《日本一の湖・琵琶湖》魚探に映る【謎の魚】の正体は一体!?

冬から春の琵琶湖にて、魚探に映る怪しい魚影…。バスやギルではなさそうだし…一体なんなんだ!? 正体を確かめるべく、狙って釣って確かめてみることにした。

淡水
  • 滋賀県 琵琶湖

ライブスコープに映る謎の魚を釣ってみたい

今年の2~3月に琵琶湖でバス釣りをしていると、おそらく40~50cmはありそうな大きな魚の群れがかなり頻繁に魚探(ライブスコープ)に映ることがあった。バスなのか?と思って、ルアーを投げてみても反応しない。ほぼ無視である。ルアーをぶつけるようにするとたまに逃げることはあったが、反射的に食ってくることもない。

この魚の正体は一体なんだろう?

こういうのは推測で決めつけるのではなく、実際に釣ってみて判断したいのがこの哀れな語り部(←筆者のことです)。とはいえ、当てずっぽうではラチが開かないので狙い方を絞るためにもまずは魚種を想定してみようと思う。

以下、今のところわかっていること。

・推定40~50cmの中~大型の魚で、群れを作っている

・早春にバスがいるような2~5mくらいの水深に多い

・岩、アンカー、取水塔、オダなど沈みモノやハードボトムに集まる傾向がある

・みお筋にもいる

・ルアーに興味を示さない


ヤツらはルアーに反応しないので、おそらくフィッシュイーターではないだろう。また、群れを作っていることも考えると…未知の外来種でなければ、おそらくはコイ科の魚。コイだとしたらもっと大きいと思うので…フナ系の魚なのかな?…というのがおおよその予想である。でも、フナってそんなにデカいっけ?

とりあえす、フナ系の魚を想定し、3月19日にレンタルボートひさの屋のご主人の立田猛さんと一緒に調査の釣りへと出撃することにした。

謎の魚の群れのライブスコープ画像。中~大型魚の群れがはっきりと映っているが…その正体は? ©望月俊典
レンタルボートひさの屋の猛さんが過去に釣った「ヒワラ」と思われる魚の写真。ヒワラとは、ギンブナの琵琶湖での呼び方…なのだが、一般にギンブナは最大30cm程度といわれている。しかし、写真のこれは45cmほどあり、体型も雰囲気も一般的なギンブナとはかなり異なる ©望月俊典

想定したのはフナ系の雑食魚。そしてついに強烈なアタリが!

一応、フナ系の雑食性の魚を想定しているのだが、ここは日本一広い湖・琵琶湖。広範囲を探るべく、コイの吸い込み釣りに使う仕掛けとエサを用意し、食わせエサにはミミズを使用した。これなら、雑食性の魚全般が釣れる可能性がある…そう考えたのだ。

レンタルボートひさの屋から出船し、まずは近くのみお筋からスタート。ここで魚探をかけてみると…みお筋の深い場所に回遊する魚の群れが映った。…が、食わない。エサにも気づいていないのか、ほとんど止まることもない。雑食性ですらないのか…? 結論は急がずに、次のポイントへと移動した。

次は南湖のクラシックな定番ポイント、名鉄の導水管へ。ここのアンカー周りにも謎の魚影が固まっていたりするのだ。その周辺へと仕掛けをキャストする。

待っていてもアタリがなくてヒマなので…否、ルアーに反応しない魚食魚も想定し、猛さんは生きた小魚も同時に投入する。

…しばらく待っているとアタリが出た。どっちだ!?…小魚の生き餌の方だ! ジーッ…っとドラグが出て…猛さんがフッキングを決めた。

猛さん「今でもこんなところにバスいるんやね」

釣れたのは55cmくらいのバス。まあそうだよね…という感はあるものの、トライ&エラーを重ねて真実に進んでいくしかないのだ。

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今回のエサと仕掛け。エサは寄せエサにコイの吸い込み用練り餌、食わせエサにミミズを用意した。仕掛けも吸い込み釣り用のセットにオモリ、そしてアタリを知らせてくれる鈴も。 ©望月俊典
仕掛けの完成。オモリはオタフクの6号。ミミズは小さめのシマミミズだ。 ©望月俊典
小魚にヒットした魚は一体…!? ©望月俊典
やっぱりお前か、のバス。とはいえ、55cmの立派な個体だ。 ©望月俊典

 

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もしやゲンゴロウブナ(ヘラブナ)なのか…?

導水管でしばらく粘ったが、期待したほどフナっぽい魚影が映らないので、大きく移動することにした。南湖東岸の葉山川、草津川の間のエリア。このあたりはフナが多いらしいという噂を耳にしたことがある。

まずは、岸からちょっと離れた深くなるところを魚探掛けし、フナの群れを探した。ここでしばらく粘るもアタリがないので移動。さらに、浚渫されたドックのような場所でもフナっぽい群れを発見したので、粘ってみることにした。

しかし…魚はいるのに、ルアーにも練り餌にもミミズにも反応しない。ここで、もしかしたらゲンゴロウブナ(ヘラブナの可能性も含む)なのでは…という疑念が頭をもたげてきた。だとしたら、ルアーはもちろん、コイ用の練り餌(主に動物性)もミミズも通用しないのかもしれない。ちなみに、昔は矢橋人工島の周りでヘラブナの放流が盛んに行われていた時期があったらしい。

結局、この日は生き餌仕掛けにバスがもう1匹掛かっただけで、謎の魚の正体は不明のままで終わってしまった。

葉山川と草津川の間のエリアにて。フナっぽい群れが回遊している場所で粘るも…アタリなし。 ©望月俊典
ドックっぽい場所にて。ここもフナじゃないかと思われる魚影が魚探に映ったが…何もなし。 ©望月俊典
最後、ひさの屋さんの近くのみお筋でもフナっぽい魚影が映ったので少し粘ってみたものの…釣れたのはナイスなバスだった。 ©望月俊典
バスフィッシングガイドの林陸功さんが、南湖東岸でブルシューター160(デプス)というルアーを投げていたときに引っ掛かってきたというフナ。これはヘラブナに見えるが…。 ©林陸功

謎の魚の正体はどうやらフナ。でも「フナ」ってなんなんだ?

ボートでの実釣調査後も、引き続き岸釣りで謎の魚の正体を追っていたこの哀れな語り部。ホンモロコ釣りをしながらも吸い込み釣り仕掛けとミミズを投げていたりしていた。

その結果、10匹ほどのフナ系の魚を釣ることができた。

釣れた場所は、北湖東岸の川筋、北湖西岸、南湖東岸の岸近くなど琵琶湖の広域に点在。そのなかには魚探で魚影が映っていたエリアも含まれている。

これらが魚探に映っていた謎の魚の正体…かどうかは断言はできない。しかしながら、まあまあの数が釣れたので、確率としてはかなり高いのではないかと思う。

ところで、この釣れたフナの種類はなんだろうか?

調べてみると、琵琶湖にはニゴロブナ、ギンブナ(ヒワラ)、ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)の3種が生息しているとされている。しかし、ニゴロブナとギンブナは遺伝的な差異がないらしく、ゲンゴロウブナ以外の国内フナ(ギンブナ、キンブナ、オオキンブナ、ニゴロブナ、ナガブナ)の種類を同定(何であるかを突き止めること)することは極めて難しいようだ。確かに、ニゴロブナとして紹介されている写真を見ても、ギンブナと何が違うのかよくわからない(同定しづらい個体が多い)。またギンブナはクローンなはずなのに、なぜか個体差がかなりあるのも同定が難しい理由。とにかく、フナ類は生物学的な分類が難しいのだ。

また、3倍体であるギンブナに2倍体のマブナ類(キンブナやニゴロブナなど)が交雑し、2倍体フナの遺伝的特徴を持つギンブナがいることも明らかになっているらしく…同定の難しさに拍車がかかっている。現在は一般にゲンゴロウブナ以外のいわゆる「マブナ」はギンブナ、キンブナ、オオキンブナ、ニゴロブナ、ナガブナ…と分かれた種類とされているが、生物学的には別種か亜種か同種なのか、いまだに確定していないという。将来的にはゲンゴロウブナ以外の国内フナは全部同種扱いになる…可能性も否定できないのである。

なので、今回釣れた10匹ほどのフナは写真だけでは何ブナなのかまったく判別がつかない。よって、謎の魚の正体はとりあえず「フナ」っぽい…というところでとりあえず今回の締めくくりとさせていただきたい。

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猛さんが湖東の大同川でホンモロコ釣り中に釣ったフナ。大きさは35cmほど。黄褐色で体高がやや低い個体。 ©望月俊典
語り部が湖西で釣ったフナ。エサは赤虫。いわゆるギンブナにしては体高が低いのでニゴロブナ寄りの個体…? とはいえ、こういうギンブナもよくいる。 ©望月俊典
これも湖西で2連ヒットしたフナ。ニゴロブナ? 正直、わからない。 ©望月俊典
南湖東岸で釣れたフナ。これはいわゆるギンブナっぽい気がする…がニゴロブナと言われればそんな気もする。 ©望月俊典

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Tel.077-594-3288 レンタルボートひさの屋 ホームページ

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レンタルボート代金:1人乗り7000円(9.8馬力)、8500円(20馬力)。2人乗り8800円(9.8馬力)、11000円(20馬力)、3人乗り13200円(20馬力)
公共交通機関:JR湖西線 小野駅下車 徒歩約17分
車:湖西道路 真野IC下車 約6分

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

望月 俊典 千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。

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