「SLJ」でなら狙えるターゲット!
手軽なジギングとして人気の高いライトジギングでも100g程度のジグが必要だ。しかし、「SLJ」ではこれを40~60gまで軽量化出来る。タングステンを使うことで小型化にも成功し、今までは狙い難かったマダイ、マハタ、メバル、イサキなどの魚が狙えるようになった。一方で、大原沖で人気の「大型“青物”は釣れるのか?」。心配ご無用。ヒラマサやワラサも頻繁に顔を見せる。「SLJ」は純粋にターゲットを広げることに成功した釣法だ。
「SLJ」ではゲストは存在しない。すべてが“本命”!
この釣法のもう一つの特徴は釣り人が釣り方を選んでターゲットを変えることが出来る事。例えば底近辺をしつこく狙えば根魚が、そして“青物”の反応を見つければ少しタナを浮かせた高速巻き。勿論、多くの魚種が同ポイントに生息する大原沖ならではあるが…。状況に応じて釣り人側が臨機応変に対応することで全ての魚を“本命”とすることが出来る。これは面白い!
一つテンヤやタチウオ/シーバスのルアータックルも流用可!
「SLJ」船を出しているのは、今のところ大原港では『広布号』のみ。外房全体でもまだそんなに数はない。まだポイントや釣法が完全には確立されていない中でも人気はうなぎ上り。釣り具店では専門タックルがラインアップに加わった。勿論、他の釣りからの流用も可能。大原沖は水深もさほどないので一つテンヤ用のタックルをそのまま使うことも可能。ルアータチウオやシーバスのタックルでもOKだ。ジグを投げて幅広いエリアを探った方が好釣果につながるので、リールはスピニングの方が使いやすい。
“鉄板ジグ”はミドキンカラー!
釣果を一番左右するのはジグの選択。今では釣り具店に色とりどりの「SLJ」用ジグが販売されているが、『広布号』で使用するジグは45~60g。“鉄板”として必ず用意したいのは緑&金の通称「ミドキン」。最近にわかにブームなのはアワビカラー。野島幸一船長自らジグの開発も行っているので、迷ったら船で買うのが間違いない。そして忘れてならないのがフック。フックの大きさや形状がすごく重要。これも『広布号』開発の物があるので是非参考にしたい。
潮が澄んでいて不安なスタート
大原港は朝が早いことで有名だが、『広布号』の集合は午前5時。辺りはすっかり明るく、沖で迎えることが慣例の大原の朝としては少し違和感。釣行日は「SLJ」フリーク計10人での出船。ポイントまで20分程で到着。海面に目をやると潮が真っ青に澄んでいる。「SLJ」には決していい条件ではなく、不安の中でのスタートとなった。最初の水深は18mと浅場。片弦に10人が集まり、ドテラで船を横に流すことで幅広いエリアを探る。
メバルは出たものの…
不安な中での第1投だったが、いきなりアタリが来た。しかもかなり重そうな引きの正体は良型のアカメフグ。そして次に続いたのはドテラ流しの反対舷で1人竿を出していた船長の長男大威翔君。未来の船長が尺(約30)近い良型のクロメバル。金色に輝く魚体は“黄金メバル”と言った方がいいかもしれない。朝一の連発に、当初の不安はいらぬ心配だったのか。イヤ、イヤ…やはりそんなに甘くはなく、その後2匹のメバルを最後に沈黙の時間が流れることになった。船長も潮が流れ、濁りが入っている場所を探す。水深も18mから25m。30m。そして36mと徐々に深場に移動。
「SLJ」は一日やれば何かしら釣れる!?
残念ながら状況は上向かない。しかし、船長に焦る様子はない。そもそもジギングは釣り味を楽しむものであって、数釣りを狙ってはいけない。それを理解して1匹の魚とのやり取りを楽しむもの。そして、船長が言うには「SLJ」は一日どっかで必ずいいポイントがある。他のジギングと違って、一日やれば何かしらは釣れるという。とはいえ、沈黙のまま9時を過ぎ、流石に本格的に心配になって来た。
出た!5.1kgの大ヒラメ
何があったわけではない。しかし、船長の言葉の「どっかでいいポイント」が突然ここで訪れた。胴の間(中央)で竿を出す野村さんが根掛かりかのような強烈なロッドのしなり。正直、私は根掛かりかと思った。ドラグが勢いよく出される。船長も良型を確信してタモを片手にスタンバイ。ドラグを出されながらの一進一退のやり取りで海面に姿を現したのは“座布団”ヒラメ。「SLJ」に魅せられて1年。自己記録を大幅更新の5.1kgの文句なしのサイズだった。これを開始のゴングにポツリポツリとマハタも顔を出した。
〆は3.3kgのマハタ
胸をほっとなでおろしていたのも束の間。まだ最初のジャンボヒラメの興奮冷めやらぬ中で、また同じ野村さんの竿が2度目の強烈なしなり。しかし、今度は竿先をバタバタと叩く。根に潜られるのを恐れた船長が「少しずつでいいから巻き続けて」とアドバイス。なんとか薄氷のやり取りで根をかい潜って上がったのは3.3kgのマハタ。これまた大幅自己記録更新。完全に野村さんの日となった。この後はコンスタントにカサゴが顔を出し、お土産をゲットして納竿。
いつもほどの釣果ではなかったかもしれないが、それでも船長の宣言通りの見せ場は確かにあった。まだまだ可能性が広がる「SLJ」。今後益々の人気上昇は必至だろう。
施設等情報
施設等関連情報
料金:午前船、午後船ともに1万1,000円(氷付き)一日通しの場合は1,000円引き
午前船:集合午前5時00分、準備出来次第出船 11時沖上がり
午後船:集合午前11時30分、準備出来次第出船 17時30分沖上がり(電話確認)
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。