気温は氷点下4℃
「なむさんやモズの刺したる小鮒かな」。枯野の中を歩けば、体中の細胞に新しい息吹か吹き込まれるような気持になってくるのは誠に不思議だ。
年の初めの「初釣り」は、毎年、小ブナ・タナゴと決めているのは、“川の小物釣り師”の性だろう。この日の気温は氷点下4℃、手の甲が切れるほどチリチリとする。川面からは川霧が立ち上っている。例年のことながら、霞ヶ浦から牛久方面までの湖岸排水路(ホソ)はいつもワクワクとさせてくれる場所だ。水路の幅は凡そ1.5m、水深は場所により10cmに満たない所から1mを超える場所もある。ポイントの選択は、この釣りに必須な釣り師の感覚と言っても過言ではないだろう。
熱いコーヒーが有難い
朝7時に到着するとあちらこちらが結氷していた。日差しが照らしてくれるまでじっくり待つ。こんな時、両手に包み込むようにして頂く熱いコーヒーは実に有難い。両足で感じる地面は固く、霜柱が長くせりあがっていた。
この日の仕掛けは、ポイントに応じて80cmから1.2mの竿を用意。道糸0.6号を竿いっぱいの長さに取り、親ウキ+糸ウキ、ハリはハエスレまたはタナゴバリでハリス5cm以内の1本バリ。餌は「マルキユー グルテンα(アルファ)21」(餌:水=1:1)にマヨネーズ少量を混ぜ合わせたものを用意した。
日当たりの良い場所は絶好のポイント
狙うポイントは周囲の水深よりも少し深くなっている場所。さらに日当たりの良い場所は見逃せない絶好のポイントとなる。
“湖岸ホソ”と呼ばれるこの排水路は約25kmの総延長があり、ポイントに事欠くことはないが、釣れるポイントは寒季の時期には極端に限定される。「“寒ブナ”は、3匹釣れば一人前」と言われるほどシビアな側面がまた釣り師の釣り心をくすぐる所以だ。マブナやタナゴは居さえすれば、この時期でも必ずアタリや変化を伝えてくれる。翻って考えると、魚がいない場所で寄ってくるのを待つよりも、自分から歩いて場所替えをして行った方が良い結果をもたらす。
2022年の初獲物は10cm足らずの小ブナ
何度か場所替えをするうちに、水中の糸ウキが僅かに揺らいだ。軽く竿を立てると、小気味よい引き込みで10cm足らずの小ブナが水面に顔を出した。2022年最初の獲物である。毎年、この1匹に会いたくてやって来る。同じ場所でもう1匹を追加したが、後が続かず数か所移動して再び1匹の小ブナと出会えた。結局、この日釣れた小ブナは3~15cmを数匹だったが、実に楽しい釣りだった。
2022年も好スタート!
毎年の初釣り計画は実に楽しい。その年の吉凶を左右すると思っているからである。「釣れる」事だけでいい悪いとするのではなく、どう組み立ててゴールへ辿り着くかを考える良いチャンスとなるよう心掛けている。今年のスタートも小ブナに遊んで貰え、いい一日となった。
施設等関連情報
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