“大マス”にはご注意を! 早川は下流域でもニジマスが掛かる
ここへは今シーズン初釣行、まずは上流の湯本地区から徐々に下流へポイントチェック。すると、どこも“アカ腐れ”が始まっている。ひと雨欲しい感じだ。いろいろポイントを見た結果、今回は川の状況のよい下流域へ入ることとした。早速オトリアユ販売所へ。
早川では、シーズンになると『早川漁協』が、川沿いの駐車場にオトリ小屋を建て、漁協の皆さんが毎日交代で販売している。こうした漁協の皆さんのお陰で、私たちはアユ釣りを楽しむことが出来る。ちなみに、午前10時にはオトリアユ販売が終了してしまうのでご注意を!
さて、着替えを済ませていよいよスタート。まずはオトリアユ販売所の上流から。流れがあって少し水深もあるポイントだ。ここでは友釣りだけではなく、アユのドブチン釣り、渓流釣りなどいろいろな釣りが混在している。友釣りの人の隣で、渓流釣りの人が大マス(ニジマス)やヤマメを釣り上げるなんていうこともしょっちゅうだ。オトリアユ販売所で「“大マス”には注意するように!」と言われていたので、あまり緩く深いポイントは外すように心掛けた。
早々に相方が“大マス”の洗礼!早くもオトリ1匹に!
早速ひと流し目。購入したオトリは、とってもよい泳ぎをしてくれて、流れの強い所もグングン泳いでくれる。“コツ、コツ”と反応はあるが…1度反応があってもその後は沈黙が続く…。対岸の浅場のヘチまでオトリを誘導する。ここでも“コツ、コツ”と小さな反応が。小さなアユの跳ねも見られたので、天然遡上の小アユがたまっているもかもしれない。
そうこうしている内に、私のすぐ下流に入った相方の竿が大きくしなった。「おッ!遂に来たか!」と思ったが、何かおかしい…。いくら何でもが竿が曲がり過ぎている。そう思っていると、大きな魚体がローリングジャーンプ!「あ~、マスだー!」。下手にやりとりをすると竿が折れてしまうので、何とか外れてくれることを願う。すると、程なくして“大マス”はラインを切って、オトリアユと共に川へ消えた…。早速“大マス”の洗礼を受けてしまった。開始早々、相方はオトリアユを失い、オトリはあと1匹。私も釣れず、オトリを渡すことも出来ない。
反応はあるので、ここで釣りを続けるか、移動するか迷うところではある。この後、果敢にも相方は“大マス”が掛かった同じポイントで釣りを始めた。私が暫く竿を出さずに見ていると、一番荒い流れのポイントで、また大きく竿が曲がった!「またマスか?」と思ったが、今度は“本命”の型のよい天然アユらしい。実にカッコイイ!アユだった。
マスから逃げて見つけた“竿抜け”ポイントで“飛びつきのアユ“
相方の“大マス”のやり取りを見て怖くなってしまった私は、さらに下流へとポイントを移動することにした。歩きながらポイントをチェック。解禁から随分人も入り、叩かれたポイントが多いだろうと思い、なるべく皆が釣り難いポイントを選ぼうと思った。そして、最初入ったポイントから300m程下流の橋の下を狙うことにした。“段々瀬”になっていて、下流には深みがある。アユが掛かっても、うまく取り込まないと下の淵へ吸い込まれて、ラインが切れてしまうと思われるポイントだった。右岸に立って釣り開始。まず私は陸に上がってぐっと下がり、皆があまりやらないと思われる右岸のヘチの段を狙った。すると秒殺!目印が水中に一気に引き込まれるような強い引き!天然アユらしい背中のシュッとしたよい姿のアユが釣れた。
釣れたアユをオトリにすると、また“段々瀬”へと泳いでいく。先ほど釣れた場所からひとつ隣りの流れに入った瞬間、また目印が吹っ飛んだ!下に淵に吸い込まれないように堪える!ゆっくり竿を立てて無事キャッチ!これまた天然のシュッとしたアユだった。今年は天然アユの育ちがよいようで、そこそこの型に成長している。この後も、“段々瀬”の小場所、小場所でガツーン!とよい引きを味わうことが出来た。同じ場所では掛からず、少しずつポイントをずらしていくと、間髪入れず“飛びつきのアユ“が掛かってくる。それに反して、反応のない場所は全くの無反応。何度も何度もオトリを入れる場所を変えていくことが釣果に繋がった。“飛びつきのアユ“がいないポイントで粘ってしまうと、早川名物“ハゼ”の猛攻を受けてオトリを弱らせてしまうことになる。右岸立ちである程度釣ったので、川を横切って左岸立ちで同じポイントを狙ってみる。すると、また目印が吹っ飛ぶ!この橋下は“竿抜け”だったのだろう。“飛びつきのアユ“が楽しい時間を過ごさせてくれた。
海まで200m。最下流の瀬で今日一番の引き!
潮風香る最下流ポイント。海は目と鼻の先。“大マス”との戦いを終えた相方が下ってきた。話を聞けばあの後も何度かマスに襲われたとのことだ。よくぞ粘った!(笑)
いよいよ本日の最終ポイント。先程私がよく釣れた“段々瀬”の話をすると、やはり釣りにくい場所や、流れが荒いあまり竿の入っていないポイントがよいのではないかということに。相方は荒い“段々瀬”を狙うことにした。私はさらに下流の“チャラ瀬”を狙ってはみたが、一発で「こない所は釣れないだろう」と思い、今日は納竿とした。
竿を畳んで相方の元へ。かなり際どい荒い段へとオトリを送り込もうとしていた。オトリを空中輸送しポイントへ送り込む。するとスッコーン!と目印が大きく吹っ飛んだ。「いたー、飛びつき~!」。下の淵に吸い込まれないように堪える。大きくしなる竿を見ているだけでもドキドキする。オトリアユが水面に顔を見せたところを一気に引き抜き、「シュッ」と音がしそうなくらい豪快にタモへと吸い込まれていった。今日の締めくくりには最高のアユとなった。
早川は足を使って”なんぼ”の川。釣り返しはなかなか効かない。しかし足を使い、“竿抜け”ポイントを見つければ、目印を吹っ飛ばす天然アユが楽しませてくれる。これからますます楽しみな早川。どんどんアユも成長し、さらに私たちの竿を大きく曲げてくれることだろう。
施設等情報
〒250-0021 神奈川県小田原市早川3-10-13
■早川河川漁業協同組合 小田原支部
〒250-0034 神奈川県小田原市板橋905 早川河川漁業協同組合 小田原支部ホームページ
施設等関連情報
・車:小田原厚木道路・小田原西IC出口を国道135号方面に向かって進むとオトリアユ販売所まで3分
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。