れない日もたくさんあったし、これまでの打率は正直イマイチでした(笑)。でも、佐渡島はフィールドのポテンシャルがあるのと、タイミングがよかったこともあり、トップに出てくれたんですよね。すごい釣り場だと思います」
――クロダイ以外の釣果は?
おかまり「漁港で、ショゴを釣りました。本当はロックショアで青物を釣ろうとしていたんですけど、謎の〝背中痛〟に襲われてできなくなってしまって…(苦笑)。そこでスタッフさんが『漁港でライトゲームにしましょう』と提案してくださったんです。結果、いい魚が釣れたし、ナイトゲームではライトリグでアジングも楽しんじゃいました!」
――ちなみに、釣り具は自前で揃えていったんですか?
おかまり「はい。いろいろな釣りを楽しむために、あらゆる釣り道具をハイエースに詰め込んでいきました。フライロッド以外は…(苦笑)。とにかく、いろいろな釣りにチャレンジしたかったので、あらゆるシチュエーション、対象魚を想定して準備にはかなりの時間を費やしました!」
――あらゆる釣り物に対応できる準備ですか…車の中は釣り具でパンパンだったことでしょう。忘れ物があったとは言え、それだけの準備をこなせるのもおかまりさんの〝マルチアングラー〟としての強みだと思います。
おかまり「色々な釣りにチャレンジするたびに、ほんと、どの釣りも楽しいなと感じますから、これからもまだ経験したことのない釣りにチャレンジしていきたいですね。でも、当然ながらお金はかかります。これまで、どれほどお金をかけたか分からないほど(笑)。月で換算すると、数万円分は釣り具を購入しているので、遠征費も合わせると十数万円ほどかけているんじゃないかなと思います。ただ、食費は釣った魚で浮くこともあるので良い面もあるんですよ!仕事もプライベートも、釣りで暮らせるとは思っていなかったので、今、とても幸せです!」
東京暮らしもメリットに各地で通用する「釣り方」を研究
――YouTubeチャンネル「おかまりチャンネル」では、編集や運営も自分でやってらっしゃるそうですね。
おかまり「見せたい自分を見せられるし、苦ではないです。テレビでは『他人から見たキャラクター』を見せる必要がありますし、新たな一面を出せるので。親近感を持って、見ていただけたら嬉しいです。有名なYoutuberさんに自作のサムネイル候補を複数チェックしてもらい、アドバイスをいただいたり、試行錯誤しています」
――マーケティングに近いことをやられているんですね!すごい。おかまりさんならではの釣りの魅力、楽しみ方などあれば教えてください。
おかまり「基本的にはルアーだったり、毛針だったり〝疑似餌〟の釣り全般が好きですね。セオリーというか魚を掛けるまでの〝再現性〟に魅力を感じています。誘い出して魚を釣るのが好きなんですよね。例えば、オフショアならナブラにルアーを入れてキハダや青物を釣るのも好きだけど、ナブラは見えなくとも地形の変化を感じて、トップウォーターで誘って釣るGTの釣りにハマってしまったり。渓流のフライフィッシングでも、毛鉤がどう流れた瞬間に魚がどう出るかが見たいので、ドライフライをメインに使っています。ちなみに、魚を食べる目的で釣りに入ったわけではないのですが、毎日自宅になんらかの魚があるので、魚料理の腕は上がりましたよ!魚が入り切らなくなり、冷凍庫は二台持ちです!(笑)」
――この先の目標や、これから巡ってみたい釣り場などは?
おかまり「行ってみたい場所はたくさんありますね。ありすぎて困っているくらい(笑)。現在、東京を拠点にしていますが、陸っぱりの釣り場はどこも激戦区ですし、駐車場代も高い。渓流に行くにしても移動時間がかかるし、個人的な釣趣を踏まえると、釣り環境としては不利な面も多いのかなと感じています。ただ、東京に住んでいるからこそ、自ら全国へ足を運び、その土地土地の釣りを楽しめるとも思っているんです。家の傍に釣り場があったら、きっと遠出をしなくなっちゃう性格なので。(笑)。また、不利な条件下で経験を積むことは、引き出しを増やすことにもつながると思います。離島にいったときに「チヌがそんなポッパーで釣れるのか!」と地元の方に驚かれたり、東京やその他の地域で実践してきた釣り方が、はじめての土地で新たな魚と出会わせてくれることもあります。なので、今後も時間が許す限り、色々なフィールドに訪れ『この釣り方は通用するのか、それともしないのか?じゃあどんな釣り方で挑めばいいか』など、日々研究し続けます。そして、生きている限り、たくさんの魚と景色に出会いたいです!」
(取材・文/カネコシュウヘイ 写真/釣りビジョン)
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