午前5時までに船着場へ集合
「勇幸丸」が発着する片貝旧港は、圏央道・東金ICから凡そ20分。初めての際はカーナビに「若葉屋食堂(千葉県山武郡九十九里町小関2347-13)」を入力すると、目的地付近で港入口の目印になる公衆電話ボックスが見つかる筈だ。「勇幸丸」は岸壁に横付けされているので、その付近に車を停める。冬場は足元が凍っていることもあるので船長が到着してから荷物を積み込む方が良いだろう。岸壁に置かれた乗船名簿に記入を済ませ、氷を受け取って乗船すれば、各釣り座には既に付け餌とコマセ、魚桶がセットされている。集合の午前5時には首尾良く全員乗船。滞りなく出船準備は整い、5時20分「第二勇幸丸」は夜明け前の海へと出船した。
竿入れからすこぶる好釣!
穏やかな海を走ること50分程で片貝沖の漁礁に到着。釣り場の特徴や基本的な釣り方は勿論、快適な釣り座のレイアウトまで丁寧な案内がされる。コマセ桶の設置や仕掛け準備はこのタイミングで充分だ。船長から「ここからやってみましょう」のアナウンスを合図に準備の出来た人からスタート。釣り場は水深27mの漁礁周辺、魚探に出ている反応は水深25mから18mとのこと。開始間もなく、あちらこちらの釣り座でアタリがあり、船中最初に魚を上げたのは左舷トモ(船尾)の浜本さん。この日のアベレージとなる30cm前後のハナダイを取り込んだ。2番手はもう誰だか判らない好調な滑り出しで、最初のアタリから少し様子を見てから巻き上げれば一荷(2匹)や3点掛けも。やがて海上に陽が昇ると、釣果を重ねる毎に釣れるサイズも次第に良くなり、魚桶は着実に満たされていった。
多彩な釣果も魅力!
『勇幸丸』のハナダイ五目は、その多彩な釣果も楽しみの一つ。取材日には、かなりの数のマダイも上がった。尻尾のフチが黒く、体色もハナダイに比べて黒っぽいのが見分けのポイントとなる。また、イシダイ(サンバソウ)やイシガキダイなどの“石物”も結構釣れていて、冷蔵庫で2日程寝かせてから食べるのがお勧め。カンパチの若魚、ショゴ(シオ)は小さくても刺し身にして美味。潮が弛むと釣れ出すウマヅラハギは、釣れたらすぐ血抜きをして、皮を剥いで身欠きにしてしまえば、持ち帰って臭みもなく美味しく食べられる。ジッパー付きビニール袋があると便利だ。ハナダイは小さな個体は酢締めに、大きい個体は刺し身で食べるのが一般的だが、潮汁やアクアパッツァなど汁物にすると濃厚な出汁が楽しめる。またカルパッチョにも最適な食材なので是非お試し頂きたい。
船長に訊く、“ハナダイ五目”のコツ
市東吉雄船長にハナダイ釣りのコツを訊いた。「コツはやっぱりタナをマメに探ることですね。誘いと止めと、しっかりやることかな。これから海水温が下がるとアタリがワンテンポ遅れたりもしますので、しっかりと“間”を作ってやらないと食わない場合はありますね。食いが良ければウイリーでガシガシ誘っても乗ってくるんでしょうけど、遊泳層が上がってこない時はオキアミとか刺し餌を使う機会が多くなりますね。意識してアタリを見てやらないと中々出てこないです」とのこと。
ビギナーも安心、初釣りにお勧め!
一時潮が緩んでアタリの遠退く時間帯はあったものの、竿頭はキープした数だけでも42匹を釣った森泉さん。リリースした分も含めればみなさん50匹は釣ったであろう大満足の釣れっぷりだった。「寒くなって来てからの方が安定して来ましたね」と言う船長の言葉通り、取材日を境に竿頭は50匹をキープする高位安定の釣果。近年の傾向で海水温が下がらなければ、深場に落ちず30m以浅で釣れ続けるハナダイ。浅場で仕掛けの上げ下げも楽な上にアタリも取り易く、仕掛けも短めで捌き易いので、ビギナーにも安心だ。縁起物の“鯛”がお手軽に、しかも沢山釣れるこの“五目”釣りは、新年の“初釣り”にもピッタリ。防寒服をしっかり着込んで、小気味よい釣り味と五目釣りの多彩な食味をお楽しみ頂きたい。
施設等情報
施設等関連情報
乗船料金:1万1,000円(餌・コマセ・氷付き)
集合時間:午前5時までに船着場へ
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。