午前5時、船着場へ集合
勝山港は都心から東京湾アクアライン経由で凡そ1時間30分。館山自動車道・鋸南富山IC降りて僅か数分とアクセス良好。『利八丸』の乗船場所は「鋸南町勝山漁協 活魚センター(千葉県安房郡鋸南町下佐久間3770)」の丁度正面。看板の脇にある船形からマグネットを外して釣り座を確保し、集合の午前5時を待つ。何かと荷物の多いイカ釣り。早く来れば乗船場所の近くに停められるので積み降ろしも楽々。
集合時間になると乗船場所に船が横付けされ、備え付けのテーブルで受け付け開始。乗船名簿に記入して、乗船料を支払う。荷物を積み込む頃には各釣り座に魚桶とビニール袋に入れられた氷が配布され準備万端。船長が釣り座を回って席札を回収し、定刻の午前6時「第一利八丸」は日の出前の海へと出船した。
東京湾口・洲崎沖にイカ釣り船が大集合!
穏やかな海を走ること45分程で洲崎沖に到着。準備をするよう船長からアナウンスがあり、魚群探知機で反応を捜すこと暫し。「ハイ、どーぞ!」の合図で期待の第1投。追って「水深155mぐらいですね。底から20mとか30m位」とイカの模様と釣り方がアナウンスされた。
オモリが着底すると早速触りがあり、3回もシャクる前にズッシリとした手応えで竿が曲がる。間もなくあちらこちらの釣り座から電動リールの唸りが聞こえてきて「これはいい日に取材に来た」とほくそ笑んだ。ところが、潮も速くウネリも高いため、船縁でイカが外れるケースが散見され、無事スルメイカを取り込めたのはわずか2人。この状況を見てブランコ仕掛けに付け替える釣り人も多かった。そして気を取り直しての2流し目。スルメイカに交じって型の良いオスのヤリイカが取り込まれた。バリバリ乗るような派手さはないものの、着実に数は伸びて行った。
ヤリイカを求めて白浜沖へ!
イカの触りも落ち着く8時半頃、船長から「1時間くらい走ります」とアナウンスがあり、船は白浜沖へと舳先を向けた。ヤリイカを狙うとのことで一同プラヅノ11cmのブランコ仕掛けに付け替えた。この移動が朝の一仕事で疲れた身体の体力回復にちょうど良い。
「ハイ、どーぞ!197、8mですね。底から15mくらいの間です」のアナウンスで釣り再開。船長の「底をね。底を大事にしてあげてみてください。やさしく誘ってあげてみてくださいね」とのアドバイス通り、着底と同時にイカが触っているケースが多く、ここで勢いよくシャクると乗せられない。竿先を聴き上げると、誘いを止めた所で竿先に「ふわんふわん」とアタリが出る。あとはゆっくり電動リールで巻き上げれば、ポツリポツリとではあるがヤリイカが取り込まれた。
船長に訊く、“春イカ”釣りのアドバイス
『利八丸』舟宝 康弘(ふなとみ やすひろ)船長に今期の模様を訊いた。「まだスルメが多かったりもするんで何とも言えないんですけど、ちょっと遅れてるのかな、という気もしています。よく年末ぐらいにスルメが良く釣れる時期があって、それが今年は先週くらい。それって1ヶ月、2ヶ月ずれてるんじゃないかな」とのこと。実は取材日の翌日からヤリイカのスイッチが入ったようで、竿頭133杯など“爆ノリ”の傾向にある。今後が非常に楽しみだ。
釣り方のコツを尋ねたところ「ヤリイカだったら、誘いは“優しく”が良いと思います。ガシガシやらないで、優しく誘って、止めて頂くのが。止めると、止めた時にアタリが出ますので。どうしてもこう動かしてると、優しく誘っててもアタリがなくなっちゃうんで」。これが本当に大切で、上手な釣り人でも乗りが緩慢になると誘いの一連の動作がルーチン作業となり、止めている時間が極端に短くなる傾向がある。「誘い止めて、アタリを出す」。アタリが遠退いたら、是非思い出して頂きたい。
シーズン本番、ヤリイカの春が来た!
かくして、この日の竿頭は22杯を釣った藤村さん。2番手21杯、3番手20杯と平均的には釣れていたが、前日まで釣れていたスルメイカが奮わず釣果としては“谷間”の取材となってしまった。この翌日からヤリイカを中心に釣果は持ち直し、竿頭60杯、90杯、130杯と連日高位安定。“ジャンボヤリイカ”も好調に上がっている。
“春イカ”のベストシーズンはまさに今。潮の速い時期でサバも居るので、仕掛けをちょっと多めに持って、大きめのクーラーでお出掛けになることをお薦めしたい。
施設等情報
施設等関連情報
乗船料金:1万円(氷付き)
集合5:00/出船6:00
定休日:なし
貸道具あり
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。